初心者必見!フルートの上達におすすめな練習曲まとめ
フルートの演奏を上達する為には基本的な姿勢や運指などポイントはいくつもあり、それは練習をすることで身につけることができます。しかし、ただ姿勢を正し、指の動かし方や形さえ覚えれば演奏できるわけでもありません。
フルートの上達には、それに見合った練習曲が必要です。しかしどんな曲でもいいわけではなく、初心者であれば初心者におすすめの練習曲というものがあるのです。
こちらではフルートの上達におすすめな練習曲を紹介していきます。
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おすすめ練習曲の目次
レベル別!おすすめ基礎練習曲(エチュード)
フルートの上達のためには基礎練習が欠かせません。フルートに限ったことではないですが、基礎がないと楽譜通りに演奏できたとしても楽譜をなぞって演奏したに過ぎず、上手く演奏できたとは言い難いのです。
フルートで基礎力をつけるためには練習曲は切っても切れない関係となります。練習曲はフランス語でエチュード(étude)と言いますが、音楽界あるいは音楽理論ではしばしばこの表現が使われます。
ここからは上手く演奏できるようになりたいなら、持っていて損はない練習曲をレベル別に紹介していきます。
初心者向けの基礎練習曲
まずは初心者向けの基礎練習曲です。初心者ならば特にこの基礎練習は重要となり、今後上手くなれるかどうかはこの練習にかかっていると言っても過言ではありません。
特におすすめの基礎練習曲を紹介していきます。
アルテフルート教則本 第1巻 / ジャパン・フルート・クラブ
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こちらの教則本はフルートに備わる3オクターブの音域を全て活用することを想定しており、練習音階の配置としては優れた曲ばかりとなっています。初期段階の練習から始められ、音磨きの練習に適しています。
ただ、途中から難易度が格段に上がるので諦めずに続けることが大切です。
フルート教本 / ドレミ楽譜出版社
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小規模ですが練習しやすいエチュードを取り入れ、無理なく独学でのレッスン出来るように工夫された教本です。またソロではなくアンサンブル感を養う為、デュエットの形になっているのもポイントです。
古い教本ながらも非常に分かりやすいと多くの方が評価しています。
アルテス フルート奏法 第一巻 植村泰一 訳・解説 / アンリー アルテス シンフォニア
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フルートの持ち方からアンブシュアにおける唇の形や顎の使い方など、初心者がまず知らなければいけない初歩的な部分から練習できる教本です。
丁寧でとても読みやすいことも然ることながら、これまでフルートの名人として称えられてきた西洋の名演奏者の方々の意見も記された貴重な教本となっています。
中級者向けの基礎練習曲
中級者となってくると様々な面で個性が出始めるレベルです。もちろんそれが上手く働くこともありますが、それによってスランプに陥ることもあります。その状況を脱するには基礎に立ち返ることが近道であることもあります。
そうでなくても中級者は中級者のための基礎というものが存在します。それを練習するための曲をここから3選ご紹介していきます。
フルートのための35の練習曲 第1巻(ケーラー) / カール・フィッシャー社
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音大の試験問題としても良く出題されるのがこちらの練習曲です。歌曲、行進曲、舞曲とフルートに求められるスタイルを把握した上で、基本的なアナリーゼの技法を身につけさせることを目的とした練習曲集です。
ケーラーの練習曲は、例え初心者であっても続けることで上達できる練習曲となっています。
それならば初心者向きではないかと思われるかもしれませんが、練習曲の中には様々なテクニックが盛り込まれており、毎日練習することで中級者でもその技術を磨くには申し分ない内容となっています。
練習すればするほど曲の味わい深さを感じさせられると、高評価をされている練習曲でもありおすすめとなっています。
アルテフルート教則本 第2巻 / ジャパン・フルート・クラブ
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中級だからこそ練習しいなければならない、しかし地味だと思ってしまう基礎技術の練習に打ってつけなのがこの教則本です。
独学なら特に基礎技術を学ぶのに有効な内容が盛り込まれた練習曲となっており、基本的な編集内容を貫いているため信頼性が高い教則本となっています。
フルートのための24の練習曲 Op.21 / シャーマー社
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フルートを練習している方なら誰もが知ることになるのが、こちらの練習曲です。
この曲を作り上げたアンデルセンは「フルートのショパン」と称されるほど美しい曲を書き上げます。この24の練習曲も例外に漏れず、練習曲とは思えないほどの美しさと繊細さを兼ねそろえた曲となっています。
