あやとびのコツと練習法!縄跳びの上達ポイント徹底解説
縄跳びを習う上で、最初の難関と言われるのが二重跳びとあやとびです。特にあやとびはこれまでにない動きが出てくるため、前跳びや交差跳びと比べてさらに難しくなっています。
今回はそんなあやとびの練習方法やコツ、ポイントをご紹介してきます。
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あやとびが出来ない理由を探る
あやとびが出来ない原因を探る前に、そもそも縄跳びがなぜ難しいのかを知っておくことが大切です。
縄跳びとは自然に反した動きであることはご存知の方もみえるかもしれません。ジャンプと縄を回すために腕を振り下ろすと言う複雑かつ不自然な動きを縄跳びでは強いられます。これは自然には起こらず、必然的に頭の中でその動きを処理し、動けるように信号を送らなければいけません。
大人ならある程度複雑な動きをしたことがあるので、すんなり出来る可能性もあるでしょう。しかし、これを習うのは小学生です。しかも低学年の頃から習います。まだ思考能力も言語処理も発達していない子供にこれを理解し処理して行えと言うのは実は酷なことなのです。
しかし実際に習わせるのは不可能ではないと言うことです。裏を返せばその能力を伸ばす意味でも必要な練習なのです。
あやとびはそんな発展途上の思考能力にさらに追い討ちをかけます。複雑で不自然な動きにさらに腕を開いた状態から交差させる、そしてまた開くという動きを要求します。そこまで前跳びや交差跳びが出来たとしても、ここに来て複雑な動きがさらに追加されるともなればつまずく子が多くなるのも納得です。
複雑だからこそ、他の跳び方よりもさらに丁寧に基本に則って練習する必要があるのです。時間はかかる可能性もありますが、段階を踏んでいくことで正しい方法を身につけ跳べるようになるのです。
ではどのようにしたらいいのか、これから説明させていただきます。
あやとびに適した縄跳びの選び方
まずは練習に入る前に適した縄跳びの選び方からです。
クロス系のあやとびや交差跳びもそうですがビニールロープで出来たものが良いとされています。ビニール製のものは軽すぎず、細いので空気抵抗も少ないため回している感覚を掴みつつ、素早く回すことができるためです。
ただグリップは少し長いものを使うことをオススメします。あやとびでは腕を交差することで、身体の近くを縄が通過します。そのため腕の位置によっては身体に触れてしまうこともあります。交差したときに腕の位置が多少悪くでも、グリップの長さ分だけ交差を補助してくれるので長い方がいいわけです。
あやとびの練習方法
縄跳びが適切なものを選べたところで、次のステップです。あやとびの練習をしてみましょう。
- Step1:縄の長さを調節する
- Step2:縄の「よじれ」や「癖」を直す
- Step3:交差を縄止めで覚える
- Step4:腕を交差した状態から跳び始める
- Step5:前跳びから交差跳びを跳ぶ
- Step6:交差跳びから前跳びを跳ぶ
- Step7:太田式スモールステップ方式
上記の7ステップになります。縄跳びは長さが重要です。これが合っていないと跳べるものも跳べません。仮に跳べたとしても変な癖がつく可能性もあります。
またあやとびは交差跳びの発展系であることから、まずは交差跳びを跳べるようにしましょう。そのため、交差跳びが出来る人はStep3と4は飛ばしていただいて構いません。
あくまでも交差跳びが正確に出来ていない人に向けた解説もさせていただくため、Stepを加えさせていただいています。ご了承ください。
Step1:縄の長さを調節する
まずは正しい縄の長さに調整しましょう。縄跳びの基本的な長さは次のような基準になります。
「両足でロープの真ん中を踏み、両手に持ち手を1つずつ持って、脇を閉めて二の腕を身体の側面に付け、手首を曲げずに肘を90°に曲げられる長さ」となるように調整してあげてください。
小学生を境に基準が変わり幼児や幼稚園児にはこの基準では短くなります。しかしあやとびを練習するのは小学生からとなるので、今回幼児や幼稚園児向けの基準は割愛させていただきます。
そして調整はこれで終わりではありません。この基準に合わせた上で少し長めに調整しなおしてください。初心者は「交差する腕の位置」が高くなることが多いので、縄跳びを少し長めに設定することで縄の通過を補助します。クロス系の技以外では使えない長さとなるのでお気をつけください。
また上達すれば通常の長さで出来るようになります。しかしまずは通過させる感覚を身につけることが優先ですので跳べない方はこの長さで練習することをオススメします。
Step2:縄の「よじれ」や「癖」を直す
クロス系の技の練習の大きなポイントになります。実は失敗の一番の原因が縄跳びの状態だと言うことを皆さんはご存知でしょうか。
縄跳びの長さを調整する上で、余分な縄を押し込んで長さを調整してみえる方がいます。もしこれを読んでいる方がそうであるならば、すぐに直してください。
グリップの中には回転子と呼ばれる縄跳びの回転を助けるパーツが入っています。しかしこのグリップの中に押し込むことで、せっかくの回転子が機能せず縄のよじれの原因になり、腕を交差したときに跳びにくくなってしまうのです。
