交差とびのコツと練習法!縄跳びの上達ポイント徹底解説
縄跳びの技の中で最初に習うであろう腕を交差させるクロス系の技が交差跳びです。この跳び方、実はクロス系の中でも簡単だと思われていますが、しっかりと形や姿勢を身につけていないと、この後の技に支障が出ます。
今回はこの交差とびの練習法やコツ、ポイントをご説明します。
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交差とびが出来ない理由を探る
縄跳びを習う年齢は早くて3~4歳頃、一般的には小学生になってからとなっています。実はこの年齢で縄跳びをするというのはかなり難しいことなのです。
まだ成長途中なので言語処理も思考能力も低い状態です。そのため縄跳びの「ジャンプしながら縄を下げるために腕を振り下ろす」という不自然かつ複雑な動きを理解して行うのは難しいですし、言葉で説明されても理解できないことがほとんどです。
また交差跳びともなると名前の通り、腕を交差させ縄を交差した状態で回さなければいけません。左右を逆にすると言う行為は、余計に混乱を招く動きとなるのです。子供にとっては訳の分からない動きとも捉えかねられない動きになるのですね。
そのため少しずつ身体に動きを覚えさせるしかないのですが、正しいステップで練習していかないと身体は覚えてくれません。このような原因から交差跳びを跳べない子が出てきてしまうのです。
交差とびに適した縄跳びの選び方
クロス系のあやとびや交差跳びには通常ビニールロープで出来たものが良いとされています。ただグリップは少し長いものを使うことをオススメします。
ビニール製のものは軽すぎず、細いので空気抵抗も少ないため回している感覚を掴みつつ、素早く回すことができるためです。
また交差することで縄は身体に近くなります。そのため腕の位置によっては身体に触れてしまうこともあります。交差したときに腕の位置が多少悪くでも、グリップの長さ分だけ交差を補助してくれます。
交差とびの練習方法
それでは縄跳びを適切なものに選べたとことで、早速練習にいってみましょう。ステップは5つです。
- Step1:縄の長さを調節する
- Step2:縄の「よじれ」や「癖」を直す
- Step3:交差を縄止めで覚える
- Step4:腕を交差した状態から跳び始める
- Step5:前跳びから交差跳びを跳ぶ
縄跳びの長さの調整は必須です。これを直すだけですんなり跳べる子もいます。基準を知って合わせてみましょう。またクロス系では縄の状態も気をつける必要があります。詳しくは後述で。
交差跳びの一番のポイントは腕を交差する姿勢を身につけることです。そのためにもStep3~5で腕の動きやジャンプを交えた練習が入ってきます。
Step1:縄の長さを調節する
まずは正しい縄の長さに調整しましょう。縄跳びの基本的な長さは次のような基準になります。
幼児や幼稚園児は「片足でロープの真ん中を踏み、持ち手が脇の下あるいは胸の高さにくる長さ」を基準として長さを調整してください。
小学生以上なら基準は「両足でロープの真ん中を踏み、両手に持ち手を1つずつ持って、脇を閉めて二の腕を身体の側面に付け、手首を曲げずに肘を90°に曲げられる長さ」となります。
小学生を境に基準が変わりますのでお気をつけください。ただ交差跳びともなると練習するのは小学生からとなると思うので、幼児や幼稚園児向けの基準はあくまでも参考としてください。
ただ、これで終わりではありません。これは一般的な長さの基準になります。
この基準に合わせた上で少し長めに調整しなおしてください。初心者は「交差する腕の位置」が高くなりがちです。そこで縄跳びを少し長めに設定することで、縄の通過を助けてくれます。
上達すれば通常の長さで出来るようになりますが、まずは通過させる感覚を身につけることが優先です。
Step2:縄の「よじれ」や「癖」を直す
ここが腕の交差以外では大きなポイントになります。実は失敗の一番の原因が縄跳びの状態に因るものです。
縄跳びの長さを調整する上で、余分な縄を押し込んで長さを調整していないでしょうか。そうであるならば、すぐに止めることをオススメします。
グリップの中には回転子と呼ばれる縄跳びの回転を助けるパーツが入っています。しかしこのグリップの中に押し込むことで、せっかくの回転子が機能せず縄のよじれの原因になり、腕を交差したときに跳びにくくなってしまうのです。
もったいないと思うかもしれませんが、Step1の長さ調整の時点で余分な部分は切ってしまいましょう。
また縄跳びを保存するときに結んだ状態にすることも止めましょう。縄に良くない癖がついてしまいます。波打ってしまっているようなら「熱湯茹」という沸騰させた湯の中に縄を数分漬けて煮るという方法をオススメします。こうすることで縄は正常な状態に戻ります。
その上で縄の保存はまっすぐ吊るした状態を基本としてください。よじれや癖は縄跳びがきれいな半円を描く邪魔にしかなりません。
Step3:交差を縄止めで覚える
