絶対知りたい!音楽の基礎用語やフルートの奏法と名称
「何かを始める」という時には、どんなことでも用語や知識は必要です。特に、音楽の場合は覚えておく用語や基礎知識はとても多く、どれを覚えてるべきか分らない人が多いはず。
今回は、そんな初心者の人向けに「必ず覚えるべき」とても重要な用語や基礎知識、技法等を大きく3つに分けてご紹介していきます。
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知っておきたい音楽の基礎用語
「フルートを吹くことも、音楽を始めるのも初めて!」という人にぜひ知っていただきたい音楽の基礎的な知識を紹介していきます。
教本を使って独学で上達したいと思っている人、レッスンを受けて上達したい人、上達する方法は様々ですが、どんな方法でも以下の用語は必ず出てくると思ってください。
これらの用語は基本中の基本である為、しっかりと意味を理解しておく必要があります。しかしそれぞれの用語はとても奥が深く、事細かく解説するとかなり時間が必要となります。
以下でそれぞれの用語がどんな意味を持っているのか、簡単に解説していますので参考にしてみてください。
音階とは?
音階とは、名前の通り「音の階段」です。
高さの異なる音が順番に並べられている状態を指します。しかも、その順番というのは音が低い順から並べられており規則的です。
最も分かりやすいのは、「ドレミファソラシド」です。
最も音の低い「ド」からスタートして1オクターブ上の「ド」で終わります。しかし、音階というのは必ずしも「ド」だけで始まるのではなく、スタートが他の音の音階もあります。
その為、「レ」からスタートしたら1オクターブ上の「レ」で終わる「レミファ♯ソラシド♯レ」の音階もありますし、有名な「ミ♭」からスタートする「ミ♭ファソラ♭シ♭」等様々です。
音階の種類は「明るく感じるメジャースケール(長音階)」と「暗く感じるマイナースケール(短音階)」の2つです。音階の種類についてや、メジャースケールやマイナースケールの音の並べ方の違いはもう少し掘り下げることが出来るのですが、話が難しくなるためこれくらいの知識で十分です。
更に覚えておきたいことがもう1つあります。音階で並べられている音幅(音と音の間)は均等ではないことを覚えておきましょう。音幅が広いところと狭いところがあります。
ピアノを思い浮かべてください。白い鍵盤と白い鍵盤の間に黒い鍵盤があるはずです。ある1つの白い鍵盤とその隣の白い鍵盤をまたいだ場合は「全音」で音幅が広くなっています。反対に、1つの白い鍵盤と斜め上隣の黒い鍵盤をまたいだ場合は、「半音」で音幅が狭くなっています。
このように音と音はすべてが均一ではないのです。
移調楽器とは
音は必ずしも「ド」からスタートするのではありません。「レ」からスタートする音階や「ラ」からスタートする音階もあります。
楽器も同じで、ピアノやフルートのように「C」からスタートする楽器があれば、「B♭」から始まるクラリネット、「F」から始まるホルンなど様々です。(「CやF等が良く分からない!」という方は次の音名についてをご覧ください。)
このように始まりが「C」以外の楽器を移調楽器と呼びます。
音名とは?
音名とは、音の高さにつけられた絶対的な名前のことです。
音に名前を付けておくことで、どの音のことを指しているのかを自分以外の人とも共有できる為、非常に便利です。(「自分以外の人とも共有」の意味が不明な方は下の"階名"をご覧ください。)
音名の表記には国によって異なります。音楽の世界ではイタリア語でも日本語でもなく、ドイツ語で音名を共有するのが一般的です。音楽を始める人ならドイツ語表記を必ず覚えておきましょう。
日本音名 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
イタリア音名 | do ド |
re レ |
mi ミ |
fa ファ |
so ソ |
la ラ |
si シ |
ドイツ音名 | C ツェー |
D デー |
E エー |
F エフ |
G ゲー |
A アー |
H ハー |
ドイツ音名 (♯) |
Cis チス |
Des ディス |
Eis エイス |
Fis フィス |
Gis ギス |
Ais アイス |
His ヒス |
ドイツ音名 ♭ |
Ces ツェス |
Des デス |
Es エス |
Fes フェス |
Ges ゲス |
As アス |
B ベー |
階名とは?
