美術館や博物館におすすめな双眼鏡と上手な選び方
美術館の絵画を見たり、博物館の歴史的作品を見るために双眼鏡を使うのは当たり前になってきました。しかし何も考えずに双眼鏡を選んでしまうと、鑑賞先でピントが合わず「全く使えなかった」という事態になりかねません。
それは双眼鏡が悪いのではなく、美術鑑賞に向いていない双眼鏡を持って行ってしまった場合にそうなります。せっかくの美術鑑賞ですから、しっかり作品を見られるように失敗しない双眼鏡選びについて解説します。
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美術鑑賞用の双眼鏡を選ぶポイント
双眼鏡を選ぶ際にはズーム機能や高倍率な物が良いとされがちですが、高倍率であれば良い双眼鏡というわけではありません。美術鑑賞で最も大切なのは最短合焦距離です。その他にも明るさやデザインなどを考慮して選びましょう。
また、メガネを使用している場合はアイレリーフも大切です。アイレリーフが調節できないものだとメガネが使用できず肉眼で見ることになってしまうのでメガネを使用する際にはアイレリーフが10ミリ~15ミリほどのものがおすすめです。
デザイン性に優れた双眼鏡を選ぶ
美術館や博物館は非常に落ち着いた空間です。その空間に合うようにスマートな双眼鏡を選ぶことで一歩上の美術鑑賞を楽しむことができます。
コンパクトで軽量な双眼鏡がおすすめ
美術館や博物館では、立ち止まって長時間眺めるわけではなく歩き回りながらお目当ての作品を見れるように、ポケットにしまえてサッと取り出せる小型で軽量のものをおすすめします。
美術館や博物館で使うなら最短合焦距離に注目
美術館や博物館では何よりもまず最短合焦距離が大切です。最短合焦距離とはどれだけ近付いてピントを合わせられるかを表しています。2メートルまで近付いて双眼鏡を使いたい場合には最短合焦距離が2メートル以下のものを選びましょう。
美術館・博物館におすすめな双眼鏡のスペック
ここからは双眼鏡のスペックの見方と、美術鑑賞に最適な数値を解説していきます。
スペックの見方としては、双眼鏡自体に刻印された〇×△AA°という記載から判断することができますので覚えておきましょう。
- 〇が倍率
- △が対物レンズの有効径
- AA°が実視界
- 見掛け視界はAA°×〇
- ひとみ径は△÷〇
上述した点をを覚えておくと双眼鏡選びの参考になります。
双眼鏡の倍率
〇×△AA°の〇の部分で、美術鑑賞では4~7倍のものがおすすめです。そもそも対象との距離が近いので高倍率は必要ありません。その他の精度を保ったままこれ以上倍率を上げると、双眼鏡が大きくなってしまいスマートな双眼鏡を実現できなくなってしまいます。
双眼鏡の対物レンズ有効径
〇×△AA°の△の部分です。対物レンズの有効径は倍率とのバランスで明るさが変わります。それから双眼鏡の大きさも対物レンズの有効径で決まるので10~20ミリが良いでしょう。
双眼鏡の実視界と見掛け視界
実視界は〇×△AA°のAA°の部分で、双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲のことです。実視界は倍率によって変化するので他の倍率と比べることはできませんが、実視界と倍率をかけた(AA°×〇)見掛け視界は他の双眼鏡とも比較することができます。
見掛け視界が広いということはそれだけ視野が広いということですが見やすい反面、解像度が悪くなります。美術鑑賞では広い視野は必要なく、それよりも解像度を求めたいので50°前後がおすすめです。
双眼鏡のひとみ径と明るさ
ひとみ径は対物レンズの有効径÷倍率(△÷〇)で表されます。この数値が大きいと暗い場所でも明るく見えるようになります。ひとみ径を二乗したものが明るさになります。
美術館では少々薄暗いこともあるのでひとみ径が3~5ミリ、明るさが9~25のものを選んでおけば間違いありません。
双眼鏡の最短合焦距離
もっとも近付いてピントの合う距離のことです。美術館や博物館での使用は最も重要なものになります。これは短ければ短いほど近づけるので便利ですが、50センチ~2メートルのものを選びましょう。
双眼鏡のサイズと重量
美術館では小型で軽量なものを選びます。そこまで大きいのは必要ないのと、携帯性を重視するためです。具体的には200~300グラム程度がおすすめです。
初心者におすすめな美術鑑賞用双眼鏡:TOP3
ここまで美術鑑賞にオススメな双眼鏡のスペックを紹介してきましたが、数字だけ聞いても難しいかもしれません。そこでおすすめの双眼鏡を3つピックアップしましたので、選ぶ際の参考になさってください。
また、全双眼鏡の中からおすすめな双眼鏡をランキング形式でまとめたページもございます、どれを選べば良いか迷ってしまった方は参考にしてください。
第1位:リコー(RICOH) / Papilio
現在の価格はコチラ |
- 倍率:6倍
- 対物レンズの有効径:21ミリ
- 見掛け視界:49°
- アイレリーフ:15.0ミリ
- 明るさ:10.2
- 重量:290グラム
- 最短合焦距離:50センチ
まさに美術鑑賞のために作られたような双眼鏡です。最短合焦距離が50センチなので相当近付いても見え、重量もちょうど良いのでまさに美術鑑賞のお供として連れていきたい双眼鏡でです。
近距離でピントを合わせると、それに連動して左右の対物レンズがスライドして中央に寄る「ピント連動対物レンズ位置補正機構」を使っているのも特徴で非常に便利です。
第2位:ビクセン(Vixen) / ジョイフル H6×18
現在の価格はコチラ |
- 倍率:6倍
- 対物レンズの有効径:18ミリ
- 見掛け視界:42.9°
- アイレリーフ:10.5ミリ
- 明るさ:9.0
- 重量:165グラム
- 最短合焦距離:1.0メートル
上記よりも軽くさらにコンパクトな双眼鏡です。明るさや視界も問題ありません。最短合焦距離が1メートルなので1メートル以上近付きたい場合には向きませんが、それ以外でしたらおすすめの双眼鏡です。
第3位:ビクセン(Vixen) / Saqras H6×16
現在の価格はコチラ |
- 倍率:6倍
- 対物レンズの有効径:16ミリ
- 見掛け視界:47.1°
- アイレリーフ:14.0ミリ
- 明るさ:7.3
- 重量:145グラム
- 最短合焦距離:3.2メートル
上記2つよりもさらにコンパクトになりましたが、最短合焦距離は離れてしまいました。少し離れて鑑賞したい場合には十分です。