縄跳びで鍛えられる筋肉と筋トレの相乗効果
縄跳びは有酸素運動と筋トレを同時に行える優れたトレーニングとして有名ですが、実際どのような場所が鍛えられるかご存知でしょうか?また筋力トレーニングと組み合わせることで効果が上がることも期待できます。
今回は縄跳びと筋トレの相乗効果や組み合わせの方法などをご紹介していきます。
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筋トレと縄跳びの相乗効果
筋力トレーニングは様々筋肉に対して負荷をかけ、筋繊維を破壊することで再生時に前よりも大きくなる、あるいは強くなる効果を利用して行われます。
そのため一度トレーニングを行うと回復するために48時間を要するわけです。また筋力トレーニングはどちらかといえば無酸素運動の傾向が高く、速筋という瞬間的に大きな力を発揮する筋肉を鍛えることとなります。
もちろん有酸素運動として遅筋という力を長時間維持できる筋肉を鍛えることもできますが、やはり筋トレで鍛えられるのは速筋が主になります。速筋は鍛えると見栄えもよく、大きな筋肉を作ることができますが、姿勢を保ったり、長時間運動し続けたりすることには向いていません。ホントに力を発揮できるのは数十秒なのです。
そうなると体のバランスが悪くなってきます。そこで縄跳びでのトレーニングを取り入れると、筋トレで速筋を鍛え、縄跳びトレーニングでスタミナと遅筋を鍛えバランスの取れた体を作り上げることができるのです。
また筋肉を大きくしたくない人は筋トレでも遅筋を鍛えると良いのですが、このトレーニングは長時間筋トレをすることを意味するため、高負荷では行えません。そうなると、筋トレだけで効果を出すには時間がかかりますが、縄跳びを取り入れることで、遅筋を鍛えるトレーニングが増え、結果として効果が出る期間を短くすることができる可能性もあります。
縄跳びで鍛えられる筋肉とは?
縄跳びでは以下の筋肉が鍛えられます。
部位 | 鍛えられる筋肉 | |
上 半 身 |
手首(腕) | 総指伸筋 尺側手根筋 橈側手根屈筋 |
お腹 | 腹直筋 外腹斜筋 | |
背中 | 広背筋 | |
下 半 身 |
お尻 | 大殿筋 |
太腿(表) | 大腿四頭筋 腸腰筋 縫工筋 | |
太腿(裏) | 大腿二頭筋 半腱様筋 半膜様筋 | |
脹脛 | 下腿三頭筋 ( 腓腹筋 ヒラメ筋 ) |
必ず全ての筋肉が筋肉痛になるわけではありません。最初から強い筋肉だったり、跳び方のバランスがしっかりしていないことにより、局所的に負担を掛けてしまいその部分だけ筋肉痛になったりすることもあります。
正しい姿勢で跳べばバランスよく筋肉を使えるので、姿勢はしっかり保ちましょう。
筋トレと縄跳びの優先順位
トレーニングでは一般的に有酸素運動から筋力トレーニングのイメージが強いですが、実は目的によって順番が違うのです。特に最近は脂肪燃焼効果を高めるためには筋トレから有酸素運動を行った方が良いというトレーニング方法が主となってきています。
では体力アップと筋肉質な体作りを例にとって説明していきます。
体力アップが目的の場合
体力アップを目的とするのであればダイエットと同じく、筋力トレーニングから有酸素運動の順番で行ってください。筋力トレーニングも言わば運動であることに他なりません。体を動かしているので、筋トレをすることにより車のエンジンがかかり暖気を行っている状態と同じだと考えてもらえばいいです。
しっかり暖まったところで、有酸素運動に移ればスムーズにエネルギーを引き出せます。そのため長時間の有酸素運動が可能となり、結果体力アップに必要なトレーニングができるわけです。
ただしこの方法は筋トレの効果そのものは減少してしまうので、筋肥大を目的している人にはむしろ逆効果となってしまうのです。
筋肉質な体作りが目的の場合
では筋肥大を目的としている人はどうしたらいいのかといわれれば、逆の順番で行うといいです。
有酸素運動を行い体を暖めたところで筋トレをしてください。そうすると筋肉が解れている状態なので、怪我もしにくく、無酸素運動に必要なグリコーゲンの分解もしやすくなります。
筋肉が解れていることは筋トレの仕方そのものにも重要で、最も効果を高めたい場合には鍛えたい筋肉を最も縮んだ状態から最も伸びた状態にしなければいけません。そうなると、筋肉が固いままでは高い効果を得られないことが分かるわけです。
ここで注意なのが体を暖めるとはいったものの、トレーニング前には必ず準備運動をしてください。これをやらないと暖める段階で怪我をします。ストレッチなどは必須となるのです。
筋トレに効果的な縄跳びの回数や時間
縄跳びの筋トレは前述通り、遅筋を鍛える運動です。また鍛えられる筋肉では様々筋肉を紹介しましたが、ジャンプを行う以上、上半身より下半身の方が負荷は大きく、筋トレとしての効果は下半身の方が高くなります。
そこで全身をバランスよく鍛えることを目的としたメニューをこちらでご紹介したいと思います。