移調楽器で「C・D・E」を出す場合、同じ音が出るのかという疑問が出てくる人もいるかと思います。
「C・D・E」というとピアノでもフルートでもホルンでもクラリネットでも同じ音を出すことができます。なぜなら音名は「絶対的」である為、どんな人・どんな楽器でも同じ音になるのです。
反対に、階名とは相対的です。
主音に対する相対的な音の高さを表します。相対的である為、それぞれの楽器にとっての主音(スタートになる音)を中心にして考えます。
日本では、階名はイタリア語である「ドレミファソラシド」が最も用いられています。この時の「主音」というのが階名の始まりである「ド」です。日本では「ドレミファソラシド」というように「ド」を主音にして使われているので、「ド」からスタートする階名に馴染みがあります。
例えば、一斉に階名の始まりである「ド」を出したい場合、階名は相対的なのでそれぞれの楽器にとっての「ド」を出します。
フルートやピアノ等であれば「C」から始まる楽器なのでそのまま「C(通常のドの音)」を出します。しかし「B♭」から始まるクラリネットであれば、クラリネットにとっての「ド」、つまりスタートの音の「B♭(通常のシ♭の音)」を出すことになります。
このように、移調楽器の場合、主音が違うと相対的に表す階名は、楽器によって音が異なります。
「ド」一つとってもピアノの「ド」、クラリネットにとっての「ド」、ホルンにとっての「ド」はそれぞれ違いがあることを覚えておきましょう。
音程とは?
音程とは、連続する2つの音の高さの差を表します。
例えば、低い「ド」と「ソ」の音が並んでいるとします。楽譜で表すと、五線譜の中では「ド」が下で「ソ」が上です。この時の高さの差が「音程」なのです。
ちなみに、「音程」と「音の高さ」は同じ意味ではないため勘違いしないように注意しましょう。音程は2つの音の高さの差です。
度数とは?
度数とは、上述の「音の高さ」にどれくらいの差があるのかを数値で表したものです。「"ソ"-"ド"」が音程だとすると、引き算の後の答えが度数ということになります。単位は「度」です。
度数には数え方があります。例えば、「ド」と「ソ」の音程の差を数える場合は、音の低い順から「ド、レ、ミ、ファ、ソ」と数えます。そうすると5つの音が数えられたため、「ド」と「ソ」の差は5度となります。
「ド」と「ド」のように同じ音が並んでいる場合は1度となり、「ド」から「レ」は2度、「ド」から「ミ」は3度というように音の高さの差が開くほど、数は多くなります。度数は基準が「ド」とすると、8度上の高い「ド」までが1セットです。
ちなみに、基準の音よりも8度上はオクターブといいます。例えば「ド」であると、8度数えるので「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」と1周した高い「ド」がオクターブです。
しかし音楽というのは「ドレミファソラシド」のみできているわけではありません。♯や♭があり、例えば「ド」と「ド#」の場合は、「ド#」の#を外して考えます。その為、「ド」と「ド#」の度数は1度のままです。
更に「ド」と「ミ♭」の場合でも「ミ♭」の♭を外して考えます。ド、レ、ミ、で3つの音が数えられるため度数は3度です。
調とは?
音楽というのは1つの主音によってつくられた音階があることで曲が出来上がります。この時の「主音」というのは基準になる音のことで、音階の開始音でもあります。
「調」とは、その主音と音階によってできる曲のシステムです。簡単に言うと「どの音が主役になるか」が「調」ということになります。更に「調」には2種類あり、主音に対して明るい音階でつくられたのが長調(メジャー)、暗い音階でつくられたのが短調(マイナー)です。
もっと詳しく解説するために、誰もが知っている「ドレミの歌」を例にして説明します。
私たちが知っている「ドレミの歌」は原曲だとシ♭が主役のメジャー(明るい音階)、「シ♭、ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ、シ♭」で音が出来上がっています。
しかし、私たちがよく歌う「ドレミの歌」はドが主役のメジャー(明るい音階)、「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」でつくられています。
主役が原曲と変わったのは「シ♭」よりも「ド」のほうが民謡曲っぽく歌いやすいからかと思われます。更に、「ド」のマイナー(暗い音階)を用いると、「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭、ド」と一気に暗い印象になります。
このように「調」を変えることによって明るくできたり、暗くできたり、民謡曲っぽくできたり、印象を変えることが出来ます。
和音とは?
