ムラマツの特徴や評判と人気のおすすめフルート
フルートと言えば、その煌びやかな出で立ちと、女性的な音色が特徴的な楽器ですが、メーカーによってその特徴は違います。そんな中でも玄人やプロが好むフルートを中心に製造するメーカーがあります。
それがムラマツという名の、ハンドメイドフルートを専門に扱うメーカーです。ムラマツでは老舗としてのこだわりと高い技術力を持ってフルート制作を行っています。こちらではこのムラマツの特徴や評判と人気のおすすめフルートをご紹介していきます。
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ムラマツ(Muramatsu)とは?
ムラマツは埼玉県所沢市美原町に本社を置く、株式会社村松フルート製作所のブランドです。その名の通り、フルートを専門に製造しており、世界中のフルート奏者でその名を知らぬ者はいないと言われるほどの知名度を誇ります。
村松フルート製造所の創業者である村松孝一は日本初の国産フルートを製造した第一人者であり、今なおその高い品質のフルートを作り続けるために、常にハンドメイドでの製造にこだわりをもつブランドでもあります。
ムラマツのフルートの特徴
楽器全般ではヤマハの方が有名ですが、フルート専門で言えば、世界のトップメーカーと称されるのがこのムラマツであり、普及モデルからハイグレードモデルまで、ハイクオリティなものばかりが揃えられています。
そのどれもがハンドメイドであり、精度もクオリティも高く、非常に豊かな音量が出ることから、その人気は高く慢性的な品不足が続くほどです。またムラマツのフルートは鳴らすポイントがはっきりしているため、これで練習することによって奏法を会得しやすいという特徴もあります。
ただ力量のある奏者でなければ、いわゆる「ムラマツトーン」以上の音を引き出すことが出来ず、奏者を選んでしまうというのも、ある意味ムラマツ製のフルートならではとなっています。腕達者な職人が作っているため、あまりに精緻に製造されていることもあり、扱いが雑だと故障してしまうことがあります。
それだけ精度が高いとも言えますが、修理などを行う場合は公認技術者のいる専門店などで行わないと、深刻なダメージを与え修復不可能になってしまうこともあるので、注意してください。メーカーからも新宿、横浜、大阪、名古屋に調整及び修理の専門店を用意していますので、そちらに問い合わせるのが一番いいでしょう。
ランナップが豊富なのも然ることながら、総銀や金はもちろんのことプラチナを使った超高級フルート、そしてアルトフルートも取り扱っています。そのどれもがハイクオリティとなっているため、目を奪われる事間違いなしとなっています。
ムラマツのフルートの音色
深みがある音色が特徴的で、他のメーカーと比べても非常に豊かな音量がある商品となっています。ある程度までの演奏であれば、誰もが行うことができますが、力量がないと先述したムラマツトーンと呼ばれる音以上のものを引き出すことができないため、人を選ぶフルートでもあります。
ただ音色を奏でるためのポイントがはっきりしていることから、奏法の習得に向いており、上達を促してくれるという点では吹きやすいフルートになっています。
ムラマツのフルートの価格
ムラマツのフルートの価格は一番安いものでEXモデルのC足部管のもので20万円を越えますし、一番高いもので24K-SRのH足部管のもので1200万円弱となっています。オプションなどをつけるとさらに値段は上がりますが、こちらはフルオーダーになるので除外させていただきました。
ムラマツフルートは全てハンドメイドなので、全体的に価格が高めとなっています。そのため平均的な価格を出しても450万円前後と高価格帯となっています。一般的に手が出る700,000円のラインまでの平均価格でも431,000円とフルートの相場よりそれなりに上となっています。それだけクオリティにこだわりを持っているともとれます。
ムラマツのフルートを使用しているアーティスト
フルート界の帝王とも目されるメーカーなので、世界的にも人気であり多くの著名なアーティストが使用しています。以下はムラマツフルートを使用している有名アーティストです。
日本人アーティスト
- 大友太郎
- 紫園香
- 野津雄太
- 吉岡アカリ
海外アーティスト
- アンドレア・オリヴァ
- イオン・ボクダン・スティファネスク
- ザビーネ・キッテル
- ジェームズ・ゴールウェイ
- セバスティアン・ヴィッティベル
- ホセ・ソトーレス
ムラマツのフルートはどんな人ににおすすめ?