フルートの魅力の1つである、華やかで美しい女性らしさを感じさせるような旋律を奏でたいのであれば練習してみるといいでしょう。演奏における表情の変化は中級者ならば表現できるようになりたい技術です。
上級者向けの基礎練習曲
上級者ともなると基礎なんているの?と思われるかもしれませんが、しっかりと存在します。何事もそうですが基礎が存在しないレベルなどないのです。
そこでここからは上級者向けの基礎練習曲もご紹介していきます。
ソノリテについて(モイーズ) / ルデュック社
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ソノリテが示すのは音色作りです。フルートにおける音色作りと運指は例え上級者になっても極め続けなければいけない重要な基礎となります。
どのレベルになっても研鑽し続けなければならない基礎を身につけるために、これほど良い練習曲はありません。
ただ上級者向けともなると、初心者や中級者では指示されていることがよく分からないという方も少なくないので、しっかりとした知識と技術を身につけてから入る必要があります。
フルートのための24の練習曲 Op.15 / カール・フィッシャー社
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Op.21については中級者の練習曲でご紹介しましたが、Op.15はさらに難易度が高い練習曲となっています。
上級者に必要とされる様々な技巧が盛り込まれており、それらを習得するのに適した練習曲と言えます。技術力を磨きたいのであればおすすめです。
アルテフルート教則本 第3巻 / ジャパン・フルート・クラブ
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第1巻は初級者に、第2巻は中級者に向いているとご紹介しましたが、第3巻は上級者用となっています。巻を追うごとに難しくなるのは必然ですが、こちらは上級者の方が練習すべき曲がしっかり盛り込まれています。
ただ解説が少ないのでここまでくると独学では少々厳しいかもしれません。曲自体は楽譜が大きく印刷されているのでとても見やすく、上級者が難解な曲を弾けるようになるために必要な合理的な運指を学ぶことが出来る曲となっています。
フルート教本1 音づくり(Practice Book for the Flute 1: Tone) / 音楽之友社
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音づくりのためだけに47ページもの情報量を詰め込んだのがこちらの練習曲です。美しい旋律を奏でるのであれば音づくりは必須であり、上級者こそ反復練習をして、その技術を磨く必要があります。
これを使って練習された方も、自分で分かるほど音が良くなったという評価を挙げられているだけに非常に良い練習曲であることが伺えます。
フルート教本2 テクニック(Practice Book for the Flute 2: Technique) / 音楽之友社
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音づくりに対してテクニックを学べるのがこちらの教本です。運指の練習には最適であり、高音域までカバーしているので、改めて正しい運指を反復練習するには最適の練習曲と言えるでしょう。
上級者であっても基礎は非常に大切です。運指、そして音階の練習として自分の技術を上げるためには必要な練習曲です。
フルート教本3 アーティキュレーション(Practice Book for the Flute 3: Articulation) / 音楽之友社
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スラーや各種タンギングなどフルートにおける美しい旋律を作る上で必要な技術を練習できる曲となっています。ここまで1~3までご紹介してきましたが、どれも親切に書かれておりコツや音の出し方なども丁寧に記されています。
上級者の基礎訓練としても最適の教本であり、最小の時間でよりよい効果を上げるには非常に良い練習曲の数々となっています。
演奏できる!レベル別おすすめ名曲
フルートの醍醐味は何といっても可憐な音色から奏でられる優雅な曲になります。初心者なら特に「早く曲を吹きたい!」と思う方も多いはずです。あるいは中級者以上であれば、さらにレベルの高い曲を演奏したいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
そこでここからは初級者から上級者まで全てのフルーティストにおすすめの演奏曲をレベル別にご紹介していきます。
初心者向けの名曲
誰もが聞いたことがあるような曲ですが、初心者の方でも練習、そして演奏がしやすい曲になります。
またフルートの基本や音楽理論の基礎が学べるものとしても有名なものがあるので、初心者の方におすすめとなります。
アヴェ・マリア / バッハ、シューベルト、カッチーニなど
アヴェ・マリアは四大天使ガブリエルによる受胎告知において、聖母マリアへの挨拶として描かれた曲として有名です。バッハやシューベルトなど多くの作曲家がそれぞれの思いを込めて作り上げた曲ですが、非常にゆったりとした曲であり、フルート初心者の方でも練習できる曲となっています。
