初心者必見!演奏に必須なフルートの運指と基本の吹き方
フルートは、管楽器の中では最も簡単な運指であると言われていますが、それでも初心者の方にとっては慣れるまで相当な練習が必要でしょう。始めこそ上手く演奏できないこともあると思いますが、慣れてこればきれいな音を奏でることも可能になってきます。
しかしフルートに慣れるためには基本的な運指、そして演奏の仕方を身につけなければなれるものでもなく、そうでなければ変な癖がついてしまい、一向に上達しないこともあり得ます。
ここでは演奏に必須なフルートの運指と基本の吹き方をご紹介していきます。
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フルートの吹き方の目次
フルートの運指
管楽器ともなると誰もがリコーダーを演奏した経験があると思います。リコーダーは穴の押さえ方で音が変わりますが、フルートもキーを押す位置を変えることで音階を変えることが出来るのです。
まずは中音域、具体的には中音のドからオクターブ上のドの運指を覚えていくようにするといいです。
また同じ音階でも1オクターブ違うことで運指が変わる音や、そのままの運指で息のスピードを変えるとオクターブの音が出る音階もあるため注意して覚えるようにしてください。
フルートの組み立て
運指を覚える前に根本的な問題として、フルートを正しい組み立て方で組み立てないと、本体を壊してしまうリスクが存在します。
まずは正しい組み立て方を覚えるようにしましょう。
フルートの組み立て手順
フルートはリッププレートと呼ばれる大きく唄口が付いた頭部管、音階を決めるために押さえるキーがたくさんついた胴部管(主管)、最低音を下げることができる足部管の3つに分けられます。
この3つが分解された状態でケースに収納されているため、演奏するときには3つを組み立てなければならず、いい加減に組み立ててはいけないのです。その手順をまずは知っていただきましょう。
STEP1:足部管と胴部管をはめ込む
最初に胴部管は一番トップのキーが付いていない部分を、足部管はキーが付いていない下の部分を持って真っ直ぐ差し込みます。胴部管については大抵メーカー名と型番が刻まれている部分になるので目安にしてください。
ただし刻まれていないものもあるので注意してください。また差し込むときに足部間の軸部が胴部管のキーの真ん中にくるようにするのがポイントとなります。
STEP2:頭部管と胴部管をはめ込む
胴部管は先述のSTEP1と同じところを、頭部管は唄口が付いていないトップの部分を持って真っ直ぐ差し込んでください。
この場合は胴部管のキーの中心と唄口の中心部が一直線上にくるようにするのがポイントです。
STEP3:自分に合うように調整する
続いて胴部管や足部管を自分の吹きやすい位置にくるように調子してください。足部管であれば、手の指が長い方は少し外側、短い方は内側にすることで持ちやすくなります。
また頭部管に関しては人によって吹きやすい位置が様々なので、吹きながら自分に合う位置に調整するようにしましょう。
フルートを組み立てる時の注意点
フルートは金属で出来ているものがほとんどであり、各パーツはデリケートであるため、組み立てるときに闇雲に行ってしまうと本体を傷つけてしまう可能性があります。
傷つけず安全に組み立てるためには以下のようなポイントを守るといいです。
- ・キーを絶対に持たない
- ・足部管から先に差し込む
- ・連結部はクロスで汚れをとってから差し込む
キーを絶対に持たない
キー部分は非常にデリケートにできています。組み立て時にも注意として記載しましたが、絶対にキー部分を持って組み立て、あるいは分解を行わないようにしてください。
もし持ったままこれらを行った場合、演奏時にキーが浮いてしまい上手く押さえられないことや、キーが沈んでしまいキー操作ができないことがあり、正しく演奏できなくなるリスクがあります。
こうなってしまうと修理に出すほかありません。
足部管から先に差し込む
頭部管から先に差し込んでもいいのでは?と思われるかもしれませんが、これには理由があります。頭部管から差し込んだ場合、胴部管の連結部分が剝き出しの状態で足部管を組み立てることになります。
この時、もしうっかり手から滑り落ちようものなら連結部を床にぶつける可能性があります。またそうでなくてもどこかに当ててしまうリスクがあります。この胴部管の連結部は接続をする関係上、他の部分より薄く作られています。そのため変形しやすいのです。
つまり汲みたてる上で真っ先に剥き出しの状態を回避したいのが本音なのです。足部管を差し込むことで、この連結部が隠れるので変形するリスクは減ります。
ただし足部管を真っ直ぐ差し込まないと連結部を変形させる要因になるので注意してください。
連結部はクロスで汚れをとってから差し込む
連結部は分解した状態だと埃やゴミなどが残っている可能性があります。それをそのまま挿入してしまうと傷や下手をすれば変型の原因にもなり兼ねません。
完全に埃やゴミをシャットアウトすることは無理なので、差し込む前にはもう一度クロスなどで綺麗にしてから行うようにしてください。
フルートの持ち方と構え方
フルートは持ち方によって息の入り方や運指の良し悪しが変わります。
しかし、人それぞれ個性がある様にフルートの持ち方も十人十色です。これは慣れてくればそれぞれの構え方になっても良いと思いますが、上手く拭けるように慣れたいのであれば基本的な構え方をしっかりと身につけることが大切です。
特に初心者の方は構え方を習得しないとなかなか上達しないので、しっかりと理解し構え方を身につけるようにしてください。
右手の持ち方
指定のキーに親指以外の4本の指を添え、下から親指で支えます。この際、親指が他の4本よりも前に出たり後ろに引いたりした状態にならないように注意しましょう。
指が正しく置けていないと指を早く楽に動かすことができません。親指の接点は楽器を少し前に押し出すように持つといいです。
