シンセサイザーの歴史
電子的な方法によって音を出すことができる楽器がシンセサイザーです。
この電子楽器の登場によって、音楽は非常に多様性の富むようになったと言えるでしょう。ここではそんなシンセサイザーの歴史について紹介していきます。
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シンセサイザーの歴史(1930年-1950年代)
シンセサイザー誕生の歴史
シンセサイザーの誕生に関しては、誰かがどこでシンセサイザー第一号を誕生させた、というような単純な説明では解説することができません。
様々な場所で様々な技術を使った電子楽器が出来ては改良されてを繰り返していきます。1930年代にはすでにシンプルな電子楽器が誕生しており、それがシンセサイザーの原点となっています。
ポリフォニック・シンセサイザー誕生の歴史
1937年になると、ドイツのハラルト・ボーデによって「ポリフォニック・シンセサイザー」が発明されます。
この発明は、その後のアナログシンセサイザーの発展に非常に大きな影響を与えました。アメリカでも全鍵発音式のポリフォニック・シンセサイザーが開発され、これ一台でオーケストラを表現することが可能であるとすら言われ、1960年頃まで活躍しました。
シンセサイザーの歴史(1950年代)
コンピューターミュージック誕生の歴史
1950年になると、世界で初めてとされるコンピューターを使った音楽が演奏されます。
その後1957年にはデジタル信号の生成処理プログラムが開発され、現在のディジタルシンセサイザーの原点となっていると言われています。
シンセサイザーと初めて命名される
1956年になると、シンセサイザーという言葉が歴史上で初めて登場します。
これは、RCAプリンストン研究所において開発された、真空管製のパンチテープ制御式コンピュータ用音源で、コロンビア大学に設置されました。
これは現在のアナログシンセサイザーの要素をすべて持っていたとされています。
シンセサイザーの歴史(1960年代)
モジュラー・シンセサイザー誕生の歴史
1960年代になると、ハラルト・ボーデによるモジュラーシンセサイザーのアイデアによって、世界初の現代的なモジュラーシンセサイザーをドン・ブックラが完成させました。
また、ロバート・モーグ博士によっても楽器として使用可能なシンセサイザーが杯開発され、1967年には、製品版としてモジュラーシンセサイザーが発売されました。
アナログ・シンセサイザー発展の歴史
アナログ・シンセサイザーが発表されて以降は、世界中で多くのロック系ミュージシャンによって使われ、シンセサイザーという名前のを一挙に拡大されていくこととなります。
それ以降も開発や発展は続き、日本においてもシンセサイザーメーカーが出そろっていきます。
シンセサイザーの歴史(1970年代)
ディジタル・シンセサイザー誕生の歴史
1970年代に入ると、初期のディジタル・シンセサイザーが誕生します。
当時は非常に高価な大型コンピュータ上で研究がすすめられ、エレクトロニクスの発展、LSI技術が軍事以外でも活用され、マイクロプロセッサが登場。
これらの技術革新がディジタル・シンセサイザーの誕生に貢献することとなります。
ディジタル音源時代の主な出来事
1970年代のディジタル・シンセサイザー時代の幕開けは、シンセサイザーの近代化を加速させます。
コンピュータのプロセッサを使用したシンクラビアが1977年に開発されたのをきっかけに、フェアライト社からフェアライトCMIが登場、P.P.GからWave computer 340/380などが開発されました。
シンセサイザーの歴史(1980年代)
シンセサイザーを含むディジタル楽器普及の歴史
1980年代は、一般層のユーザーをディジタル楽器が獲得していった年代と言えます。
特にヤマハに関しては、早くからディジタル音源の開発を行うとともに、当時横行していた特許係争に対する対策もしっかりと講じていきます。
多くの著名ミュージシャンも積極的にシンセサイザーを活用し、その知名度を広げていきました。
シンセサイザーとMIDI規格誕生の歴史
またこの頃は、メーカー間に制御方式の違いがあったため、相互の接続が困難だった シンセサイザーでしたが、MIDI規格の誕生によって、メーカー間の垣根がなくなっていく時代でもありました。
シンセサイザーの歴史(1990年代)
ソフトウェア・シンセサイザー普及の歴史
1990年代前半においては、ソフトウェア音源の利用が一般的になっていきました。
1957年にその元祖となるMUSICから始まった研究や開発が、音楽制作の現場を脱出し、ようやく一般的となっていった時代でもあります。
現代におけるシンセサイザーの進化の歴史
それ以降は、さらに高性能化したものをパソコン上で使えるようになり、安定したパフォーマンスを低価格で使用することが可能となっていきます。
それらは音楽制作の場において積極的に取り入れられることとなり、アナログシンセサイザーの音の合成など、様々な音楽作りがなされていくようになっていきました。