デジスコってなに?特徴や魅力と機材の揃え方
野鳥などを超望遠で美しく撮る、「デジスコ」という撮影があります。これはフィールドスコープとデジカメを組み合わせて撮る方法ですが、一眼レフと望遠鏡の組み合わせと比較し、魅力がたくさんあります。
ここでは「デジスコ」の特長や魅力、そして必要な機材についてご紹介しましょう。初心者でも気軽に始めやすい「デジスコ」で、野鳥の息づかいが聞こえてくるような、素敵な写真を撮りませんか?
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そもそもデジスコってなに?
デジスコとは、デジタルカメラのレンズにフィールドスコープを組み合わせて撮影することを指す造語です。
通常の望遠鏡撮影は、望遠鏡レンズとレンズがないボディを組み合わせて撮影しますが、このように対物レンズにデジカメのレンズを組み合わせ、ふたつのレンズをくっつけて拡大像を撮影する方法をコリメート撮影といい、超望遠の撮影を可能にします。
デジスコの魅力
デジスコの魅力はなんと言っても、大きく撮れることです。そして、安価で機材を揃えられ、軽量で小さいことです。魅力がいっぱいのデジスコ、そのメリットを細かく説明しましょう。
デジスコのメリット
まず、一眼レフと望遠鏡のレンズを組み合わせた通常の撮影と比較し、デジスコは大きく撮ることができます。簡単に説明すると、デジカメの焦点距離にスコープの倍率を掛け合わせた焦点距離になります。
デジスコは、このコメリート撮影によって遠くの小さな被写体を撮影することができます。被写体に近づくことが困難な位置関係であったり、人が近づくことにより逃げたり驚かしてしまったりすることを避けるため、野鳥や動物の撮影に適しています。
次に、安価で撮影に必要な機材を揃えられることです。一眼レフと望遠レンズを組み合わせる場合、最低ラインでも30万円程度は必要になってきますが、デジスコの場合はその3分の1程度、10万円以下の投資で必要機材一式を揃えることができます。
さらに、軽量で小さいこともメリットです。一眼レフカメラと超望遠レンズと三脚…これを揃えるとかなり大きくて重たくなります。これら一式の機材を担いで野鳥を探し回るには、相当な体力が必要です。しかしデジスコなら、観察用のフィールドスコープとコンパクトなデジタルカメラの組み合わせ。気軽に持ち歩いて野鳥撮影を楽しむことができます。
デジスコのデメリット
魅力にあふれたデジスコですが、デメリットもありますので、ご確認ください。
まず、デジスコは非常に高倍率なため、小さな揺れがとても大きなブレとなってしまいます。そのため動きが激しかったり、飛んでいる野鳥の撮影はちょっと苦手です。手持ちは不可能ですので三脚と雲台が必要になります。
また、デジカメはシャッター速度が遅くなるので、被写体も機材も揺れない状態でないと美しい写真は撮れません。満足がいく飛翔写真を撮ることはなかなか難しく、一眼レフにはかなわないと言わざるを得ません。
そして、デジスコは1000mm以上での撮影のため写せる画角が小さく、被写体を画角の中に捉えるのは慣れないとなかなかスムーズにいきません。ファインダーを使っておよそのピントを合わせてから絞り込むなど、工夫が必要です。
デジスコに必要な機材
デジスコは比較的安価で、気軽に始められる撮影ですが、撮影の目的に合った適切な機材は取り揃えないといけません。デジスコを始めるために必要な機材には何があるか、ここに書き出してみましょう。
- フィールドスコープ本体(接眼レンズ含む)
- デジタルカメラ
- 接続アダプター
- 三脚
- レリーズ
- ビデオ雲台
では、それぞれどのようなものか、買うときのポイントなどをひとつずつ解説していきます。
フィールドスコープ本体
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フィールドスコープには様々な種類のものがあり、選ぶ際に迷ってしまうと思いますが、まずは口径(対物レンズ有効径)を選ぶポイントにしてみると良いでしょう。
レンズの口径が大きいほど、集光力がアップするため明るく撮ることはできます。しかし、ピントが合う範囲が狭くなり、ピント調整が難しくなるので上級者向きです。初心者の方には、口径が小さいほど焦点距離も短くなってピントも合いやすいので、50mm〜60mm程度のものをおすすめします。
