大縄跳びと違う?2本のロープで行うダブルダッチとは?
縄跳びの中でも特に競技やパフォーマンス色の強いのがダブルダッチです。見たことが無い人も一度は名前を聞いたことがあると思います。今回はこのダブルダッチについてご紹介したいと思います。
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ダブルダッチ(Double Dutch)って何?
まずはダブルダッチについて概要を簡単に説明しておきましょう。
ダブルダッチは2本の縄を使って跳ぶ縄跳びのことを指します。向かい合ったターナーと呼ばれる2人の回し手が2本の縄を内側に回し、その中でジャンパーが技を交えながら跳ぶものになります。ターナー、ジャンパーなどの詳しい内容については後述にて。
手軽に誰にでもでき、集中力、持続力、リズム感、創造力、バランスをしてチームワークを養えるスポーツになります。
ダブルダッチの競技人口
日本国内の競技人口は大学生や高校生を中心としておよそ10万人にも昇り、今もなおその競技人口は上昇し続けています。
日本だけでもこれだけの競技人口を誇っているので、世界ともなればその人口は計り知れません。
ダブルダッチに使用する道具
ダブルダッチには専用の縄が存在します。通常の短縄より長く、長縄より短いの中間にあたる長さになります。この長さも3人用では3.05~3.65mほど、4人用では3.66~4.27mほどと多少長さが変わります。
慣れないうちは長いと回しにくいので、持ち手がない長さを調節できるタイプがオススメです。また持ち手がないロープは両端を結んでおくと持ちやすくなります。
次に必要なのがスニーカーです。機能的にはバスケット、ランニング、トレーニング用のスニーカーを履くことをオススメします。着地時の衝撃などを緩和、あるいは捻挫防止のためには機能的な物を履いた方が安全です。
ダブルダッチの歴史
ダブルダッチは300年以上前にハドソン川のほとりのニュー・アムステルダム、現在のニューヨークに入植したオランダ人によってアメリカに持ち込まれた縄跳びです。
ダブルダッチという名称は、オランダ人が複雑でおかしなことをした時、それを指して言うイギリス人の俗語で、イギリス人がこのゲームにダブルダッチと言う名を付けました。
最初は狭い路地などでも2本のロープさえあればできる遊びとして重宝されましたが、1950年代の終わり頃には交通が激しくなり、遊びも豊富になったためダブルダッチはやがて忘れ去られていきました。
10年程が経った1973年、ニューヨーク市警の2人の警察官がダブルダッチを楽しむ女の子たちの姿にヒントを得て、スラム街で急増する少年少女の非行に歯止めをかけるため、ルールを整備し、新しいスポーツとして再生させました。
普及活動の為、翌年74年に「第1回ダブルダッチ・トーナメント」が開催され、現在では全米で人気のスポーツの1つとなり、若者、子供たちを中心に世界に広がっています。
日本では1996年4月に日本ダブルダッチ協会(JDDA)が正式機関として発足、2009年には特定非営利活動法人日本ダブルダッチ協会に組織変更し、ダブルダッチの普及活動を行っています。
世界大会では日本人が小学生から社会人まで幅広い年代と各種目で毎年優勝や上位を独占するなどの快挙を成し遂げています。
世界で活躍する日本のダブルダッチチーム
2009年5月3日アーバンドック ららぽーと豊洲屋外ステージで開催された「DOUBLE DUTCH HARBOURFESTIVAL 09G.W.」にてプロパフォーマーCaplioreのNOBUこと安藤信義がダブルダッチ競技のThe most Double Dutch-style in one minuteという種目でそれまで199回のギネス記録に挑み、1分間で202回跳んでギネス世界記録更新に成功、2009年6月25日にギネス・ワールド・レコーズに公式認定されました。
また2013年12月8日に行われた世界大会「National Double Dutch Holiday Classic」では日本勢が上位を独占するという快挙も成し遂げました。その上位チームが以下の3チームです。
- 1位:追手門学院大学チーム「Neighbor hood」
- 2位:立命館大学チーム「M.A.D」
