縄跳びのおすすめトレーニングメニューと組み立て方
縄跳びは下半身を主に使いますが、全身運動をする上でも効果のある運動です。そこでボクサーなどはトレーニングに取り入れていますが、何もボクサーしか効果が無いわけではありません。
今回は縄跳びをトレーニングメニューに取り入れたい方にその方法などをご紹介します。
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縄跳びを使ったトレーニングメニューの組み立て方
縄跳びはその跳び方や回数、時間によって様々な効果をもたらします。例えばゆっくりでも長時間跳べば体力アップに繋がり、インナーマッスルと鍛えることにもなるのです。
もちろん効果はこれだけではありませんが、これは目的によってその関係性が変わってきます。トレーニングに取り入れるとなると、どのような目的を持っているかで方法は大きく変わるわけです。
ここからはいくつか目的を例にトレーニングメニューを説明します。
ウォームアップ系の縄跳びトレーニングメニュー
まずウォームアップに取り入れる目的で考えてみましょう。
ウォームアップは文字通り準備運動を目的としており、トレーニングというよりは、これから運動をするため体を暖め解す意味合いがあります。その効果は主に怪我の防止と運動効果のアップにあります。
そうなると激しいトレーニングをここで行うわけにはいきません。また集中力を高める必要はあるものの、ここで極度の集中をしてしまうとその後に続かなくなります。
そこでここでは前跳びや後ろ跳びなど基本的な跳び方に終止しましょう。せいぜい駆け足跳びを加えるくらいです。スピードもそれほど速くないほうがいいです。1分間に60~70回行うくらいのペースで、ゆっくりと3~5分跳ぶことを目安にしましょう。
あまり長時間跳び続けても体力を消耗してしまうだけです。あくまでウォームアップということなら、体を暖められるように気をつけて行いましょう。
フットワーク系の縄跳びトレーニングメニュー
フットワーク強化を目的としているのなら瞬発的な動きが不可欠です。そこでメニューとしては駆け足とびや二重跳びを取り入れましょう。
駆け足跳びなら30秒間という短い時間になりますが、この間に60回以上跳ぶことを目標としてください。1分で120回のペースですが片足がついた時点で1回とカウントするのでそれほど難しくは無いと思います。
二重跳びであれば、1分間で60回以上跳べるようになるといいです。いきなりは難しいと思うので、これも徐々に目標に向けて行うといいです。ただこちらも1分間跳び続けるのは難しいので、30秒で30回以上を目標にしましょう。
30秒というのは、瞬間的な力を発揮できる速筋に必要なグリコーゲンという物質の燃焼時間になります。つまり力を発揮できても最大30秒程度なので、それ以上は有酸素運動になってしまうのです。
1セットでは心もとないので、1分程度のインターバルを設け、3~10セットほど自分の筋力に合わせてセット数を変えて行ってください。
シェイプアップ系の縄跳びトレーニングメニュー
シェイプアップ系にはウォームアップを目的としたトレーニングに近いことをします。
前跳びや後ろ跳び、片足跳びや駆け足跳びと持続して跳べる技で跳びます。しかしウォームアップ系と違うのはその時間です。
1分間で60回跳べるペースで20分以上は跳ぶようにします。いきなりこの時間は難しいのであれば、セット数に分け、1分20セットや2分10セット、5分4セットなどに小分けしても構いません。インターバルは5分以内に抑えましょう。
セット数ももちろん増やして構いません。20分をベースとしているので上記の組み合わせになっています。
太ももやふくらはぎの引き締めも行いたいのであれば片足跳びや駆け足跳び、ウエストのくびれを作りたい場合には、前跳びのときに腰を捻る下半身ツイストを行うといいです。
競技別:縄跳びのトレーニングメニュー