前跳びなどでも行いますが、まずは跳ばずに縄を回す練習をします。前跳びの姿勢に構え、縄跳びを身体の前で止める技です。縄跳びは跳ばず、後ろから正面に回すだけになります。これを「縄止め」と言います。
前跳びで数回練習したら、交差をした状態で同じように縄跳びを前で止めるという練習をします。上手に交差をできていれば、きれいに足の下に縄が引っかかります。
もし足の下に縄が入らなければ「交差の位置は正しいか」、「グリップの先端は外側を向いているか」を繰り返し確認してください。
正しい交差位置とは「へその前で思い切り交差」することです。ときどき交差位置が胸の前になっている人がいます。そうなると上手く回せません。
またグリップの先がどこを向いているかは重要です。出来ない人のほとんどは腕を巻きつける動作になってしまい、先端が後ろないし上を向いていることがあります。こちらは特に重点的に確認しましょう。
Step4:腕を交差した状態から跳び始める
縄止めで安定して交差状態で回せるようになったらジャンプを交えて跳んでみましょう。縄止めから縄を跳び越えるだけで1回の交差跳びは確実にできるようになっています。
交差跳びを1回跳べたら、今度は腕の形を崩さずに連続回しに挑戦してみます。この段階で半数の人は3~5回は跳べるようになっています。
出来ない方はStep3の段階で正しい腕の交差状態になっていない可能性があるので、もう一度戻って腕の交差の位置やグリップの方向を見直しながら縄を回してみましょう。
焦る必要はありません。焦るとジャンプと交差で回す縄のリズムが滅茶苦茶になってしまいます。素早く回すことを意識せず、コントロールしながら跳ぶ事を重要視してください。
Step5:前跳びから交差跳びを跳ぶ
交差状態で出来るようになったら、前跳びから交差跳びに移行する跳び方を練習してみましょう。腕を開いた状態からでも正しい交差状態にできることで回し方を意識できます。3回前跳びを行ってから交差跳びに変えるのがリズムとしても入りやすい跳び方です。
また腕を切り替えるタイミングはいつでもいいわけではありません。必ず「地面に縄の先端が着いた瞬間」になります。頭上の通過時に切り替えると縄が変な動きをしてしまい、上手く跳べなくなります。
これは交差跳びの練習ですが、「あやとび」や「はやぶさ」にも活かせる練習なので挑戦してみましょう。
交差とび上達のコツ
それではここで交差跳びをしていく上でのコツをおさえておきましょう。
- グリップの持ち方を確認する
- 片手回しで回し方を身につける
この2点になります。先述の通りグリップの先を正しく向けることは重要なポイントとなりますので、特にグリップの持ち方次第で変わってきます。
グリップの持ち方を確認する
先程も説明しましたが、グリップの先端は外を向いていることが大切です。そこでグリップは親指と人差し指を伸ばして持つマウス持ちにすることをオススメします。
グリップを持つ時は全ての指で握りこむグー持ちになることが多いです。しかし正しい方向を向けるためには親指と人差し指で方向の補助が出来ると持ちやすくなります。
片手回しで回し方を身につける
連続で回すことが難しいと言う人は、片手に両方のグリップを持ち、腕を交差した状態で縄を回すだけの練習をしてみてください。特に利き手ではない方は難しいので要練習です。縄跳びが2本ある人は同時に行ってもいいです。
慣れてきたら回転に合わせて跳んでみるエア交差跳びに挑戦してみてください。
交差とびの教え方のポイント
教え方のポイントもここでしっかりおさえておきましょう。
- 教えるときは言葉だけではなく見本を見せる。
- 焦らせず交差した腕の形をしっかり覚えさせる。
どんな縄跳びの技でもまずは見本を見せてあげてください。特に交差跳びはできることならスローでゆっくり見せてあげでください。動きながらグリップの方向などポイントとなるところを説明してあげると、そこに注目して確認できるので効果は高いです。
練習時は焦らせないようにするのもポイントです。焦って交差状態で回そうとすることで上手く回せなくなってしまいます。まずはゆっくりと正しい姿勢を身体に覚えさせる方が大切なのです。
環境が許すのなら鏡の前で練習をすれば子供自身で交差跳びの腕が確認できます。自分で確認できると効果も高くなり上達が早くなります。
交差とびからのステップアップ
交差跳びのステップアップは2つあります。1つは交差跳びより難易度が上がる「あやとび」です。あやとびは前跳びと交差跳びを交互にするため難しいですが、交差跳びをしっかり身につければ出来ない技ではありません。
Step5の前跳びから交差跳びの練習で交互に連続して回せるようになるとあやとびは跳べるようになります。
もう1つが後ろ交差跳びです。しかし交差跳びが出来たからといって後ろ交差跳びがすんなり出来るわけではありません。
練習としては交差跳びのStep3~5を後ろから前に縄を回すのではなく、前から後ろに回す方法で行ってください。交差の腕の形は同じなので、交差跳びの練習の後の方が効果があります。その上で、交差跳びとは別のものとして考えることも必要かもしれません。