- 3位:東京大学中心チーム「SNOWMAN」
日本は世界トップレベルのチームが多く、国内にとどまらず世界で活躍するプロチームも少なくありません。
- J-TRAP
- Capliore
- 縄★レンジャー
- alttype
- REG-STYLE
- Fat man Crew
興味のある方は是非彼らのパフォーマンスを見てください。その凄さに圧倒されます。
ダブルダッチの人数
ダブルダッチの競技は人数で変わります。必ず2人の回し手である「ターナー」と呼ばれる人がいます。そしてそれを跳ぶ「ジャンパー」が存在しますがこの人数が変わります。また人数により規定時間などのルールが変わります。
ダブルダッチのシングルス競技
シングルス競技はターナー2人にジャンパーが1人の3人で競技に臨みます。技によってはジャンパーとターナーが入れ替わることがありますが、基本的には縄を跳ぶジャンパーは常に1人となります。
ダブルダッチのダブルス競技
ダブルス競技はターナー2人にジャンパーが2人の4人で臨みます。こちらもジャンパーとターナーが入れ替わることがありますが、跳ぶのは2人になります。そのためシングルスよりも技の幅が広がります。
ちなみにシングルスもダブルスもジャンパーとターナーが交代できるのはフリースタイルとフュージョンになります。またフュージョンは4人以上の人数も認められています。
ダブルダッチの競技種目
ダブルダッチの競技種目には「規定競技」、「スピード競技」、「フリースタイル」、「フュージョン」の4種目があります。この競技に対して技能・優雅さ・乱れの無さなどが判定基準として見られます。
それでは各競技を見ていきましょう。
規定演技
シングルルスは25秒、ダブルスは35秒と決められた時間内に定められた演技を行います。ダブルスは2人のジャンパーが同時に演技を行いますので、2人の正確で一致した動きも判定の基準になります。
それではこの規定競技についてもご紹介しましょう。
1) 360°ワンフット(右足)
まず回る縄の中に入り、右足で跳びながら右回りで2回転しながら跳びます。回ってくる縄は早く2本あるためリズムをとりながら8回のジャンプで2回を回りきります。
2) 360°ワンフット(左足)
次に左足に切り替え跳びながら左回りで2回転しながら跳びます。360°ワンフット(右足)と同じようにリズムを刻みながら跳びます。
3) クロスフット(右足前)
続いて、片方のターナーと向き合い右足を前にクロスさせながら1回ジャンプ、そして元に戻しながら1回ジャンプ、とこのジャンプを2回連続で行います。
4) クロスフット(左足前)
すぐさま左足に切り替え、左足を前にクロスさせながら1回ジャンプ、元に戻しながら1回ジャンプとこちらも2回連続で行います。
5) ハイニー
最後に膝を腰の高さまで上げるハイジャンプを左右交互に10回ずつ行います。このとき太ももは床と平行になるまで上げます。
先述の通り、ダブルスの場合はこれを2人同時に行います。全ての技が終わったら縄から出て終了になります。
スピード
この競技は2分間にいかに速く跳ぶことが出来るかを競い合う種目です。ジャンパーの左足が床についた回数を数えます。
シングルスの世界記録は1995年にアメリカサウスカロライナ州のPJ Foxesというチームが出した419回、ダブルスの世界記録は同年にアメリカニューヨーク州のJumper's in Commandというチームが出した421回になります。
日本記録はシングルスが2014年にJump☆monstarの社会人レギュラーの女性4人チームDIANAがJAPAN OPEN'15 EASTで出した427回、ダブルスも同年に日本体育大学の惚翔魁というチームがADD World Invitation Championshipで出した415回になります。
フリースタイル
この競技は1分間でチーム独自の競技を行います。チームワークと高度なテクニック、オリジナリティが高得点につながります。競技中にジャンパーとターナーが交代できます。
フュージョン
フリースタイルの演技に音楽を融合させ、制限時間3分以内にチーム独自の競技を行います。まさしく「融合=フュージョン」と言うわけです。メンバーの人数は無制限で競技中に、ジャンパーとターナーの交代も認められています。