また、レンズの品質はEDレンズにすると、色収差を抑え、解像度の高く鮮明で、シャープな画像を撮ることができます。そして接眼レンズは低倍率からズームにすると良いでしょう。
フィールドスコープには、スコープ本体と接眼レンズが平行もしくは直線となる「直視型」と、スコープ本体に接眼レンズが斜めに接続される「傾斜型」の2種類がありますが、「直視型」の方が被写体の方向を容易に見越せるので、フレームに捉えやすくなります。
デジタルカメラ
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デジスコに適したデジカメは、コンパクトで3倍ズーム程度のものです。連写性能が高いもの、起動速度が速いもの、そして200万画素以上のものがおすすめです。
できれば沈胴型の鏡筒タイプが良いのですが、稼動型の鏡筒タイプでもカバーできるようなレンズアダプターがあれば良いでしょう。
接続アダプター
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デジタルカメラにフィルター取付け用のネジ部があれば、そこを利用する接続用アダプターを使うのがもっとも簡単なのですが、そのようなネジ付のカメラは少なくなっています。
ネジ部がない場合は、ユニバーサルタイプのアダプターで接続します。ユニバーサルタイプとは、フィールドスコープの接眼部に挟んで固定し、カメラは三脚取付用のネジを利用してステージ上に取付ける、汎用性が高いタイプのアダプターです。
三脚
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三脚は、望遠鏡やカメラを固定するためのもので、デジスコは、高倍率での撮影となりますのでグラつきのないしっかりした三脚が必要になります。耐荷重が4kg以上のもので、脚部の材質は通常アルミかカーボンになりますが、カーボンの方が剛性が高く、軽いのでおすすめです。
また、デジスコセットを搭載した状態で、重量のアンバランスを調整するためのバランスシートも合わせて必要です。
レリーズ
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デジスコ撮影に関わらず、シャッターを直接指で押すとカメラ全体が微少に揺れて、ブレた写真になってしまうことがあります。デジスコは高倍率ですので、手元の微妙な揺れでもきれいな写真が撮れなくなってしまいます。
そこで必要なのがレリーズです。レリーズを押すことにより、ブレない写真にします。しかし、オプションでレリーズが用意されていないカメラもあります。その場合は、ケーブルレリーズをシャッター上部に固定させるためのオプションパーツ「ブラケット」を用いて汎用のレリーズを取付けます。
ビデオ雲台
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雲台とは、三脚に固定しカメラの向きや傾きなどを調整する部分です。最近人気のジンバル雲台は、どの位置に動かしてもピタッと止まります。
小型のフィールドスコープには、小型のビデオ雲台が重量も抑えることができておすすめです。
あると便利なグッズ
上記必需品以外に、あったら便利なグッズをご紹介します。撮影するものや環境、経験に合わせて、揃えていくようにしてください。
照準器
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デジスコは超望遠であるので、野鳥などをスコープ内に導入するのは意外と難しいのです。そこであると便利なのは照準器です。照準器でおよその方向を定めてから、カメラの画面を覗きます
液晶フード
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画像の明るさやピントを調整するのは、液晶画面を見ながらします。そのため、フードで太陽光を遮断して液晶画面を見ると、より精度の高い調整が可能になります。
3倍ルーペのついたフードなら、画面が拡大されて見やすくなります。
予備バッテリー、充電器
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デジカメに限ったことではありませんが、バッテリーが切れたら何もできなくなってしまいます。稼働時間にもよりますが、予備のバッテリー2〜3個、そしてバッテリーの充電器も持って行かれることをおすすめします。