この時、親指が伸びた状態にならないように気を付けてください。分厚い本を右手で持つイメージを持ってもらうといいと思います。
左手の持ち方
左手の持ち方については親指と人差し指が位置の関係上、長さが余ってしまいます。その為、親指は指の腹の部分でキーを捉えがちですが手に負担がかかってしまうのでよくありません。
左手の親指は指の第一関節の位置でキーを押さえるようにしてください。あとの指は所定の位置に置い構えていただくといいのですが、楽器自体を支える必要があるので手首は少し曲げた状態にする必要があります。
全体的な構え方
両手の持ち方を意識しつつ、フルートのリッププレート部分に口をあてがいます。
その構えが出来たら、一度右手の親指以外の指を離してみてください。あご・左手の人差し指・右手の親指で力を均等に配分して持てていれば、この状態で楽器が安定します。
ただしあまり力みすぎると力の配分が上手くいかないので、リラックスして構えましょう。
上手く構えることが出来ているか確認する方法があります。その方法を「三点支持」と言い、左手の人差し指・右手の親指・あご以外をすべて外してフルートを持ちます。
もし、フルートを持てたら正しい構え方です。上手く構えられなかった場合は、手首の角度や手のポジション、力んで構えていないかを再度確認しましょう。
下半身なのですが、ただ直立していると変なところに力が入るので、足を肩幅程度に開くことも忘れてはいけません。ただ手や腕だけの力を使うのではなく、体全体を使うことを意識して構えましょう。
首や肩、両肘、膝には特に力が入りやすい為、リラックスは大切です。
何時間もある演奏や練習で常に力んでいては上手く演奏できません。何よりも疲れてしまう為、力の入れすぎはおすすめできません。フルートに限らずリラックスは非常に大切な要素なのです。
まとめると、フルートに自分の体を合わせるのではなく、自分の体にフルートを合わせるようにしましょう。
初心者の場合、フルートに合わせて腕を構えたり足を置いたりしてしまいますが、体に余計な力が入り負担がかかってしまいます。ブレスもしっかり取れなくなってしまうので、リラックスした状態で体にフルートを合わせて構えるようにしてください。
フルートの吹き方
フルートを組み立てた状態で音を出すのは初心者の方にとっては至難の業です。音を出すだけでも、フルートではいくつかのステップを踏んで練習する必要があるのです。
ここからはフルートの吹き方の流れをご紹介してきます。詳しい吹き方やコツを知りたい方は参考のページもご覧いただければと思います。
STEP1:頭部管だけで音を出してみる
いきなり息を吹き入れて指を動かし演奏というのはなかなか難しいので、まずは単純に音を出す練習をする為にも頭部管だけを使って息を吹き入れ音を出してみます。
音を出すときは軽く微笑んだ状態で「トゥー」という息を出すように意識してみてください。
また音を出すときは「自分の唇に頭部管を持ってくる」というイメージを持つと吹きやすくなります。頭部管を口に当てて息を吹きかけるのですが、瓶に息を当て「ボー」と音を出す感覚と同じものを意識するといいでしょう。
この時息のスピードを上手く変えられると2種類の音を出すことが可能となります。音が出せたらその練習も並行して行うといいです。
STEP2:組み立てた状態で音を出してみる
頭部管のみで音が出るようになったら、正しく組み立てを行いフルートの状態で音を出してみましょう。
頭部管のみで行った息の吹き入れ方をしますが、キーは押さずに音を出してみます。ただし持ち方や構え方は正しい状態で行うようにしてください。この時、正しく構えられないと変な癖がついてしまいます。
あとは頭部管で音が出た時のイメージでそのまま音を出すのがポイントとなります。
STEP3:音階をつけて音を出してみる
運指表という指運びの例が載ったものがありますが、こちらを使って音階を付けてみましょう。
はじめは音が出しやすい中音域のドからオクターブ上のドを練習してみてください。リコーダーでもちょうど同じようにドからドまで一通り音の出し方を練習したと思います。
慣れたら高音や低音も出して音域を広げていきます。この時、高音や低音の中に出し辛い音が出てくるはずです。これは大抵躓く音なので何度も練習する必要があります。ただ出し辛い、出せないからと言って落ち込む必要はありません。
数学の計算などや国語の感じもそうですが、最初からできない計算、書けない漢字はあるものです。出来ないことが問題なのではなく、その後出来るようになるまで何度も練習できるかどうかがカギなのです。
「出来ないこと=失敗」ではなく、「出来なくて諦める=失敗」なのです。何度も練習すれば必ずできるようになるので諦めずに練習しましょう。また高音や低音が出辛い場合は参考ページも見てみてください。
当然のことですが、最初こそこの運指表を元に練習しますが、その過程で運指を覚えるようにしましょう。
演奏するときに運指表は頼りにできません。テストのときに教科書を持ち込めないのと同じです。公式と同じように運指をしっかりと覚えましょう。
STEP4:曲を吹いてみる
運指を覚え、様々な音が出せるようになったら実際の曲を演奏してみてください。ただここで知っておいていただきたいのは、「基礎を練習するための曲」と「フルート用の楽譜を演奏できる曲」の2種類が存在します。
基礎の練習というのはフルートに関わらず音楽理論の基礎を身につけるための本になります。そのためまずはこの基礎を練習する曲を行い、その後に好きな曲を半分ずつの割合で練習すると効率よく出来ると思います。
いきなり同時に行ってしまうと、フルート用の楽譜を演奏できる曲の中で分からない記号などが出てきてしまい足踏みしてしまうため、ある程度の基礎を身につけてからフルート用の曲に行くといいでしょう。
おすすめの曲は参考ページをご用意していますのでそちらをご覧ください。