初心者必見!失敗しないフルートの選び方を徹底解説
オーケストラからジャズ、あるいはソロでもその音色で人々を魅了するフルート。聴くだけでもその魅力に取りつかれる方は多いですが、そんなフルートを自分でも吹いてみたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
いざフルートを始めようと思うと、まずはその楽器本体を手に入れる必要がありますが、実際どれを手に取っていいのか、初めての方なら悩まれることもあると思います。そこでこちらでは初心者の方でも失敗しないフルートの選び方を徹底解説していきます。
スポンサーリンク
フルートの選び方の目次
- フルート初心者の人へ
- フルート選びのポイント
- 初心者が用意するべきフルートの購入予算
- フルートの素材の選び方
- 初心者におすすめなフルートのキーの選び方
- Eメカニズムの必要性
- フルートの長さや太さの種類と選び方
- フルートのメーカーの選び方
- 初心者におすすめなフルート
- 揃えておきたい道具
フルート初心者の人へ
さて、フルートは可憐で美しい楽器というイメージから、特に女性に人気が高く、ピアノやバイオリンに次ぐ人気の楽器となっています。そのイメージと人気から「楽器の女王」とまで称されるフルートは、「何か楽器を始めたい」という初心者におすすめの楽器となっています。
一見すればキーもたくさんあり難しそうで、金属製であることから高いだろうと思われがちですが、初心者がフルートを始めやすい理由がいくつかあります。
まず、フルートは管楽器の中でも最も運指が簡単であると言われており、また音も出しやすいと初心者でも容易に演奏ができる可能性があるのです。もちろんしっかり練習することが前提ですが、他の楽器よりもその上達のしやすさは頭一つ抜けています。
また価格も上を見れば家が建つほどの価格のものもありますが、初心者で練習用として買うのであれば、低価格のものもあります。また他の楽器はその維持費がかなりかかるのですが、フルートは故障などしなければそれほど維持費はかからないのです。
他にも日本は近所の家との間隔が狭く、音漏れすると迷惑になりますが、フルートは音量の調整も可能で、周りに迷惑をかけにくく、本体も小さいので保管も含めあまり場所を取りません。日本の住宅事情にも優しいことから、初心者、特に日本人には比較的始めやすい楽器です。そのためフルートの奏者数を見たら日本は世界一とも言われています。
初心者必見!フルート選びのポイント
そんなフルートですが、先述したように安いものから高いものまで数多くの商品が存在し、その品質や音色も異なるため、いざ購入を考えても二の足を踏んでしまう方も多いと思います。
そんな時に覚えておきたいフルートを買うときのポイントをここからご紹介していきたいと思います。まずはそのポイントをしっかりと整理して、改めてフルートを見に行ってみてはいかがでしょうか。
楽器店で実際に選んで購入する
必ずおさえていただきたいのが楽器店で実際に見て、試奏する、あるいは試奏してもらって決めるようにしてください。その際、スタッフの話を聞きながら選ぶ方が初心者の方にはおすすめです。
ネットでは物の状態が分かりませんし、重さや長さ、その音色なども分かりません。楽器店で実物を見て自分に合いそうなものを選ぶのをおすすめします。また初心者の方は選ぶときにどうしても迷ってしまうと思います。そんな時には販売しているスタッフの意見は貴重なアドバイスとなってくるので、非常に大切です。
しかし、近所にフルートを置いている楽器店がないという方もいらっしゃると思います。そのような方は特にこのページをしっかり読んでいただくといいです。
お店の人に初心者だということを伝える
楽器店に入店したらまずはお店のスタッフに初心者であることを素直に伝えてください。そうすると、素人では分からないEメカニズムやC管といったフルートを選ぶ上で大切な専門用語も交えながら教えてくれるはずです。
楽器の状態を確認する
楽器の状態は実際に触ってみないと分かりません。材質によって重さが異なるため実際に触れてみることが大切です。またキーを押さえた感覚も確認してみるといいでしょう。実際に演奏するときにはキーの重さも重要なので、自分に合うか試してみましょう。
試し吹きしたときに全音階がしっかりと鳴っているか確認する
全音域が出るかも確認することが大切となります。仮に音がでない場合は、スタッフの方に初心者でも音が出やすいのかどうか聞いてみてください。代わりに吹いてもらうというのも良いでしょう。これもフルートの状態を確認する1つのポイントです。
販売しているお店のアフターサービスを確認する
ここは確認を忘れがちですが、フルートを長く演奏するために重要な点です。お店によっては期間内で無償修理をしてくれるところや、お試し期間を設けてくれる店舗もあります。特に初心者の間は、フルートをうまく扱えずに故障させてしまうリスクもあるので、無償修理があるのは非常に助かるのです。
中古品は買ってもいいの?