先述の通り、縄跳びはボクシング以外にも様々な競技に効果を発揮できるトレーニングです。ここでは各競技向けのトレーニングをご紹介していきます。
野球
野球は長時間のプレイを強いられるため、スタミナをつける必要があります。そのため持久力向上に縄跳びを取り入れるといいです。また瞬発力や巧緻性をつける上でも、その跳び方や時間に工夫を入れるといいです。
メニューとしては、
- 前跳び:1分間で70回以上のペースで10~20分間
- 駆け足跳び:1分間で100~120回のペースで5分間
- あやとび:1分で60回以上のペースで10分以上
あやとびができない人は交差跳びでも構いません。野球は総合力がはかられます。そのため前跳びで持久力を、駆け足跳びで持久力と瞬発力を、あやとびや交差とびで巧緻性を磨きます。
サッカー
サッカーでは持久力とバランス感覚を掴みます。そこで跳び方以外にもう1つ条件をつけます。それは、直径30cmほどの円の中ではみ出さないように跳ぶということです。こうする事でその位置を維持しようと体幹やバランス感覚をより意識して鍛えられます。
- 前跳び:200回
- 後ろ跳び:200回
- 駆け足跳び(1ステップ):200回
- 駆け足跳び(2ステップ):200回
駆け足とびが2種類あるのは片足で何回跳ぶかを表しています。1ステップは通常の駆け足跳び、2ステップは右2回、左2回を交互に跳ぶ跳び方です。別名ボクサー跳びとも言います。
これを円の中で行います。時間に制限はありませんが、ゆっくりやるとそれだけ維持するのがきつくなりますので強度調整もできます。
バスケットボール
バスケットボールではジャンプ力の強化に最適です。できれば縄跳びだけでなく筋トレも交えるといいのですが、とりあえず縄跳びでの効果を狙ってみましょう。メニューは以下の通りです。
- 二重跳び:30秒(30回以上目標)
- 片足二重跳び:30秒(片足ずつ20回以上目標)
高く跳ぶことを目的としている跳び方なので、太腿やふくらはぎの速筋を鍛え瞬発力を鍛えジャンプ力を増す効果が期待できます。三重跳びができる人は二重跳びをそちらに切り替えてもらってもいいです。ただ着地時の捻挫など怪我には注意しましょう。
参考までに筋トレとの組み合わせメニューもご紹介しておきます。
- スクワット10回⇒30秒休憩⇒二重跳び15秒⇒1分休憩×3セット
- 台の昇降運動10回⇒30秒休憩⇒片足跳び30秒(両足で計60秒)⇒1分休憩×3セット
陸上競技
陸上では短距離か長距離かでメニューが変わってきます。短距離では瞬発力、長距離では持久力を必要とします。それぞれみてみましょう。
短距離
- 駆け足跳び:1分間で100~120回のペースで3分以上
- 駆け足跳び(最速):30秒間で出きるだけ
- 二重跳び:30秒で30回以上
- はやぶさ:30秒で30回以上
長距離
- 前跳び:1分間で70回以上のペースで10~20分間
- 駆け足跳び:1分間で80~120回のペースで10分以上
短距離は瞬発力強化のため、速い駆け足跳びや二重跳び、はやぶさが有効ですが、はやぶさはできない人は外してもらってもいいです。どれをやる際にもつま先で着地し、瞬時に跳ぶことを意識しましょう。そうすることで地面を蹴る力を強化でき、瞬発力が高まります。
長距離は野球と同じようなメニューを行うといいです。あるいはシェイプアップのトレーニングも持久力の向上と長距離選手に必要な遅筋をつける効果もあるためオススメです。
バドミントン/テニス
バドミントンやテニスではフットワークが重要となり、フットワークは瞬時に動くための瞬発力と、長時間戦い続けるための持久力が必要となります。
体力を重視で行うのであれば、前跳びを3分跳びがいいです。脚力と集中力重視であれば、20回に設定して行うといいです。1回も引っかからず連続で跳ぶことが重要です。これを3~5セット行いましょう。
これを続けていって1日に二重跳びを100回×5セット行う選手もいます。