カビに要注意!双眼鏡の手入れと正しい保管方法
愛すべき嗜好品「双眼鏡」。そのお手入れと正しい保管方法をご存知でしょうか?
この優れた光学機は、使っている時もそうでない時も、決して手を抜けない、気が抜けないのです。使ったまま放置して適当な場所に保管などしようものなら、いざ使う時にビックリ!カビが?!そう、双眼鏡にはカビが生えるのです。それも容易に!
そうならないためにも、正しい方法のメンテと保管が不可欠です。可愛いものには手がかかる!けれど長く大事に使い続けることで、さらに愛着も湧いてくることでしょう。
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双眼鏡の大敵!カビの危険性
カビといえば湿度の高い場所に発生してアレルギーの原因となったり、腐敗した食物にできるイメージがありますよね。
しかしそのカビ、双眼鏡にとっても「大敵」なのです!双眼鏡にカビが発生すれば、極端に言えば「使い物にならない」ほどのダメージ。その上修理に出したら高額な費用が!これではダブルダメージ!
双眼鏡の危機を回避すべく、カビの危険性と対処法を知っておきましょう。
双眼鏡にカビが生える原因
カビは湿度60%以上の場所で発生しやすく、梅雨はもちろん高温多湿な日本は、カビにとっては好環境!少量の埃やレンズに付着した皮脂でさえカビの養分となるのです。保管方法にも注意が必要。ケースなどにしまいがちですが、ケースの内張は布だったりするので湿気がこもりやすくカビにとっては生息しやすい環境と言えるでしょう。
レンズやプリズムへの影響は?
レンズやプリズムにカビが生えると、コントラストが低下して光学精度が落ちるのです。これ、双眼鏡にとっては致命的なダメージ。防水の窒素充填タイプならば、内部までカビが生える心配はないのですが、通常のタイプはピント合わせの時に外気が入るので、プリズムまで侵食するのです。
けれど防水だからといって安心できません!レンズには容易にカビが発生するのですから。
双眼鏡のカビは自分で除去できる?
残念ながら大半は除去できません。というか元には戻りません!このカビは、食べ物に生えるカビと違って、付着しているのではなくガラスを「侵食」し、表面に微細な分枝構造の跡を付けます。たとえ除去したように見えたとしても、実は永久に消えない傷が付いているのです。それでは本来の精度に戻せたとは言えません!
そもそもセルフケアでは残ったカビ菌にまで気づかないのです。
また、防水タイプも万が一落下などの衝撃で内部までカビが発生した場合は、窒素ガスの封入など自分でメンテするには限界があります。壊れてもよい覚悟で分解して掃除するのも手ですが、、、、ハイリスクです!
双眼鏡は決して安価ではない、愛着ある嗜好品の一つ。早期発見の時点で、まずメーカーへ問い合わせてみましょう。長く愛用するために必要なプロセスです!
双眼鏡の手入れ
まずは、兎にも角にも手入れです。最近は防水加工のものが主流ですから、やはり心配なのはレンズの方でしょう。指紋による皮脂やちょっとした埃や水滴、なんだってカビの要因となるのです。まずは、マメに正しくお手入れしましょう。
揃えておきたい双眼鏡のメンテナンス道具
まずは、メンテナンスに役立つアイテムを紹介します。
- エアダスター
- ブロアー
- レンズ用ブラシ
- 無水エタノール
- 綿棒
- メガネ用クリーナー
- クロス(最新の清潔なマイクロファイバーの布)
- 光学系用クリーニングクロス
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双眼鏡のメンテナンス方法
アイテムが揃えば、メンテナンスです。汚れの種類によっても方法は変わってきます。
- まずはブラシで双眼鏡全体の汚れを除去。
- レンズやその他の細部をエアダスターかブロアーで、細かな砂や埃を吹き飛ばします。
- 雨水や塩水による水滴は、環状の跡がレンズに残っているので、一度湿らせてから拭き取る必要があります。防水ならば水洗いや湯洗いも可能です。
- 指紋は清潔なマイクロファイバーの布で、レンズの中心から円を描くように優しく磨きます。
- 頑固な油汚れは、光学系用のクロスや綿棒にエタノールをしみこまして、周縁部まで優しく丁寧にクリーニング。メガネ用クリーナーでもある程度は効果があります。
基本的には液体を使用しないことをお勧めします。逆に汚れを広げてしまったり拭き跡が残ったりするからです。また、決して強くこすったりして傷をつけないでください。クロスも、使い捨てペーパクロスやティッシュなどではコーティングを傷つける恐れがあります。
双眼鏡の保管方法
まずは、使用後のケア。これを怠るとカビをご招待しているようなものです!使用中に濡れた場合は、保管の前に清潔な布でふき取ってから風通しの良い場所で乾かしてください。
そして保管は、カビの生えやすい高温多湿で埃っぽい場所は厳禁です。必ずケースからは出して保管しましょう。
双眼鏡を保管する際の湿度
カビは少々高温でも湿度さえ高くなければ発生率が下がります。通常、双眼鏡保管に適正な湿度は40度とされていますが、逆に湿度が下がりすぎるのもダメ!レンズ以外のラバーや皮などの素材が劣化してしまうのです。湿度調整はむづかしいですね!