楽器店によっては初めてだからと、とりあえず中古にしてみては?と勧められることもあります。中古の商品を選ぶ場合は「中古は自己責任」が前提条件になるので気を付けて下さい。中国製や台湾製の物は品質が劣化している可能性が高いので、購入は避けた方が無難でしょう。
それを心得た上で、ここまでのチェック項目は一通り確認するようにしましょう。また大体のお店で中古は修理や清掃が終わったオーバーホール済みとなっていますが、メッキの状態や臭い、前の持ち主の吹き癖がついていたりすることが多々あるため、一概に良いとは言えません。中古選びは特に慎重に行う必要があります。
初心者が用意するべきフルートの購入予算
フルートは値段は、安いもので1万円程度、高いものだと200万以上はするものまでピンからキリまであり、その相場は30万円ほどとされています。ネット通販だと、1~2万円ほどの安い商品が見られますが、品質はあまり良くありません。実際に購入した方の意見も見てみると、初心者でもたった半年で国内メーカーのものに変えてしまうほどです。
そのため初めての購入者でも5万円以上の国内メーカーをおすすめします。そうなると予算としても最低ラインをそこで設定して考える必要があります。
フルートの素材の選び方
フルートは金属製とイメージがありますが、実は使われている素材がいくつか存在します。以下はフルートに使われる素材の一覧です。
- 白銅
- 洋銀(洋白)
- 銀(シルバー)
- 金(ゴールド)
- プラチナ
- 木材
素材によって金額が変わることはもちろんのこと、音色や吹きやすさ、手入れのしやすさも変わってきます。そのため素材から選ぶのも大切になってきます。
初心者におすすめなフルートの素材
初心者には以下の2つの素材がおすすめです。
- 白銅
- 洋銀(洋白)
この2つは明るいレスポンスで音も鳴りやすく、何よりも価格が安く抑えられるのがポイントとなっています。最初に購入したフルートを一生使うことはほとんどありません。そのためまずは練習用に音が鳴りやすく、価格も安いものを選びたいところです。そうなると白銅、洋銀(洋白)の素材が初心者におすすめの素材なとなります。
中級者〜上級者におすすめなフルートの素材
中級者から上級者は以下の素材がおすすめとなります。
- 銀(シルバー)
- 金(ゴールド)
- プラチナ
- 木材
特に銀、その中でも総銀製はフルートに最も適した素材とされています。一般的な方でも価格的にも手が出やすい素材ですし、何よりもその音色は柔らかさと丸みがあるため、変化をつけやすく豊かで様々な表情に変化させられるものとなっています。
他の素材もそれぞれの良さがありますが、自分に合うかどうかはやはり個人差があるため、中級者以上になったときには、これらの素材を選択肢に入れてフルート選びをするといいでしょう。
初心者におすすめなフルートのキーの選び方
初心者におすすめのフルートはキーにも選び方のポイントがあります。キーは配列とカップの形状に違いがあり、配列で2種類、カップで2種類の違いがあります。
この中でも初心者の方はインラインのカバードキーを選ぶことをおすすめします。
インラインキーとオフセットキー
この2つはキーの配列を表わしています。その違いは胴部管上側面にキーが一列に真っ直ぐ配列されているのが「インラインキー」、Gのキーだけがせり出しているのが「オフセットキー」になります。
初心者ならば配列を覚え、変な癖を付けないためにもインラインキーをおすすめします。
メリット | デメリット | |
インライン | 見た目がスッキリしている。 音の立ち上がりがはやい。 |
指が小さい人は持ちにくい。 |
オフセット | 自然に指をおけるのでフォームが楽。 | 音色が全体的に暗くなる。 |
カバードキーとリングキー
この2つはキーカップの形状の違いになります。カバードキーは「ジャーマンスタイル」、リングキーは「フレンチスタイル」とも呼ばれますが、カバードキーはキー部分に穴が開いていないもの、リングキーはキーに穴が開いているものになります。
キーに穴が開いているとそれを塞ぎながら演奏しなければならず、初心者ではなかなかなれないため、まずはカバードキーで練習することをおすすめします。
メリット | デメリット | |
カバードキー | 指が多少ずれていても音がしっかり鳴る。 | 演奏技法が限られる。 |
リングキー | 重奏ができたり、音域が広くなる。 | 上手く押さえられずに音がでない。 |
Eメカニズムの必要性