ムラマツフルートは全体的に高いこと、そして精密であり、熟練の奏者でもしっかりとした演奏をするのが難しいことから、中級者から上級者の方におすすめのフルートとなっています。
初心者にはややもったいない感のある商品となっているため、推奨できるものではありませんが、初期段階からしっかりとした奏法を身につけ、上達したいという方にもおすすめできるのが、このムラマツのフルートになります。
ムラマツの評価や評判
ムラマツはそのクオリティ故に高評価がほとんどですが、この分野の帝王とも呼べるような存在であるだけにアンチムラマツも存在します。そのためネガキャンのような評価も見られることがあります。ここからはそれぞれの視点で評価を見ていきましょう。
良い評価や評判
良い評価としては、やはりそのクオリティの高さが伺えます。その評価は特に国内ではなく海外で見受けられます。音色や演奏に直結する機能は非常に洗練されており、それ以外の関係ない部分の仕上げについては簡略化されており、まさに機能美に溢れた設計になっているところが受けているようです。
また先述したように、上達するにはムラマツフルートの如く、他メーカーより難易度は高いものの正しい奏法を身につけることが出来るのも、玄人からすれば高評価となっています。
悪い評価や評判
緻密な設計はそのまま低評価にもつながっています。先述通り、丁寧に扱わなければ壊れやすく、しかも修理などは公認の方でなければ、さらに深刻なダメージを与えかねないことから扱いにくい、壊れやすいというレッテルを貼られています。
実際問題、慣れていない方にとっては丁寧に扱うというものがどういうことなのか分からないかもしれませんが、ある程度フルートに触れ慣れてこれば、どの程度なのかもわかってくるため、中級者以上であればそうそう壊すことはないでしょう。それでも調整でさえ、公認技術者でないと不安があるので、面倒であることは否めません。
DSモデルとGXモデルの違いとは?
ムラマツフルートにはDSモデルとGXモデルというものが存在しています。これらの違いについて、簡単にですがご紹介しておきましょう。
まずDSモデルですが、こちらは全て銀で作られた総銀製のフルートになります。通常の価格で既に630,000円とかなり価格は高いのですが、一般的によくつけられるEメカニズムというオプションを付けると700,000近くになる高価なフルートになります。
それに対してGXモデルは、管は銀で出来ており、キーメカニズムは洋銀で構成されているフルートになります。全てが総銀製ではないため価格はDSモデルより抑えられ、Eメカニズムを搭載しても430,000円弱で購入できます。
それでも高めなのですが、違う金属を使って作られていることから中途半端であるため、同じグレードの別のメーカーのものを選択肢に入れた方がコストパフォーマンスは良いかもしれません。ハンドメイドで作られていること、そして精密な仕事をしているために全体的に高額なラインアップとなっていますが、総銀製の高いクオリティを求めるならDSモデルを選ぶのもいいでしょう。
ムラマツで人気の高いおすすめのフルート:厳選3種
それではムラマツの人気の高いおすすめフルートを3種ご紹介していきます。フルートは値段の差も大きいため、それぞれの予算に合わせたおすすめのものを分けてご紹介してきます。
予算30万円以下:EXモデル
現在の価格はコチラ |
洋銀製の本体と総銀製の頭部管で落ち着いた暖かみのある音色が特徴的なフルートです。プロだけでなく、初心者でも扱いやすいハンドメイドモデルですが、妥協は許さず、ムラマツの最新技術を持って作られています。
コントロールのしやすさが評価されており、慣れていない方でも扱いやすものとなっています。初心者でも有名なムラマツのフルートを使ってみたいという方にはおすすめの商品となっています。
予算40万円以下:GXモデル
現在の価格はコチラ |
こちらはキーメカニズムのみ洋銀製で、他は総銀製を用いたユニークな構成となっています。それにより音色も暖かく重厚なものとなっており、日本人が好む音色に近いものとなっています。その中には洋銀製の特有な煌びやかな音色が混ざるため、個性的なものとなっているのも特徴です。全て総銀製では味わえない響きが楽しい商品となっています。
予算100万円以下:DSモデル
現在の価格はコチラ |
管体からキーメカニズムまで全て総銀製で出来たフルートであり、ドゥローン・トーンホール・モデルを採用しています。高い精度で引き上げられたこのトーンホールにより、美しいレガートと歯切れの良いスタッカートを作り出せます。
操作性にも優れており、奏者の思い描く音色を表現できるだけのキャパシティを持ったフルートに仕上がっています。ムラマツの中でも総銀製のハンドメイドモデルの中では逸品と謳われる商品です。