和音とは、1つの音に対して3度ずつ音を上に重ねて3つの以上の音を同時に鳴らしたものを指します。基本は、3つの音を重ねる三和音が基本。
例えば、「ド」を例にするとドの3度上の「ミ」と、「ミ」の3度上である「ソ」の「ドミソ」を重ねて三和音をつくります。2つの音のみで和音といわれることもありますが、3つの音のいずれかが省略されているため2音のみでも和音と言えます。
また、和音にも長三和音(メジャー)と短三和音(マイナー)があり、基準の音が同じでも印象が全く異なります。
絶対でてくる!技法や演奏記号
楽譜を見た時に指示通りに演奏が出来ていないと「良い演奏」と言われないことが多いです。その為、曲の演奏を始める前に必ず知っておきたい技法や演奏記号があります。
以下の用語は必ずと言っていいほど登場するので覚えておきましょう。
また、フルートをはじめ、他の管楽器でも以下の用語は共通しています。
これらの名称は何曲か吹いてみると必ずと言っていいほど出てきます。特に、「アンブシュア」と「アパチュア」の2つは管楽器を始める人にとっては常識です。その他にも基本的な技法がいくつかあるため、詳しくご紹介します。
アンブシュアとは?
アンブシュアを一言でいうと、楽器を吹く時の口の形を指します。一昔前には、アンブジュールとも呼ばれていました。
楽器演奏者に必要な技術の1つで、楽器や人によって全く異なり答えがありません。
また、口の形といっても唇や舌、顎、頬、のど等のすべてをフル活用して演奏します。なぜなら、アンブシュアが演奏者の音色、ピッチ、音量等、音のすべてを左右するからです。
フルートだけに限らず、すべての演奏者はアンブシュアの問題に直面し悩みます。それくらいアンブシュアというのはとても難しい問題なのです。
プロになると、その日の体調や状況でアンブシュアを吹き分けます。有名なフルート奏者のメイナード・フォーガソンは7つのアンブシュアを吹き分けていたそうです。
アパチュアとは?
アパチュアとは、息を楽器に伝えるためにできる小さい穴(息の通り道)のことを指します。息がアパチュアを通り振動することによって楽器も振動し、音が出るのです。
アンブシュアとアパチュアの違いがよく分からないという方も少なくありません。アンブシュアは口の「形」で、アパチュアは口でつくる「穴」と覚えるといいと思います。
演奏する時はアンブシュアについつい気をとらわれがちですが、アンブシュアと同じくらいアパチュアも重要です。
楽器によっても異なりますが、実際は息の通り道であるアパチュアを上手くコントロールできていないと、吸い込んだ分の息を楽器に伝えることが出来ません。唇に力を入れすぎないことや、喉をできるだけ開けることがポイントとなります。
また、特に金管楽器に当てはまるのですが、アパチュアは音の高さによって変化させる必要があります。高い音の時はアパチュアを狭く、音が低い時はアパチュアを広くとるとそれぞれの音が出しやすくなります。
タンギングとは?
タンギングとは、舌を使って音を区切る技法です。
前歯の裏に舌を触れ、音を出すと同時に舌を離すことでタンギングができます。タンギングについて調べると、「舌突き」という意味に和訳されることもありますが、和訳通りに舌を「突く」と力が余分に加わり、音が痛くなります。そのため、「タンギングをする時は"舌を離す"」というイメージが必要です。
タンギングにはシングルタンギング、ダブルタンギング、トリプルタンギングの3種類があり、発音によって分けられます。
それぞれのタンギング曲のテンポや雰囲気に合わせて使い分けますが、基本的なタンギングにはシングルタンギング、速いテンポの時はダブルタンギングやトリプルタンギングを用いる時が多いです。楽器によっては3種類すべてのタンギングが容易にできる訳ではなく、フルートの場合シングルタンギング、ダブルタンギングは練習が必要となります。
スタッカートとは?
