【入門編】ベースシンセサイザーとは?
クラブミュージック等の音楽で、もはや定番とも言える機材のベースシンセサイザー。しかしシンセサイザー自体が全音域をカバー出来るため、イマイチ理解し難い人もいます。そこで今回は、入門向けにベースシンセサイザーについて詳しく紹介していきます。
スポンサーリンク
要するにベースシンセサイザーってなに?
ベースシンセサイザーは通称「シンセベース」とも言われ、一般的にはベースパートを担当する音色やシンセサイザーの事を指します。
ツマミだけのベースシンセサイザーや、鍵盤のついたベースシンセサイザーもありますが、近年ではシーケンサーと呼ばれる演奏データをループさせて自動演奏を行う装置のついたデジタルなベースシンセサイザーが一般的とされ、多くの音楽に使用されています。
広義の意味では、低音のパートを担当するシンセサイザー全般を指す場合もあり、エレキベースの音色を変換するシンセサイザー(エフェクター)の事や、一般的なシンセサイザーでベースパートを演奏する事などもベースシンセサイザーと呼び、ベース音のみに特化したベースシンセサイザー以外の事も指す場合があります。
ベースシンセサイザーの特徴
一般的なシンセサイザーというのは全音域を生み出す事が可能なため、ベース音に特化したベースシンセサイザーでなくともベースパートを担当する事は可能です。
しかしベースシンセサイザーは実際のベース音をシュミレーションした音色が収録されたり、電子音らしさを強調した太く重たい音を生み出す事が出来るのが特徴といえるでしょう。
また近年のベースシンセサイザーにはサンプリング音源やシーケンサーが搭載されていて、ベースラインの自動演奏(打ち込み)が可能となっているのも特徴です。
ベースシンセサイザーの魅力
ベース音に特化したベースシンセサイザーは、あまり大衆的では無いと思われがちですが”圧倒的な低音域の密度と切れのある音”という相反する要素を持ち合わせた凄い機材で、この一般的なベース楽器では不可能な音作りこそがベースシンセサイザーの魅力でしょう。
またオクターブ奏法やシーケンサーを使用し、機械的なグルーヴをだせるのも魅力であり、サンプリング音源等を使用すれば、実際の演奏と変わらない音作りでありながら、非常に完成度の高いベースラインを作り出せるため多くの楽曲に使われています。
もっと知りたい!ベースシンセサイザー
ベースシンセサイザーの簡単な歴史
元々はシンセサイザーで作成したベース音であったため、ベースシンセサイザーという物体の歴史は存在せず、シンセサイザー自体の歴史と同じです。
シンセサイザーの歴史の中に垣間みるベースシンセサイザーにスポットライトを当てるなら、ベース音に特化し、シーケンサーを搭載した名機「RolandのTB-303」から始まりました。
元々はアナログシンセサイザーの矩形波にフィルターをかけてベース音を作り出すことで、ベースラインを作成していた中で、特徴的な音を作り出すベースシンセサイザーとして、一躍脚光を浴び、今なお多くのクラブミュージックシーンで愛用されている機材です。
また、シンセサイザーを使用した楽曲が多く生み出されていた初期の音楽シーンでは、ベースシンセサイザー奏者という存在がありましたが、現在ではその数は減りました。
その理由は、ベースシンセサイザーのMIDI対応により、容易にプログラミングが可能で、アドリブ的な要素の少ないベースパートへの注目が薄くなった事が挙げられます。
ベースシンセサイザーが向いている音楽
現在の音楽シーンでベースシンセサイザーが主役の音楽ジャンルと言えば、「ドラムンベース(Drum & Bass)」を中心としたダンスミュージックでしょう。
他にもハウスやダブステップ、テクノといったジャンルにベースシンセサイザーが使われ、シーケンサーを利用できるため、打ち込み系の音楽ジャンルに向いていると言えます。
しかし、あの有名なスティービー・ワンダーがスタジオ録音でベースシンセサイザーを使用し、手弾きして多重録音をし賞賛された事からも、様々な音楽に使える楽器だとも言えます。