双眼鏡の保管場所
頻繁に使うのであれば、厳重に保管しすぎないこともコツです。使用後のクリーニングの後、日が当たらない風通しの良い場所に置いておけばそうそうカビは生えません。もちろん埃は容易にたまるので度々ケアが必要です。また直射日光は劣化するので避けてください。
しばらく使わないとなれば、湿度が高く埃っぽい場所、温度の変化が変わりやすい場所は避けましょう。押入れやタンスの中は厳禁です。季節によっても状況は変わりますし家の中でそんなベストな場所はなかなかありません。
そうなると、保管場所というよりは保管方法が大事になってきますね。
双眼鏡を保管する容器の選び方
コスパ重視の、乾燥剤と一緒に保管するのも一般的ではありますが、湿度調整となるとなかなかむづかしいものがあります。こまめに乾燥剤の交換が必要だし、湿度の下がりすぎにも要注意です。結局カビにやられて修理に出すことに!希少レンズだと1枚で3~5万円もして初期投資より高いのでは?なんていうのは、双眼鏡アルアルです。
ここは長い目で見ると、保管専用の防湿庫がベストな選択でしょう。大事な投資です!
双眼鏡におすすめの防湿庫
防湿庫は主に2種類あります。一つは定期的に乾燥剤を取り換えながら使う簡易防湿庫、いわゆるドライボックスです。購入時のコスパで考えるのなら少々面倒でもこちらが良いでしょう。
もう一つは、湿度をオートで管理してくれる電動タイプ。もちろん購入時のコストはかかりますが、湿度管理は自動なので安心して保管できます。
ナカバヤシ / キャパシティ ドライボックス 27L
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何と言ってもコスパが良い!1000円から3000円でたいていのドライボックスは購入できます。中身が見えるクリアボディで湿度計付き。キャパが広く密封性も良く、ボックス自体が収納しやすい。難点は、まめにチェックして乾燥剤を入れ替える必要があり、梅雨時は1週間に何度も取り替えなくてはいけません。また、開閉のたびに湿度が上がってもどりにくいです。
100均などで乾燥剤を購入したとしても、一回に500~1000円ほどかかるので購入コストを抑えられても、ランニングコストと手間はかかってしまいますね。
東洋リビング / オートクリーンドライ ED-55CAT
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湿度は30~50度の適正湿度を自動でキープしてくれます。電池交換不要なアナログ湿度計で庫内の湿度が一目瞭然!1日1円と省エネタイプで5年保証(湿度計は3年間)。自社開発の光触媒によるオートクリーン機能で常に庫内は清潔で、循環対流により庫内の湿度はムラがなく、除湿スピードも速いのです。
使い勝手の良いスリムタイプでガラス張りの一枚扉は高級感があってとてもお洒落。また、静音で横で寝ていても気にならない!外部コンセントがあるためデジタル機器の充電にも便利。
特筆すべきは庫内の「引き出し式の棚」。手前にある機器に触れることなく奥に収納したものを取り出せます。双眼鏡は触れるだけで皮脂がついてカビの要因になるのでとても便利な機能ですね!波型ホルダーが付いているので、双眼鏡だけではなく単眼鏡やカメラのレンズ収納にも便利。
トーリ・ハン / クリーンドライ・キャビ H-60D-MⅡ
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12〜16台収納できて静音性が高く、スタイリッシュでインテリアにもマッチ。アナログより若干精密で見やすいデジタルデュアル湿度計が付いてくるのも魅力です。しかも湿度計は電池交換不要でメンテナンスがフリー。
ランニングコストと防湿能力は東洋リビングと大差ないのですが、こちらは水分が下がる性質を利用して除湿機部が下方に設置されているので効果的に全体を除湿できます。
何と言っても売りは、オシャレなブルーの棚板。高級感ある布地で機器を傷つけない上、光触媒が塗布されていて、防カビ抗菌脱臭浄化に優れています。可動式ではない分強度が高く若干スペースが広いです。
東洋リビングが利便性重視なら、こちらは収納性と言ったところでしょうか。容量あたりの単価が少し安いというのも魅力でしょう。