【入門編】ソフトウェアシンセサイザーとは?
DTMの流行とパソコンの性能向上に伴って、コンピューター上で動かすシンセサイザーも増え、有料の高性能ソフトウェアシンセサイザーや無料ダウンロード出来る物まで存在しています。
そこで今回は、入門向けにソフトウェアシンセサイザーについて詳しく紹介します。
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要するにソフトウェアシンセサイザーってなに?
ソフトウェアシンセサイザーと言うのは、通常の楽器のように実体は存在せず、コンピューターの中でシンセサイザー機能を操作できるソフトウェアの事です。
アナログシンセサイザーで使用されている発音回路をデジタル処理する事で、既存の型にとらわれない見た目のデザインと、低価格化が計られており、アナログ音源をソフトに置き換えたソフトウェアシンセサイザーであったり、ヴィンテージの名機シンセサイザーをシュミレートした物まで幅広く存在していて、現在ではプロの作曲現場などでも見かけるため一般的になってきています。
実体のないシンセサイザーなため、ヴァーチャルシンセサイザーとも呼ばれます。
ソフトウェアシンセサイザーの特徴
従来のシンセサイザーと比べて、パソコンのディスプレイを使用出来るため、ソフトウェアシンセサイザーは視認性に優れ、音源の管理などもしやすいのが特徴です。
また一台のパソコンでソフトウェアシンセサイザーを複数台所有する事も可能であり、近年ではiPhoneやiPad等でも動かせるソフトウェアシンセサイザーが増えているため、場所をとらず、持ち運びも容易で、DTMから演奏まで幅広く活用できる特徴があります。
また、ハード型のシンセサイザーに良くある温度変化の影響を受ける事も無く、コンピューター内部で完結して録音が可能な為音質の劣化を防げるのも特徴で、さらに低価格化も進み、現在では無料のソフトウェアシンセサイザーも存在しています。
しかし、レイテンシ(PCの処理に必要なタイムラグ)を避ける事は出来ず、キーボード等の外部機器を揃えないと迅速な作業や演奏が窮屈になったり、ライブなどに向かないという特徴もソフトウェアシンセサイザーには存在しています。
ソフトウェアシンセサイザーの魅力
従来の型にはまった操作画面や物理的構造にとらわれないデザインの物が多く、視認性に優れているため、シンセサイザー初心者でも使い易いというのが魅力です。
また、無料のソフトウェアシンセサイザーであれば、使用者も豊富に存在するため、操作方法やコツといった情報を収集しやすく、敷居が低いのも魅力でしょう。
非常に高額で希少価値の高いヴィンテージのシンセサイザーのソフトウェアもあり、憧れだったシンセサイザーに触れる事が出来るのもソフトウェアシンセサイザーの魅力です。
さらに、ハードシンセにありがちな”故障"というのも存在していないため、自宅で作曲を行うDTM奏者にとっては、非常に使えるツールであるのも魅力でしょう。
現在ではボーカロイドなどの音声合成向けソフトウェアシンセサイザーも流行しています。
>>ソフト主流のDTMでハードシンセサイザーを買う意味とは?
もっと知りたい!ソフトウェアシンセサイザー
ソフトウェアシンセサイザーの簡単な歴史
ソフトウェアシンセサイザーの歴史は非常に古く、1950年代まで遡ります。
1957年のベル研究所にて開発された音響処理プログラムがソフトウェアシンセの元祖であり、当時のコンピューターの性能上、リアルタイムでの音響処理は不可能でした。
そこから、通常のハードウェアシンセサイザーが次々と誕生していき、ソフトウェアシンセサイザーは作曲支援ソフトの一部程度しか登場せず、時代は1990年まで進みます、その理由はコンピューターの性能が足りなかったからです。
一般向けに作られたパソコンのCPU性能向上とともにソフトウェアシンセサイザーが流行し、リアルタイムでの音響合成が可能となると、様々なソフトウェアシンセサイザーが登場。
2000年代に入ると、大容量のサンプルライブラリーや物理モデリング等が流行し、模索していたソフトウェアシンセサイザーがある種成熟してきた様な形になります。
インターネットとパソコンの普及により、音楽データがより身近な物になった事で、ソフトウェアシンセサイザーを使用して作成した楽曲の公開や販売が容易になった事と、楽曲の制作がより一般的になって行った事も要因と言えるでしょう。
ソフトウェアシンセサイザーが向いている音楽
ソフトウェアシンセサイザーと言うのは一般的な楽器等と違って、演奏して楽しむと言うよりは、作曲をして楽しむという目的が多いようです。
そのため、ソフトウェアシンセサイザーが向いている音楽と言うのは存在しません。ソフトウェアシンセサイザーはDTM(デスク・トップ・ミュージック)を中心として、主に作曲活動に使用され、ライブなどの場面ではあまり見る機会が存在しませんが、最近では音声合成用ソフトウェアシンセサイザー(初音ミクなどボーカロイド)の流行もあり
演奏も歌声もパソコンの中で完結するため、多くの楽曲に使用されるようになりました。