もったいないですが、長さ調整の時点で余分な部分は切ってください。これで上手く回らず上達できない方がもったいないです。
また結んだ状態で縄跳びを保存するのも止めてください。縄に変な癖がついてしまいます。これにより波打ってしまっているようなら「熱湯茹」という沸騰させた湯の中に縄を数分漬けて煮てください。こうすることで縄は正常な状態に戻すことができます。
その上で縄の保存はまっすぐ吊るした状態を基本としてください。よじれや癖によって縄跳びがきれいな半円を描けなくなってしまいます。
Step3:交差を縄止めで覚える
それでは腕を交差した正しい縄の回し方から練習を始めましょう。先述しましたが交差跳びが出来る人はここを飛ばしてください。
前跳びなどの正しい形を覚えるときにも行う「縄止め」という練習をします。これはまず、跳ばずに縄を回すだけの練習です。前跳びの姿勢に構え、縄跳びを身体の前で止める技です。縄跳びは跳ばず、後ろから正面に回すだけになります。
前跳びで数回練習したら、交差をした状態で同じように縄跳びを前で止めるという練習をします。上手く交差し回せていれば、きれいに足の下に縄が引っかかります。
もし足の下に縄が入らないようなら「交差の位置は正しいか」、「グリップの先端は外側を向いているか」という2点をその都度確認しながら回してください。
正しい交差位置とは「へその前で思い切り交差」することです。出来ない人は特にその傾向がありますが、交差位置が胸の前になっている人がいますが、それだと上手く回せません。
またグリップの先がどこを向いているかはかなり重要です。出来ない人のほとんどは腕を巻きつける動作になってしまい、先端が後ろないし上を向いていることがあります。こちらは特に重点的に確認してください。
あやとびは交差跳びと違い常に腕の位置が変わります。瞬時に正しい位置に腕を移動させるためにも、身体に正しい位置と回し方を覚えさせてから次のステップへいきましょう。
Step4:腕を交差した状態から跳び始める
こちらも交差跳びが出来る人は飛ばしていただいて構いません。確認したい人はやってみても良いと思います。
縄止めで交差状態を維持したまま回せるようになったら、今度はその縄を跳んでみましょう。縄止めから縄を跳び越えるだけで1回の交差跳びは確実にできるようになっています。
交差跳びを1回跳べたら、今度は腕の形を崩さずに連続回しに挑戦してみます。この段階で半数の人は3~5回は跳べるようになっています。
出来ない方はStep3の段階で正しい腕の交差状態になっていない可能性があるので、もう一度戻って腕の交差の位置やグリップの方向を見直しながら縄を回してみましょう。
焦る必要はありません。焦るとジャンプと交差で回す縄のリズムが滅茶苦茶になってしまいます。素早く回すことを意識せず、コントロールしながら跳ぶ事を重要視してください。
ここまでで交差跳び単体の確認は終了です。あやとびを跳ぶためにも確実に交差跳びを跳べるようにしましょう。
Step5:前跳びから交差跳びを跳ぶ
交差跳びが出来るようになったら、前跳びから交差跳びに移行する跳び方を練習します。腕を開いた状態からでも正しい交差状態にできることで回し方を意識できます。3回前跳びを行ってから交差跳びに変えるのがリズムとしても入りやすい跳び方です。
基本的にあやとびはこの前跳び3回から交差跳びの入りで始めます。まずはこの流れをしっかりと身につけることが連続で成功させるための第1歩となります。
また腕を切り替えるタイミングはいつでもいいわけではありません。必ず「地面に縄の先端が着いた瞬間」になります。頭上の通過時に切り替えると縄が変な動きをしてしまい、上手く跳べなくなります。
Step6:交差跳びから前跳びを跳ぶ
では次のステップである交差跳びから前跳びへの移行の練習をします。
あやとびは「前跳び⇒交差跳び⇒前跳び⇒・・・」と交互に繰り返さなければいけません。必然的に交差跳びから前跳びへの腕の切り替えが必要となります。
この練習は交差跳びの状態からスタートしてください。ただし最初は跳びません。縄止めとここでも行います。
Step5と同様に腕の切り替えは縄の先端が地面に着いた瞬間になります。そのため交差跳びの姿勢から縄を回し、腕を開いて縄止めという流れの練習をします。
交差跳びから前跳びに切り替えるときつまずく人はこの腕の切り替えが早いケースがほとんどです。繰り返し練習をして正しいタイミングを掴みましょう。
それが掴めたらその縄を跳び越えることで交差跳びから前跳びを跳ぶことが出来るようになります。
Step7:太田式スモールステップ方式
ここまで単発の練習ばかりでしたが、いよいよ技を繋いでいきましょう。ただいきなり前跳びと交差跳びを連続で交互にと言うのは難しいです。もちろんここまで練習したことでいきなり出来る人もいますが、おそらくそうでない人のほうが多いでしょう。
そのためINFという縄跳び協会の太田さんが考案した練習法を取り入れていきます。以下のようなリズムで練習を行います。
- ステップ① × - × - × - ○
- ステップ② × - × - × - ○ - × - × - × - ○
