大きいと明るい!双眼鏡のひとみ径と人間の瞳孔径
ひとみ径は双眼鏡を選ぶときに重要な明るさに関係しています。ただしひとみ径が大きければ大きいほど(明るければ明るいほど)良いというわけではなく、使う目的によってベストなひとみ径があります。
ここではひとみ径とは何なのか?ひとみ径と明るさの関係、そしてひとみ径選びに重要な人間の瞳孔との関係性を見ていただき、各シーンごとにおすすめのひとみ径を紹介していきます。
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そもそも双眼鏡のひとみ径とは?
双眼鏡のひとみ径とは30センチ離れたところから接眼レンズを見たときに見える明るい円の直径のことです。実際に30センチ離れて定規で測ることも可能ですが、計算で求めることもできます。
対物レンズの有効径÷倍率=ひとみ径
例:8×42の双眼鏡であれば、42÷8=5.3となり、ひとみ径は5.3です。
ひとみ径は倍率が高くなれば値は小さくなるので、明るく快適に見るためには倍率に合わせた対物レンズの有効径が必要になります。
双眼鏡のひとみ径と明るさの関係
双眼鏡の明るさはひとみ径の二乗に値します。先ほどの8×42の双眼鏡はひとみ径が5.3なので明るさは28.09となります。したがって、ひとみ径が大きくなればそれだけ明るく見えるということになります。
双眼鏡のひとみ径と人間の瞳孔径
先ほどひとみ径が大きくなれば明るく見えると書きましたが、これには人間の瞳孔径も関係してきます。人間の瞳孔は明るい場面では小さく、暗い場面では大きくなります。その人間の瞳孔径は明るい場面で2~3ミリ、明るい場面で7ミリほどです。
双眼鏡のひとみ径はスペックで決まっているので変化しませんが、人間の瞳孔径は周囲の明るさで変化するため、明るい環境で双眼鏡を使用する場合と暗い環境で双眼鏡を使用する場合では必要なひとみ径の数字が変わってきます。
簡単な考え方としてはその環境での人間の瞳孔径よりもひとみ径が大きい、もしくは同じくらいであれば肉眼と同じ明るさで見えるということです。
明るい環境で双眼鏡を使用した場合
明るい環境で双眼鏡を使用した場合、人間の瞳孔は2~3ミリです。ということはひとみ径が2~3ミリ以下であった場合には暗く見えます。ここでは例としていくつかの双眼鏡の数字を出して比較してみましょう。
8×20の双眼鏡の場合
ひとみ径は20÷8=2.5ミリ
明るいので人間の瞳孔径は2~3ミリ
人間の瞳孔径2~3ミリ≦ひとみ径2.5ミリなので肉眼と同等の明るさで見えます。
7×50の双眼鏡の場合
ひとみ径は50÷7=7.1
明るいので人間の瞳孔径は2~3ミリ
人間の瞳孔径2~3ミリ<ひとみ径7.1ミリなので肉眼と同等の明るさで見えます。
暗い環境で双眼鏡を使用した場合
暗い環境で双眼鏡を使用した場合、人間の瞳孔は7ミリです。ということはひとみ径が7ミリ以下であった場合には暗く見えます。ここでも例としていくつかの双眼鏡の数字を出して比較してみましょう。
8×20の双眼鏡の場合
ひとみ径は20÷8=2.5ミリ
暗いので人間の瞳孔径は7ミリ
人間の瞳孔径7ミリ>ひとみ径2.5ミリなので肉眼よりも暗く見えます。
7×50の双眼鏡の場合
ひとみ径は50÷7=7.1
暗いので人間の瞳孔径は7ミリ
人間の瞳孔径7ミリ≦ひとみ径7.1ミリなので肉眼と同等の明るさで見えます。
目的に合わせた双眼鏡のひとみ径の選び方
ひとみ径は大きいに越したことはないですが、目的によってはそこまでのひとみ径が必要ない場合もあります。上記でもあったように、昼間の明るい環境でしか使わない場合には人間の瞳孔は2~3ミリなので、ひとみ径も3ミリあれば十分ということになります。
暗い場所で観察することがあるのであれば、人間の瞳孔径と同等である7ミリのひとみ径は必要です。もちろん、それより少なくても見えないことはないですが、暗くなってしまいます。せっかく観察するのであれば肉眼と同じ明るさのほうがしっかり見えておすすめです。
もう少し具体的なシーンで解説いたしますね。
昼間のバードウォッチングやフェスなどの明るい場所の場合
昼間のバードウォッチングやフェスなど、明るい場所で双眼鏡を使用する場合にはひとみ径が2~3ミリのもので十分明るく感じることができます。2ミリ以下の場合は晴天では見えますが少し曇っている場合には暗く感じますので、最低でも2~3ミリはあった方が良いでしょう。
ライブやコンサートや観劇などの薄暗い場所の場合
ライブやコンサートなどでは外よりも少し薄暗くなるので、ひとみ径は3~5ミリの物がちょうど良いです。
スタジアムやドームでのスポーツ観戦やライブなど暗いとも明るいとも言えない場所の場合
スタジアムやドームは会場によっても暗さが変わってきますので、ひとみ径は5~7ミリの物を選ぶと良いです。例えばひとみ径7ミリを選んで、まわりが明るかったとしても明るすぎて見えないということはないので安心してください。
天体観測など夜の場合
夜暗い中で使用するのであればひとみ径は7ミリがおすすめです。人間の瞳孔も最高に開いて7ミリなので人間の目が対応できるギリギリのスペックです。