初心者ならばEメカニズムも搭載されているものの方が良いです。Eメカニズムという言葉は馴染みがないと思いますので、簡単にご紹介しておきます。フルートの練習において初心者が躓くポイントの1つに3オクターブのEの音が出しにくいという問題が浮上します。
このEの音を出しやすくするのがこのEメカニズムというオプションになるのです。詳しくは関連ページをご用意していますので、そちらで詳しい役割を知っていただくといいでしょう。
つまりはこれがあることで、練習で躓くであろうポイントを1つ解決することができるのです。ただしデメリットもあります。Eメカニズムがあることで運指の邪魔になることがあるため、他の音がかえって上手く出せないこともあるので、一長一短というところです。
フルートの長さや太さの種類と選び方
皆さんがイメージにあるフルートは片腕ほどの長さがある銀色の管楽器というものだとおもいますが。実は長さや太さによって種類がいくつもあるのです。それが以下のものになります。
- ピッコロ
- トレブルフルート
- ソプラノフルート
- フルート(C菅・H菅)
- フルートダモーレ
- アルトフルート
- バスフルート
- コントラバスフルート
- ダブルコントラバスフルート
特に演奏に目的がない場合はフルートのC管またはH管を買うようにしましょう。しかし他のフルートが演奏したい場合はその限りではありませんが、こちらではそれぞれの特徴は割愛させていただきます。
フルートの足部菅について
フルート選びにとって一番間違えてはいけないのが、この足部管です。フルートにはC管とH管という足部管が存在します。この2つにはフルートが出せる音域の幅を変える役割があります。
通常フルートは最低音のC(ド)から3オクターブ上のCまでの音域が出せます。しかしH管にすることで最低音のCよりもさらに下のH(シ)まで出すことが可能になります。つまりドよりも1つ下のシまで出せるようになるというメリットがありますが、それ以上に高音の響きが安定するというメリットも加わるのです。
しかしこれにより、上ずった音になる、焦点がぼやけるなどデメリットも出てきます。初めてフルートを演奏するのであれば、そのようなデメリットが付いて回ると正しい奏法や音を認識することが出来なくなるリスクもあります。
そのためまずはC管のものを買って練習し、後々H管が必要になったら足部管だけ買い足すという方法をとるといいでしょう。
フルートのメーカーの選び方
フルート選びには、そのメーカーも非常に大切になります。先述したように中国や台湾といった場所で製造しているメーカーは出来るだけ避け、さらに海外メーカーよりも国内メーカーを選ぶのが初心者にはおすすめとなります。
世界の90%以上のプレーヤーが国内メーカーを利用しており、国内のみならず海外のプロフルーティストも愛用するほどその品質は確かなものです。そのため国内メーカーであれば、低価格で高品質な商品を選ぶことも可能となってきます。
メーカー名 | 国名 | 特徴 |
ヤマハ (YAMAHA) |
日本 | 基本的な性能は高いのに価格は安くコストパフォーマンスが良い |
パール (Pearl) |
日本 | 品揃えが多く、価格も安め |
ムラマツ (Muramatsu) |
日本 | 玄人向けのこだわりのフルート 品質は非常に高い |
三響 (SANKYO) |
日本 | 普及モデルの品質が高く、丁寧な造りが特徴的 ニューEメカニズムという画期的な独自オプションが魅力 |
ミヤザワ (MIYAZAWA) |
日本 | 合理性と高品質を兼ねそろえたフルートを製作 |
桜井 | 日本 | オーダーハンドメイドで自分にコーディネートに合わせてフルートを製作してくれる |
FMC フルートマスターズ |
日本 | 吹奏感にこだわりを持ち高品質なフルートを製造 |
アルタス (Altus) |
日本 | アマチュア向けの扱いやすく質が高いフルートを製作 |
ジュピター (JUPITER) |
台湾 | 10万円以内のコストパフォーマンスが良いフルートを作っている |
パウエル (Powell) |
アメリカ | 「遠く良く響く」遠達性と芸術的なまでの美しさが特徴のフルート |
ブラウン (BRAUN) |
オーストリア | オーケストラなどで求められるダイナミックな音量が出せる操作性の良いフルートを作るメーカー |
アベル (Abell) |
アメリカ | 世界でも有名なアーティストが愛用する木管フルートを製造 |