今回は筋肥大を目的としたメニューと引き締まった筋肉をつけられるメニューをご紹介します。ただし、正しいフォームで行うことと、効果には個人差があるのであくまでも参考程度に見てください。
筋肥大タイプの縄跳びトレーニングメニュー
マッチョになるための筋力トレーニングに縄跳びを取り入れたい、という方のために参考メニューを組み立てましたのでご覧ください。筋肥大を目的としてトレーニングする場合は縄跳びから始めましょう。
縄跳びメニュー
- 前跳び5分
- ボクサー跳び5分:右2回。左2回と交互に片足で2回ずつ跳んでから足を切り替える
- 横開閉跳び5分:足を跳ぶたびに左右に開いた状態と両足を閉じた状態と交互に着地する
- 腿上げ跳び3分:駆け足跳びの際、膝と腿を高く上げて跳ぶ
1~3は1分65~75回のペース、4は1分間70~80回のペースを目安に跳びます。自分に合わない場合は跳びやすいようにペースを調整してもらっても構いません。各跳び方のインターバルは1分です。
運動そのものに慣れていない方はいきなりこのメニューはきついので、時間を減らしてもらっても構いません。慣れてきたら徐々に増やしていきましょう。無理は禁物です。
筋トレメニュー
- 腕立て伏せ:10~20回 3セット 手を肩幅にセットし、肘が外に開かないように曲げる
- 腹筋:20回 3セット 膝は90°に曲げ、お腹だけの力を使い速いスピードで行う
- 背筋:20回 3セット 両腕と両足は開いた状態でうつ伏せとなり、体を素早く仰け反る
- スクワット:30回 3セット 膝が前に出ないようにイスなどを後ろにおいて腰を下ろすように行う
- カーフレイズ:30回 3セット 台などに土踏まずよりも少し上で乗り、素早く上下運動をする
これがメインとなります。5以外は大きな筋肉を主としています。1は腕だから違うのでは、と思われるかもしれませんが、大胸筋もターゲットとしています。どれも速筋を鍛えるため、2秒で力を加え、2秒で戻すくらいのペースで行ってください。
その他、肩や二の腕を鍛える方法もあります。ダンベルがあるといいですが、無い場合は500mlペットボトルに水を入れてください。満タンに入れると1つ500gのダンベル代わりになります。
- サイドレイズ: 20回 2~3セット 腕を下に伸ばした状態から肘を曲げずに横に上げる
- フロントレイズ:20回 2~3セット 腕を下に伸ばした状態から肘を曲げずに前に上げる
- キックバック:20回 2セット 体を地面と水平にし、肘の位置を固定してダンベルを上げ下げする
キックバックは動作が分かりにくいため、検索して動画を参考にしていただいた方がいいかもしれません。どのトレーニングも小さな筋肉になるため高負荷は怪我に繋がります。やり過ぎないように体と相談しながら行ってください。
引き締めタイプの縄跳びトレーニングメニュー
引き締めの場合は筋トレから縄跳びを行いましょう。縄跳びの前に筋トレを行うことで、効率良く脂肪を絞り出して体を引き締めることが出来ます。
筋トレメニュー
- 腕立て伏せ:10回 3セット 手を肩幅にセットし、肘が外に開かないようにゆっくり曲げる
- 腹筋:20回 3セット 膝は90°に曲げ、お腹だけの力を使い遅いスピードで行う
- 背筋:20回 3セット 両腕と両足は開いた状態でうつ伏せとなり、体をゆっくり仰け反る
- スクワット:30回 2セット 膝が前に出ないようにイスなどを後ろにおいて腰を下ろすように行う
- カーフレイズ:20回 2セット 台などに土踏まずよりも少し上で乗り、ゆっくり上下運動をする
メニューはさほど変わりませんが、スピードと回数に変化があるため注意してください。ペースは4秒で力を入れて2秒で戻すくらいを目安にします。ゆっくり行うことで筋トレも遅筋を鍛えられるようにしています。また回数はこの後、縄跳びを行うために少なめになっています。
縄跳びメニュー
- 前跳び5分
- 駆け足跳び5分
- 横開閉跳び5分:足を跳ぶたびに左右に開いた状態と両足を閉じた状態と交互に着地する
- 後ろ跳び5分
- 下半身ツイスト2分:前跳びの際、腰をひねりながら跳ぶ
そのほとんどを1分に60回のペースで跳んでください。そうすると少しゆっくりなペースになります。2の駆け足跳びだけは遅いと跳びにくいかもしれないので、ペースを上げていただいてもいいです。
こうすることで遅筋に訴え、引き締まったボディラインを期待できます。
筋トレにおすすめな縄跳びの選び方
減量やダイエットが目的なら市販のビニールロープの縄跳びをオススメします。ただ、持ち手は長い方が跳びやすいので、100均で買うのは避けましょう。高くても1000円以内でしっかりしたものが手に入ります。
トレーニング強度をあげたい場合はウエイトロープやタイロープをオススメします。これはロープに重量があるため効果は高まりますが、プロも使うような上級者仕様です。トレーニングの最初からいきなり使うと、しんどさのあまり続かなくなってしまうので、使うならトレーニングに慣れてからにしましょう。