天体観測におすすめな双眼鏡と上手な選び方
宇宙にはたくさんの星が広がっており、地上から見る景色はまさに神秘です。天体観測とは文字通り天体を観測することですが、双眼鏡では星空を見ることを醍醐味としています。
そんな天体観測に持って行きたい双眼鏡もしっかり選ばなければ手ぶれがひどかったりぼやけてしまったりと、上手く観測できません。ここでは双眼鏡のスペックの見方と、天体観測に持って行っても失敗しない双眼鏡の選び方をご紹介します。
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天体観測用の双眼鏡を選ぶポイント
双眼鏡を選ぶ際にはズーム機能や高倍率な物が良いとされがちですが、高倍率であれば良い双眼鏡だとは言えません。天体観測に最も重要なのは明るさと視野です。ただし、三脚を使用するのであれば高倍率で大型のものもありでしょう。
また、メガネを使用している場合はアイレリーフも気にかけるようにしましょう。アイレリーフが調節できないものだとメガネが使用できず肉眼で見ることになってしまいます。メガネを使用する際にはアイレリーフが10ミリ~15ミリほどのものがおすすめです。
もちろん、単一の天体を観測するのであれば双眼鏡よりも天体望遠鏡を選ぶのがおすすめです。星空を見たいのか、単一の天体を観測したいのか、目的を明確にしてから選びましょう。
広い視界と十分な明るさの確保が最優先
天体観測をするのは基本的に真っ暗な夜です。宇宙から届く星の光をなるべく集めてしっかり見るためには明るさの数値が25以上、できれば49付近のものが最もおすすめです。
視野が広ければそれだけ星を見つけやすくなり、流れ星や彗星を発見しやすくなります。
三脚の取り付け可能な双眼鏡を選ぶ
倍率や明るさの数値が高い物を求めていくと双眼鏡も大きくなります。すると重量も出てきて手持ちでは安定しなくなりますので、三脚の取り付けが可能な物を選びます。
三脚さえあれば長時間の天体観測も安定して楽しむことができます。
天体観測のみなら対空双眼鏡にも注目
天体観測でのみ使用するなら対空双眼鏡も良いです。通常の双眼鏡は地上望遠鏡を2本並べたのに対して、対空望遠鏡は天体望遠鏡を2本並べたものになります。
ただ、対空双眼鏡は星を見るのにとても適していますが、なにぶん扱いが難しいです。双眼鏡は対象を直視できますが、対空双眼鏡は実際の天体の方向と双眼鏡を覗きこむ方向に45~90°のずれが生じるなど、初心者には少し難しい作りになっています。
しかし見え味は抜群なので直視型の双眼鏡で慣れてきたら対空双眼鏡も注目されると良いでしょう。
防水仕様の双眼鏡なら突然の雨も安心
防水仕様の双眼鏡を選んでおけば、天体観測中の突然の雨にも焦らずに済むのでおすすめです。
手ぶれが気になるなら防振双眼鏡もおすすめ
三脚でなく手持ちスタイルを続けたいのであれば防振双眼鏡も良いです。防振ボタンを押すと驚くほど安定して観察できるのでおすすめです。
天体観測におすすめな双眼鏡のスペック
ここからは双眼鏡のスペックの見方と、天体観測に最適な数値を解説していきます。
スペックの見方としては、双眼鏡自体に刻印された〇×△AA°という記載から判断することができますので覚えておきましょう。
- 〇が倍率
- △が対物レンズの有効径
- AA°が実視界
- 見掛け視界はAA°×〇
- ひとみ径は△÷〇
上述した点をを覚えておくと双眼鏡選びの参考になります。
双眼鏡の倍率
〇×△AA°の〇の部分で、天体観測には7~10倍が最もおすすめです。これ以上高倍率だと手ぶれが激しくなり、三脚が必要になります。
双眼鏡の対物レンズ有効径
〇×△AA°の△の部分です。対物レンズの有効径は倍率とのバランスで明るさが変わります。天体観測は夜なのでひとみ径が5~7、明るさが25~49のものを選びましょう。
双眼鏡の実視界と見掛け視界
実視界は〇×△AA°のAA°の部分で、双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲のことです。実視界は倍率によって変化するので他の倍率と比べることはできませんが、実視界と倍率をかけた(AA°×〇)見掛け視界は他の双眼鏡とも比較することができます。
見掛け視界が広いということはそれだけ視野が広いということですが見やすい反面、解像度が悪くなります。天体観測では40~60°が良いでしょう。
双眼鏡のひとみ径と明るさ
ひとみ径は対物レンズの有効径÷倍率(△÷〇)で表されます。この数値が大きいと暗い場所でも明るく見えるようになります。ひとみ径を二乗したものが明るさになります。
天体観測ではこの明るさが最も重要なことの一つなので、ひとみ径が7前後で明るさが49前後のものを選びましょう。ただし、都会などで明るい場合にはひとみ径が5前後で明るさが25前後でも見ることはできます。
双眼鏡の最短合焦距離
もっとも近付いてピントの合う距離のことです。これは美術館などで細かく見る場合には重要ですが、天体観測ではそこまで気にされることはありません。
双眼鏡のサイズと重量
天体観測でももちろん持ちやすさは重要ですが、性能を求めるとそれだけ大きく重い双眼鏡になります。その場合は無理せず三脚を使った方がより楽しめますが、手持ちの場合は1000グラムを目安にすると良いでしょう。
初心者におすすめな天体観測用双眼鏡:TOP3
ここまで天体観測におすすめのスペックを見ていただきましたが、数字だけでは選ぶのに苦労するかもしれません。そこで、おすすめの双眼鏡を3つピックアップしましたので参考になさってください。
また、全双眼鏡の中からおすすめな双眼鏡をランキング形式でまとめたページもございます、どれを選べば良いか迷ってしまった方は参考にしてください。
第1位:ビクセン(Vixen) / アスコットZR 7×50 WP
現在の価格はコチラ |
- 倍率:7倍
- 対物レンズの有効径:50ミリ
- 見掛け視界:44.8°
- アイレリーフ:17.0ミリ
- 明るさ:50.4
- 重量:1015グラム
- 防水:〇
双眼鏡で天体観測を開始する入門機に最もおすすめしたい双眼鏡です。まさに天体観測用のスペックでバランスもとれているのにお求めやすいというところも魅力です。
第2位:ニコン(Nikon) / アクションEX 7X50
現在の価格はコチラ |
- 倍率:7倍
- 対物レンズの有効径:50ミリ
- 見掛け視界:44.8°
- アイレリーフ:17.1ミリ
- 明るさ:50.4
- 重量:998グラム
- 防水:〇
1位とほぼ同じスペックでこちらも天体観測に大変おすすめです。メーカーの好みや値段で選ぶと良いでしょう。
第3位:ニコン(Nikon) / 7x50 SP防水型
現在の価格はコチラ |
- 倍率:7倍
- 対物レンズの有効径:50ミリ
- 見掛け視界:51.5°
- アイレリーフ:16.2ミリ
- 明るさ:50.0
- 重量:1500グラム
- 防水:〇
手持ちでは厳しい重量になってしまいましたが、三脚使用を前提で考えれば良い双眼鏡です。上記よりも視野が広いのでより多くの星を同時に楽しめるほか、彗星も見つけやすくなります。