【入門編】ショルダーシンセサイザーとは?
一般的にはショルダーシンセサイザーやショルダーキーボードとも呼ばれる楽器で、英語圏ではキーター(keytar)の名称で親しまれるライブで人気のシンセサイザーです。そこで今回は、入門向けにショルダーシンセサイザーについて詳しく紹介します。
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要するにショルダーシンセサイザーってなに?
ショルダーシンセサイザーというのは簡単に説明すると、ギターなどと同様に肩にストラップをかけて演奏ができるシンセサイザーで、キーボード奏者でもステージを縦横無尽に動き回りながら弾ける楽器の事です。
音源が一体型となったシンセサイザー内蔵のタイプと、キーボードのみの物があり、廉価版のショルダーシンセサイザーの場合、スピーカーも内蔵されている物もあります。
一般的には、音源モジュールを内蔵した物をショルダーシンセサイザーという名前で呼び、音源を内蔵しないコントローラーのみの物をショルダーキーボードという名前で呼びます。
ショルダーシンセサイザーの多くはデジタル音源を使用していますが、アナログ音源をを使用したショルダーシンセサイザーも存在しています。
ショルダーシンセサイザーの特徴
音源を内蔵していないショルダーシンセサイザーの場合、MIDIケーブルを使用して外部の音源モジュールに接続し発音させるのが特徴で、トランスミッターを使用してケーブルを使用せずにワイヤレスで繋ぐ事も可能です。
また、ショルダーシンセサイザーはどのタイプもギターの形状をモチーフしていて、グリップの部分に各種のエフェクト機能を選択するスイッチ類が装備されています。
またギターならボディにあたる部分に鍵盤が設置されているという特徴があり、ストラップで吊り下げられるため、両手で演奏する事も可能となっています。
ショルダーシンセサイザーの一部モデルでは、据え置き兼用のものもあり、グリップ部分は無いが、重量やストラップの取り付け部分が調節されているモデルと、グリップを有しながらも、据え置きのシンセサイザーとして使えるモデルが存在します。
ショルダーシンセサイザーの魅力
ショルダーシンセサイザーの魅力は何と言ってもライブでの見栄えだと言えます。
通常シンセサイザー奏者やキーボード奏者というのはステージでの定位置から動きませんが、ショルダーシンセサイザーを使用して演奏する事で、舞台上を自由に動き回れます。
そのため、キーボードソロの多い楽曲や、シンセサイザーがメインの楽曲などで映えますし、ライブやコンサート、さらには歌番組等で多く使用され注目を集めました。また、軽量で持ち運びが容易なため、移動の多い人でも気軽に使えるのも魅力です。
自宅での作曲作業や音作りは据え置き型を使用し、外出はショルダーシンセサイザーなど、場面に合わせた使用をしている人も多く、様々な場面で活用出来る魅力がありますが、ショルダーシンセサイザーは一般的なシンセサイザーやキーボードと比較すると、鍵盤数が少ない物もあるため、選ぶ際は注意が必要だと言えるでしょう。
もっと知りたい!ショルダーシンセサイザー
ショルダーシンセサイザーの簡単な歴史
この世に始めてショルダーシンセサイザーが製品として登場したのは1970年代でしたが、それ以前にも、据え置き型のシンセサイザーにストラップを使用して演奏した人も多く、有名な人物で言えば、キース・エマーソン(Keith Emerson)が挙ると思われます。
キース・エマーソン(Keith Emerson)はライブにて、重たい据え置き型のキーボードに、数十メートルはあろうかと言う長さのケーブルで巨大なアナログシンセサイザーとつなぎ、ステージ上で演奏を行っていた事は多くの音楽ファンの記憶に残っているかもしれません。
その先進的なシンセサイザーの演奏スタイルに影響を受け、商品が開発されました。ショルダーシンセサイザーの初期であれば、有名なのはRolandのSH-101でしょう。
1980年代に登場したローランド(Roland)のSH-101は
アナログのモノフォニック・シンセサイザーに、ベンドとビブラートのグリップが付き、ストラップをかけて立ったまま演奏が可能なショルダーシンセサイザーの先駆けでした。
そして1984年頃から重量のあるシンセサイザーを持って演奏するスタイルよりも、シンセサイザーと接続したコントローラーを使用して演奏するスタイルが主流となり、ショルダー型MIDIキーボードが主流となりショルダーシンセサイザーを牽引していきます。
そして今最新式とも言える2009年に登場したローランド(Roland)のAX-Synthついに音源モジュールを内蔵しながらも軽量で、ケーブル(シールド)を使用せずとも、ステージ上で演奏する事が可能なショルダーシンセサイザーを登場させたのです。
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ショルダーシンセサイザーが向いている音楽
基本的にショルダーシンセサイザーはどのタイプの音楽ジャンルにも使用できます。ですが、据え置き型のシンセサイザーと比較した場合鍵盤数が少なかったりするためDTMや作曲にショルダーシンセサイザーを使用するのは適していない場合もあります。
ショルダーシンセサイザーが多く見られる音楽のジャンルとしては、ロックと電子音楽を組み合わせたクラウト・ロックなどのジャンルに人気で、ニュー・ウェイブなシンセポップなどでもショルダーシンセサイザーが活用されています。