【入門編】アナログシンセサイザーとは?
ゴチャゴチャと繋がれた配線に、戸惑う程多くのツマミが配置されたアナログシンセサイザー、多くの人がイメージする"シンセサイザー像"に最も近い形がこのアナログシンセでしょう。
そこで今回は、入門向けにアナログシンセサイザーについて詳しく解説していきます。
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要するにアナログシンセサイザーってなに?
アナログシンセサイザーというのは簡単に説明すると、数あるシンセサイザーの中で「アナログ回路を使用した音声合成機種」の事で、外見的にはツマミやレバーなどが沢山ついた、一見すると複雑そうな物を、一般的にアナログ・シンセサイザーという名前で呼びます。
アナログシンセサイザーの特徴
電気信号を変化させて音を作り出す事に特化したのがアナログシンセサイザーの特徴で、音の波長である「サイン波」「矩形波」「三角波」「ノコギリ波」などの電気信号をベースに、ツマミやレバーを動かして音を1から作り出す事が出来るのがアナログシンセサイザーです。
複雑なアナログ回路を使用しているため、ヴィンテージなアナログシンセサイザーの場合、楽器自体が非常に大掛かりで、多くの配線が施された見た目なのも特徴です。
とはいっても、最近ではコンパクトな物も増え、価格も安価になってきました。
アナログシンセサイザーが出せる音の特徴としては、デジタルで機械的な音が特徴です。音を作り出す装置なため、ピアノやギターなどの音を作り出す事も理論的には可能ですが、あまりに複雑すぎる上、機種によっても違いがあるため、実際の楽器の音を作り出す事は、ほぼ不可能と言って過言ではなく、あくまでもシンセサイザーらしい電子音が特徴です。
しかし他のシンセサイザーと比べてアナログシンセサイザーは音作りの性能に長けているため、重厚感のある良質な音を、繊細に作り込む事が可能なのも特徴といえるでしょう。
アナログシンセサイザーの魅力
他のシンセサイザーには存在しないアナログシンセサイザーならではの魅力といえば、それはまさに、太く存在感がある音であり、機械的でありながら繊細で複雑な音でしょう。
本来であれば、電子回路的にはマイナスとして働く音程の揺らぎや音の歪みというのが、デジタルシンセサイザーには存在しない「楽器」としてのアナログシンセサイザーであり、音を作り出す際も、視覚的にパラメーターを操作出来るため扱い易いのも魅力です。
他の楽器の中に混じっても、力強く存在感をアピールできる音が出せますし、楽器に近い音から、楽器から逸脱したある意味"宇宙的な"音も作れるのが魅力です。
もっと知りたい!アナログシンセサイザー
アナログシンセサイザーの簡単な歴史
そもそもシンセサイザーというのは楽器として開発された物ではなく、研究用に作られた装置が徐々に変化し楽器として使われるようになった為、アナログシンセサイザーがいつ誕生したのかは定かではありませんが、一般的には1960年代の半ば頃にシンセサイザーが実用化されたという歴史があります。
数あるシンセサイザーの中でも、アナログシンセサイザーこそが元祖であり、技術の進化とともにデジタルシンセサイザーが普及していった今でも、独特の音質と機能が支持されていて、アナログシンセサイザーは評価され続けています。
アナログシンセサイザー誕生から1980年代までに登場した物は非常に大掛かりな装置で、内部のアナログ回路を構成する部品が気温の変化を受けて特性変動を起こし易く、管楽器や弦楽器等と同様に、演奏する前の調律が必要だったりもしていました。
1960年のアナログシンセサイザー登場時は電子回路の都合上単音しか発音出来ませんでしたが、そこから10年後の1970年代にはいると、和音での発音が出来るアナログシンセサイザーも登場、単音のアナログシンセサイザーの事を「モノフォリック・シンセサイザー」と呼び、和音のアナログシンセサイザーの事は「ポリフォニック・シンセサイザー」と呼びました。
アナログシンセサイザーが向いている音楽
基本的にアナログシンセサイザーというのは生楽器の様な音は出ないため、電子音楽を中心としたジャンルに向いていると言う事が出来るでしょう。
例えばテクノやハウス、トランスなどのクラブ音楽からポップサウンド、そしてアブストラクトやプログレ系の実験的な音楽にも多く使われています。
最近ではロック系の音楽にも盛んにアナログシンセサイザーが用いられていますので、比較的オールマイティーなジャンルの音楽に向いているとも言えるでしょう。