ヘインズ (HAYNES) |
アメリカ | アメリカ最古のフルートメーカー 旧モデルが人気 |
バーカート (Burkart) |
アメリカ | 遠鳴りに徹した音色と大きなキーカップが特徴的なフルート |
ハンミッヒ (Hammig) |
ドイツ | 非常に高価で稀少価値の高いフルートを作るメーカー |
ナガハラ (NAGAHARA) |
アメリカ | 世界最高峰の品質を持つフルートを製造する注目度最大No.1のメーカー |
初心者におすすめなフルート:厳選3種
それでは初心者におすすめのフルートも合わせてご紹介しておきましょう。特におすすめの商品をこちらで3種厳選させていただきました。購入にお悩みの方はこちらも参考にしてみてください。
ヤマハ (YAMAHA)/ YFL-211
現在の価格はコチラ |
ヤマハのスタンダードモデルとして名高いのがこちらの商品です。初心者向けに徹底的に追及されたデザインと機能性は、世界でも評価の高いフルートです。リッププレートの角度やバランス、キーの押さえやすさなど、奏者のことをよく考えられた逸品です。
初心者向けにEメカニズム標準装備されているため、それを踏まえた価格として見てもコストパフォーマンスは良い商品となっています。量産型ではありますが、品質も良く、初心者がまず手にするにはおすすめの商品です。
パール(Pearl) / PF525E
現在の価格はコチラ |
管体は洋銀製ですが、リッププレートなどは総銀製を使うことで、アレルギーなどにも配慮しつつ、価格を抑えたリーズナブルなフルートです。艶やかで豊かな響きを実感できる仕上がりから、ワンランク上の音色を得られるエントリーモデルとなっています。
初心者でも演奏しやすいという信頼性から高い評価を得ており、またEメカニズムも標準搭載でコストパフォーマンスもまずまずであり、安心して使用できるフルートです。
三響フルート(SANKYO) / エチュード
現在の価格はコチラ |
日本でも屈指の技術力を持つ三響で作られた初心者モデルのフルートです。初心者には勿体ないのではないかと言われるほどの品質がここにあります。上級モデルにも使用される技術を活かし、明るく華やかで美しい音色を奏でられるように仕上げられています。
初心者や上級者でも使いやすいようにカバードキーとリングキーを選択できるところも有難いと事ですが、これにより初めての方はもちろんのこと、学生の吹奏楽、市民楽団、アマチュアプレーヤーからプロフルーティストまで幅広く愛用するフルートとなっています。高校の吹奏楽部でもよく採用されるモデルなだけに、初心者にもおすすめです。
合わせて買いたい!揃えておきたい道具
楽器の演奏には欠かせないのが清掃などの手入れです。これを疎かにしては楽器は長持ちしません。毎回の手入れに必要な道具と、演奏する時に欠かせない道具をご紹介していきます。
クローニングロット
クリーニングロットはフルートを購入すると大抵付いてきますが、買う前には入っているかの確認はしてください。入ってなければ購入する必要があります。こちらはフルート内部の手の届かないところを清掃するときに必要なほか、反射板の位置確認など多様な使い方ができる便利なロットになります。
クローニングガーゼ
クリーニングガーゼは上述のロットの先端部に取り付け、フルート内部の水分を拭き取ります。その他フルート表面などについた水分なども拭き取ることができますが、内部の清掃であればクリーニングロットとガーゼに関してはスワブでも代用可能となっています。
クロス
クロスはフルート表面の汚れやサビなどを落とすのに使用する道具です。基本的にはこちらで表面を拭く形になりますが、あまりやるとフルートの表面を傷つける上に細かい部分のメカニズムを破損してしまうリスクもあるので、行う場合は慎重を期す必要があります。
譜面台
フルートに限らず演奏において譜面台は必要不可欠です。暗譜していても、楽譜には様々な師事が書かれているため、その確認をしながら演奏するには見やすい位置に楽譜を置いておくために、譜面台を使う必要があります。
教本
初心者には練習を進めていくための教本が必要となります。特に独学でフルートを学ぶのであれば必須と言って良いでしょう。
教本については関連ページを用意していますのでそちらをご覧いただくといいですが、フルート購入時には一緒に買っておくことで、練習のし初めで大切となる持ち方やアンブシュアといった基礎中の基礎をおさえながら練習することが可能になります。