有名な曲ですが、基礎を身につけるには適した曲となっており、多くの初心者が練習する曲の1つともなっています。
ショパンの別れの曲 /ショパン
正式名称はフレデリック・ショパンが作曲した独奏ピアノ曲「練習曲作品10第3番ホ長調」となりますが、日本においては「別れの曲」として有名です。その旋律は誰もが耳にしたことがあるであろう、穏やかでどこか物悲しい、まさしく別れの曲というタイトルに相応しいものとなっています。
こちらも緩やかな旋律となっているので、フルート初心者であってもとっつきやすい曲となっています。初心者から中級者向けとはなっていますが、この曲を練習ししっかりと演奏できるようになれば、かなりの技術力を身につけることも可能です。
ケーラーの子守唄 / ケーラー
教本の中にもあったケーラーの練習曲の1つにもなっているのがこちらです。美しく旋律を奏でるところ、運指を早くするところ、激しく音をつくるところなどフルートにおける様々な表現を練習する要素が満載となっています。
ダニー・ボーイ / フレデリック・ウェザリー
ダニー・ボーイは元々アイルランド民謡として知られる「ロンドンデリーの歌」の旋律に、イングランドの弁護士であるフレデリック・ウェザリーが歌詞を付けたものです。ピアノによる演奏が主ですが、民謡独特の演奏の手軽さからフルートの練習曲としても知られる曲です。
すぐに演奏できるようになる曲ではありませんが、根気強く練習することで基礎的な技術を身につけていくことが可能です。
中級者向けの名曲
中級者ともなると、ある程度の難易度があっても挑戦できそうな曲をチョイスしたいと思います。一般の方でも耳にしたことがあるような曲の中で、特にレベルが高めのものを選んでみました。
そろそろ高レベルにも挑戦してみたいという方は、是非ともこちらを演奏してみてください。
シランクス / ドビュッシー
かの有名なドビュッシーが作曲した曲であり、フルート奏者にとって不可欠の曲名と看做されている名曲中の名曲です。無伴奏フルート作品として作られ、フランスで19世紀末から20世紀前半にかけて活躍した名フルート奏者であるルイ・フルーリーに献呈された一曲になります。
中級者の方々が身につけたい指回しの技術を練習するのには良いとされる曲です。音大の試験曲やコンサートの課題曲にもされるような曲なので、それだけ確実な技量が試される曲でもあるのです。
パルティータ(無伴奏フルートのためのパルティータ第1楽章) / ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
こちらはバッハにより作曲された無伴奏フルートの練習曲に適したものとなります。「フルートのための25の練習曲」の大練習曲としても収録されています。分散和音となっており上下の跳躍が激しいことから、全ての音色を綺麗に奏でることは非常に難しいとされている難曲です。
だからこそ中級者として練習することで、次のレベルにステップアップできる曲ともなっています。かなり根気のいる曲となりますが、基礎を確実なものにするためにも必要な曲であることは確かでしょう。
ハンガリー田園幻想曲 / フランツ・ドップラー
こちらはフランツ・ドップラーがフルートと管弦楽のために書き上げた珠玉の名曲です。ドップラーは優れたフルート奏者でもあり、ブタベスト歌劇場のフルート奏者を務めていた時期に作曲されたのではないかと推測されている曲でもあります。
この曲は上述のパルティータよりも、さらに指使いが難しい曲になります。下手をすれば上級者でも難しいとされるかもしれません。フルートに必要なテクニックを身につけ、上級者へと足を踏み入れるのであれば、避けては通れない曲と思っていただいてもいかもしれません。
上級者向けの名曲
上級者ならかなりの曲を演奏できるようになっていると思います。
そこでこちらではさらにレベルの高い曲、上級者の方でもかなりの練習が必要となるであろう名曲をご紹介していきます。
フルートソナタ / プーランク
名前の通りフルートのためのソナタとして作曲されたものであり、同名のものはいくつかありますが、その中でも20世紀で最高傑作とされるのが、プーランクが作った一曲となります。彼の代表作としても知られていますが、ドビュッシーが晩年書き続けたソナタ群を意識して作られています。
第2楽章は非常に難しいのに、その難しさを聞き手に感じさせないよう、また曲の世界観を崩さぬように演奏しなければいけない難曲ですが、それに見合うだけの美しさがある曲でもあります。上級者なら演奏できるようになっておきたい曲です。
フュルステナウの音の花束 / フュルステナウ
「最上級技巧練習曲」として名高いのがこちらの曲です。華やかで技巧的な装飾がいたるところに盛り込まれており、特に連鎖的装飾句が多用されています。この曲は「ロマン派のヴィルトゥオーゾ」を演奏するために必須の練習曲集としても位置付けられているため、世界中で上級者が練習する曲でもあります。
ベーム24の奇想曲 / テオバルト・ベーム
上記の曲程は難しくないものの、こちらも難解な曲となっています。レベルとしては中級から上級の橋渡し的なものとなっています。しなやかさや柔軟性の表現、オクターブなどの音の跳躍や、アルペジオ、トリルなど様々な技術と表現力を磨くことが出来る1曲です。