スタッカートとは、音と音を切り離すことを示す演奏記号です。スタッカートの印は、音符の上又は下に小さな点(・)です。
スタッカートの音は、示されている音符の長さの半分になります。例えば、4分音符であればスタッカートだと8分音符分、8分音符であればスタッカートだと16分音符分吹くことを指示しているのです。
ちなみに、スタッカートの反対は「レガート」と呼ばれ、音をつなげます。
スタッカートテヌートとは?
たまに、スタッカートとテヌートが同時に指示された音があります。それは、スタッカートテヌートと呼び、「その音の半分の長さをテヌートして吹くこと」を表します。
例えば、4分音符にテヌートスタッカートがある場合は、「8分音符(スタッカートなので4分音符の半分)をテヌートで吹きなさい」という指示です。少し難しいですが、演奏の幅を広げるには重要な技法なので覚えておきましょう。
スラーとは?
スラーとは、2個以上の音と音を滑らかにつなげて演奏する技法。スラーは複数の音を弧でくくられている演奏記号です。フルート等の管楽器の場合はタンギングをつけずに演奏するのが基本。
スラーを演奏する時には、スラーの始まりから終わりまでを音量や音質の差がないように演奏することが重要です。そのために、アパチュアやアンブシュアなどを少し変化させながらスラーを表現こともあります。
タイとは?スラーとタイの違いは?
タイとは、同じ音程かつ隣同士である音が弧でくくられている演奏記号です。タイでつながれている後ろの音は発音し直しません。
少し具体的に説明すると、例えば同じ音程で両方とも4分音符の「ド」と「ド」がタイでつながれているとします。その場合は、「4分音符+4分音符=2分音符」と合算して考え、「ド」の音を2分音符分吹くのです。
決して、「ド」の4分音符を「トゥートゥー」と吹き直すのではありません。「トゥーー」とつなげて吹くのです。
つまり、タイは同じ音同士がつながれており、スラーは違う音同士がつながれている点が大きな違いです。
テヌートとは?
テヌートとは、音の長さを保って演奏することを示した演奏記号です。音符の上又は下に横棒(ハイフン)がつけられています。
しかし、実際音の長さを保つとはどのようなことか分からない方も多いはずです。もともと、「テヌート」はイタリア語が語源。
テヌートは、「音の長さを保つ」という意味の他にも「保持する」や「逃げないように」、「落ちないよう手で押さえる」という意味もあるため、語源から考えて「テヌート=音を大事にする」と捉えると理解しやすいでしょう。
つまり、作曲者にとってテヌートで指示された音は「大事にしたい音」であったり、「主張させたい音」なのです。
初心者がテヌートをすると、あまりにも音を保ちすぎて、テンポが遅くなったり、余計に音が長くなってしまいます。あくまでも「音を大事にする」ことが重要なので、気をつけましょう。
ビブラートとは?
ビブラートとは、一定した音の揺れを指します。「何も音が揺れていればいい」というわけではありません。「音の揺れ幅」と「音の揺れる速さ」の2つが一定であることで綺麗に聴こえます。
ビブラートには大きく2つ種類があります。音量の揺れのビブラートと、音高の揺れのビブラートです。初心者には大変難しいビブラートですが、コツをつかむとどんな曲にも応用が可能です。
また、フルートなどの管楽器の場合、腹筋や横隔膜等の身体を使ってビブラートを表現する方法や、アンブシュアを変化させて表現する方法があります。指も覚えて、ある程度の曲が演奏できるようになったらビブラートも練習しましょう。
フラッターとは?