- ステップ③ × - × - × - ○ - × - × - × - ○ - × - × - × - ○
- ステップ④ × - × - × - ○ - × - × - ○
- ステップ⑤ × - × - × - ○ - × - × - ○ - × - × - ○
- ステップ⑥ × - × - × - ○ - × - × - ○ - × - × - ○ - × - × - ○
- ステップ⑦ × - × - × - ○ - × - ○
- ステップ⑧ × - × - × - ○ - × - ○ - × - ○
- ステップ⑨ × - × - × - ○ - × - ○ - × - ○ - × - ○
- ステップ⑩ × - × - × - ○ - × - ○ - × - ○ - × - ○ - × - ○
- ※ × = 前跳び ○ = 交差跳び
これをスモールステップ方式と言います。
ステップ①ではとにかく1回前跳びから交差跳びに切り替えて跳び切る練習をしています。
ステップ②~⑥までは見てもらって分かるとおり、この状態では前跳びと交差跳びを行っているだけになりますが、交差跳びの間の前跳びを徐々に減らしていってあやとびの形にしていきます。
そしてステップ⑦~⑩であやとびの形にし、連続で跳べる回数を増やしていきます。最初の3回はリズムを掴むために重要なのでここは変えません。
あやとび上達のコツ
それではここであやとびをしていく上でのコツをおさえておきましょう。
- グリップの持ち方を確認する
- 手首をリズムよく回す
- 足裏を全部付けず跳ぶつま先で跳ぶ
この2点になります。先述の通りグリップの先を正しく向けることは重要なポイントとなります。特にグリップの持ち方次第で変わってきます。練習でもグリップの方向には意識を向けましょう。
グリップの持ち方を確認する
グリップの先端は外を向いている状態が最も回しやすいです。そこで持ち手であるグリップは親指と人差し指を伸ばしてマウス持ちにするといいです。マウスを持つように握ることからこのような名前が付いています。
グリップを持つ時は何も意識しないと全ての指で握りこむグー持ちになることが多いです。しかし正しい方向を向けるためには親指と人差し指で方向の補助が出来ると回しやすくなります。
手首をリズムよく回す
腕を交差するため手首で上手く回す必要があります。あやとびの練習に入れる時点で、ある程度脇を締めて回せているはずです。そうなると肘を軸として回せているはずですが、さらに小さな力で回せるよう手首で回すことを練習すると跳びやすくなります。
足裏を全部付けず跳ぶつま先で跳ぶ
ジャンプをしたときに足裏を全て付ける人がいます。前跳びや交差跳びはゆっくりであればこの着地でも跳べます。しかし、あやとびともなると軽快にリズム良く跳ぶ必要があります。そうなるとある程度のスピードも必要となるため着地にも気をつけなければいけません。
着地時はつま先で降り、そのままかかとを着けずに跳ぶようにしましょう。こうすることで連続であやとびを跳びやすくなります。
あやとびの教え方のポイント
教え方のポイントもここでしっかりおさえておきましょう。
- 教えるときは言葉だけではなく見本を見せる。
- 焦らせず交差した腕の形をしっかり覚えさせる。
見本を見せてあげると子供は理解しやすいです。。特にあやとびの練習過程である交差跳びはできるだけゆっくり見せてあげでください。動きながらグリップの方向などポイントとなるところを説明してあげると、そこに注目して確認できるので効果は高いです。
練習のときはとにかく焦らせないようにするのもポイントです。焦って交差状態で回そうとすることで上手く回せなくなってしまいます。またジャンプと縄を回すリズムも崩れます。まずはゆっくりと正しい姿勢とリズムを身体に覚えさせる方が大切なのです。
環境が許すのなら鏡の前で練習をすれば子供自身で腕の交差が確認できます。自分で確認できると効果も高くなり上達が早くなります。かと言ってこれは無理に準備する必要はありません。あればやってみてください。
あやとびからのステップアップ
あやとびからのステップアップとしては後ろあやとびとはやぶさへ進むことが出来ます。
はやぶさは、あやとびの動作を1回のジャンプで行うためにより回す速さを必要とします。そのため正確にあやとびの動きが出来なければいけないため、はやぶさに移る前に、必ずあやとびを50~70回は正確に跳べるようにしましょう。
後ろあやとびは、あやとびが跳べるからといって跳べるようになるわけではありません。そのため後ろあやとびは、あやとびが出来るようになっても別物と考えて練習しましょう。
- 交差跳びの姿勢で、縄跳びを足の前に持ってくる
- 腕を交差したまま後ろに縄跳びを回し、後ろ交差跳びの感覚をみに付ける。腕が目線より上に上がらないように縄跳びの先端で回すようにする。
- 後ろ交差跳びが数回跳べるようになったら「後ろ跳び」から「後ろあやとび」に入る練習をする。
このような方法で練習します。この時後ろ跳びの縄を跳んでから腕を交差するタイミングが難しいため、最大の課題になります。
後ろ跳びを1回跳んでから腕を交差して縄止めという練習が効果的なので是非やってみてください。