ミヤザワの特徴や評判と人気のおすすめフルート
フルートはその様式美的な美しさに注目されることがよくありますが、それだけでは良い音色が奏でられないこともあります。楽器とはすなわち、その音質をしっかりと伝えられる構造にこそ機能美があり、その2つが両立するのが最も望ましいのです。
フルートを製造するメーカーの中には合理性と品質を追い求めるミヤザワというメーカーが存在します。機能美に溢れたフルートは多くの方から支持されています。そこでこちらではそのミヤザワの特徴や評判と人気のおすすめフルートをご紹介していきます。
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ミヤザワ(MIYAZAWA)とは?
ミヤザワは東京都豊島区南池袋に本社を置き、長野県上伊那郡飯島町の工場にてフルート製造を専門として行う宮澤フルート製造株式会社のブランドです。
1969年に創業しましたが、現在の株式会社に改組したのはその3年後になります。当初は宮澤管楽器製作所として設立され、フルート以外にもアルトフルートなどの管楽器も製造を行うメーカーとして現在もハンドメイドフルートを作り続けています。
様々な新素材や新技術を完成させ、常に新しいフルートを作り続けることをコンセプトにメーカー及びブランドが運営されています。
ミヤザワのフルートの特徴
ミヤザワはムラマツフルートから分離独立したフルートメーカーです。しかしその製品はムラマツと相違点があり、合理性と高品質を兼ねそろえた量産を目的としてフルートを作ってきたメーカーです。
そのため機能性に溢れたものとなっているのが特徴となっています。キーの構造や設計も先進的なものとなっており、普及モデルであっても良質なものを量産しています。またその合理性から、機能に関係のない部分でのデザインや仕上げを簡略化することでコストを下げており、その点では海外からも非常に高い評価を得ています。
さらに精緻性を高めたムラマツ製のフルートは公認技術者でなければ修理ができないほどの出来となっていますが、それでは扱いに困ることからミヤザワのフルートはどこででも修理が可能なところも特徴となっています。
そもそも精度がまずまずながらも故障はあまりないので、修理に頻繁に出さなければいけない心配もありません。もちろん雑に扱えば壊れる可能性がありますが、耐久性でも高いものがあります。
様々な品揃えがあるのも然ることながら、実用性に劣るもののプラチナを使ったフルートやピッコロ、アルトフルートなども取り扱うメーカーとなっています。また東京のみですが調整やオーバーホール、修理なども問い合わせ次第で行うことが可能となっています。
ミヤザワのフルートの音色
ミヤザワのフルートは比較的明るく優しい音色を奏でられるフルートとなっています。それ故に薄く深みこそないため、日本人にはあまり好まれない音色になっています。どちらかと言えばアメリカ方面で好まれる音色です。
中音量ながらも音量としては十分で、基本性能がしっかりしているので吹きやすいため音色を除けば使いやすさが好まれるフルートでもあります。
ミヤザワのフルートの価格
ミヤザワのフルートは一番安いものだとBR-102Rで15万円前後、最も高いものだとSBR Platinum-REH(in)で650万円程度となっています。プラチナを使う製品だけに桁違いの金額を叩き出しています。
そのため全ての商品の平均を出すととんでもない価格になってしまうので、一般的に手が出る700,000円台までの平均を出すと354,000円となり、フルートの相場である300,000円より50,000円ほど高い価格帯となっていることが分かります。
ミヤザワのフルートを使用しているアーティスト
音色でもご紹介しましたが、ミヤザワのフルートはその特徴的な音色から海外のアーティストに特に好まれる商品となっています。そのため世界的に活躍するアーティストを中心に愛用される方も多いようです。以下にリストにしたものはミヤザワのフルートを使用している有名アーティストの一覧です。
日本人アーティスト
- 赤木りえ
- 坂橋矢波
海外アーティスト
- イアン・クラーク / Ian Clarke
- キム・ミヒ / Kim Mihi
- クリスチャン・プルヴィエ / Christian Plouvier
- クレア・サウスワース / Clare Southworth
- タデウ・クエリョ / Tadeu Coelho
- ピエール=イヴ・アルトー / Pierre-Yves Artaud
- マーク・グローウェルズ / Marc Grauwels
- マリオ・カローリ / Mario Caroli
ミヤザワのフルートはどんな人ににおすすめ?
ミヤザワのフルートはデザインよりも機能性という方にはおすすめとなります。値段としてもその合理性から普及モデルは手が出しやすくなっています。
初心者でも購入しやすくなっていますが、スケール設計は伝統的なタイプとなっているため、音程のコントロールが必要となります。音色作りも含めて、内吹きの奏者と相性が良いという特徴も持っているため、初心者だと変な癖が付く可能性もあるので注意しましょう。
ミヤザワの評価や評判
ミヤザワのフルートはその普及モデルの良さから良い評価が多く見られます。ヤマハと比べてもクオリティが高いため、価格が抑えられたものを購入するならヤマハかミヤザワかと並べられるほどです。ただ悪い評価も見られるため、それぞれの意見を見てみましょう。
良い評価や評判
やはり何といってもその機能性と耐久性が大きな評価となっていることが伺えます。合理的であることから無駄があまりなく、また耐久性が高いことから、修理に出す回数が減るのは使う側にとってはありがたいポイントです。
またどこでも修理できるのも有難いところです。ムラマツのように限定的だと、いざ壊れてしまった時や調整でさえ場所を選ぶこととなります。利便性も評価においては見られるポイントの1つでしょう。
悪い評価や評判
機能性の面では海外から高い評価を得ていますが、国内ではあまり評価されていないのが現状です。日本は昔から機能美よりも様式美を重んじるところがあるため、そのデザインの美しさなども評価のポイントとなってきます。そのため、そこで評価を下げてしまっているところがあるようです。
またスケール設計の問題から、初心者にはやや扱い辛いのも評価を下げるポイントとなっています。ある程度練習してこれば問題はないでしょうが、それでもいきなり購入してしまうと難しく感じてしまう点ではあります。
ミヤザワで人気の高いおすすめのフルート:厳選3種
それではミヤザワのフルートで人気の高いおすすめ商品をご紹介していきます。先述通り価格は抑えめですが、それでも価格帯は幅広いため、予算に合わせておすすめのものを3選厳選させていただきました。
予算10万円台:102
現在の価格はコチラ |
ミヤザワが世に送り出した低価格のエントリーモデルです。低価格とは言ってもその丁寧な造りに裏付けられた品質は、手ごろな価格とは思えないほどのものです。エントリーモデルという事で初心者向けではありますが、軽快な吹奏感と明快な音色で扱いやすいフルートとなっているため、中級者以上の方にもおすすめとなっています。
予算30万円以下:Atelier-1
現在の価格はコチラ |
ミヤザワ製の中でも名機と言われたギブーシリーズを継承するモデルです。その音色は伸びやかであり癖がなく、軽やかな操作性が好評のシリーズとなっています。ミヤザワ独自のブローガー・システムを標準装備するなど、初心者でも扱いやすいフルートとなっているのもポイントです。
予算60万円台:Ibuki
現在の価格はコチラ |
ミヤザワのフルートづくりの原点に立ち返り作られたセミハンドメイドクラスのフルートです。スケール設計は新しいものを採用し、シルバーの管体と頭部管から得られる重厚で力強い音色は、ミヤザワのフルートの中では今までにないものとなっています。まさに新しい息吹をもたらすモデルとして人気です。
キーデザインもibuki専用にデザインされなおしており、軽量化を施すことで美しさと機能性を両立したものとなっており、ミヤザワのフルートの中でも傑作に値するフルートとなっています。