フラッターとは、巻き舌をしながら音を出す奏法です。かなり難しく、できる人は限られています。
近現代のクラシック音楽が始まりで、ドイツのリヒャルト・シュトラウスがフルートの特殊技法としてフラッターを考案。その後、他の木管楽器や金管楽器に応用され、今では定番になりつつある技法です。
フラッターは、息を出しながら巻き舌で「t-r-r-r-r-r-r-r...」と発音します。(最初の発音を明確にするため、通常は最初にタンギングをします)巻き舌ができることが前提であるため、まずは巻き舌を自由にコントロールできることを目標に練習しましょう。
覚えておきたい!フルートの部分名称
フルートは頭部管、胴部管、側部管の3つに分解することが出来ます。それぞれの3つは音を出す役割、音程を変える役割など様々な役割を持っており、どれも重要です。
また、フルートのお手入れに必要な部分名称も、フルートを始める上で知っておくべきものです。いい音を出すには以下の部分名称の手入れをきちんと行いましょう。
それぞれの名称やその他の細かい部位の名称を知っておくと、教本やレッスンの内容を更に詳しく学ぶことが出来たり、フルートの調子が悪い時に他者に説明しやすくなります。ぜひ覚えておきましょう。
頭部菅とは?
頭部管とは、唇を当てるフルートのトップの部分です。フルートの音色や音程、音量などすべてを決めるといっても過言ではないほど重要な頭部管。重要な役割を果たすことから「フルートの心臓部」とも呼ばれています。
ちなみに、頭部菅の口を付ける部分がリッププレート、またそのリッププレートに開いている息を吹き込む穴の部分を唄口と言います。特に、唄口は楕円形と小判形に分かれており、音色や音量などを大きく左右します。
他にも、ヘッドスクリューやコルク栓など様々なパーツが頭部管に含まれており、それぞれが重要な役割を果たすため、どれか1つでもトラブルがあるとフルートは一気に狂います。心臓部と呼ばれている分、ケアがとても重要ですよ。
胴部管とは?
胴部管とは、3つに分解される中で最も長く、かつ最もキーがついている部分です。ほとんどのキーが胴部管についているため、胴部管がなければ音階をつけることはできません。
頭部管に近い位置に小さなキーが3個、大きなキー10個が胴部管の表面もしくは側面についています。胴部管のキーは位置的にすべてを指で押さえることができません。
そのため、キーシステムにより、1つのキーを押すと他のキーも連携して自動的に押さえられます。このことによって効率よく指運びができるのです。
ちなみに、胴部管上のキーの並びには種類があります。一直線にキーが並んでいる「インライン」と、左手薬指が少し外側にずれている「オフセット」の2つです。詳しく知りたい方はぜひこちらの記事をご覧ください。
側部菅とは?
側部菅とは、3つに分解されるフルートの部品の中でで最も短い部分。3つもしくは4つのキーが含まれています。
3つのキーがついているのはC管と呼ばれ、最低音のC(ド)から3オクターブ上のCまでの音域が出せます。こちらのC管が一般的。
しかしキーが4つついたH管にすることで最低音のCよりもさらに下のH(シ)まで出すことが可能になります。
キーが増える分高音が安定するというメリットもありますが、キーが4つもある分C管よりも管の長さが長く、音が少し暗くなります。H管を吹くにはテクニックが必要なため、プロレベルの人が選ぶといっても過言ではありません。
タンポとは?
トーンホールという穴を塞ぐためにあるのがタンポという部品です。主なフルートは、フェルトに豚の内臓からつくられた「フィッシュスキン」が巻かれて作られています。他にも、ゴムやシリコン製等材料は様々。
フルートの音階を作るためにはキーを開閉する必要がありますが、キーカップ(金属のフタ)だけではトーンホール(穴)を全て塞ぐことは出来ません。そのためキーの中にタンポが納められており、それによってトーンホールを確実に開閉することができるのです。
トーンホールとタンポの関係性は「髪の毛1本でも隙間があったら音は鳴らない」といわれているほど繊細なために、定期的なメンテナンスが必要です。
反射板とは?
反射板とは、フルートの唄口に最も近い内側の部分にある金属の板のことです。
音程は、管の長さで決まります。(長いほど低く、短いほど高いです)フルートの音程は、塞いだキーの位置から反射板までが管の長さです。そのため、反射板の位置によって音程はもちろん、音色や音量も左右するかなり重要な箇所なのです。
ですが、反射板の位置というのは変わりやすいです。ヘッドスクリュー(頭部管の頭にあるフタ)を締めたら押してしまったり、お手入れのためにクリーニングロットで頭部管を掃除するとずれたりします。頻繁に反射板の位置を確認しましょう。