徹底解説!テニス用グリップテープの種類と選び方
グリップ握りやすさ1つで、テニスの良し悪しが変わることがあり、自分の手にフィットするものを選ばなければいけません。
自分に適したグリップは何も商品だけで決まるものではなく、そこに巻かれているグリップテープの種類でも異なります。どのような種類のグリップが合うのかも人それぞれ違うのです。そこでこちらではテニス用グリップテープの種類と選び方をご紹介していきます。
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グリップテープ(オーバーグリップテープ)とは
グリップテープとは「オーバーグリップテープ」のことを指していますが、便宜上こちらでもグリップテープと呼称させていただきます。
テニスラケットには、元々巻かれている「リプレイスメントグリップ」というテープも存在しているため、混同しないように気を付けてください。
最初から巻かれているリプレイスメントグリップのままプレーすることも可能ですが、長らく使っていると汚れを伴い吸汗性が落ちていきます。また表面の摩擦力も失われていくため、少し汗をかいただけでテニスラットが、もっと言えばグリップが手から抜けやすくなってしまうのです。
これを防ぐためにもグリップテープを巻く方が良いとされています。このテープは吸汗性が良く、また摩擦力やグリップの太さの調整もできるので握りやすく抜けにくい状態を作り上げてくれるのです。
またアンダーグリップテープというものがありますが、これはテニスラケット購入時から巻かれているリプレイスメントグリップのことです。こちらはグリップテープと違い打球感を変えることが出来るものになります。
グリップテープを巻くメリット
グリップテープを巻くことによるメリットをまとめておきましょう。
- 汗でグリップが滑りやすくなるのを防ぐ
- 握る手とのフィット感を高める
- 感触を柔らかくして手に伝わる衝撃を減らす
- リプレイスメントグリップを汚さなくて済む
- 汚れても交換が容易なため、見た目を綺麗な状態に保つことができる
- 総合してしっかりとしたボールを打ち返せる
多くのメリットが存在することが分かります。特に前半3つはプレーに大きく関わるメリットになり、巻く方が多い理由でもあります。
グリップテープを巻くデメリット
グリップテープにはデメリットも存在します。
- グリップテープ代が余分にかかる
- 自分で巻き直す必要がある
- 下手に巻くと効果がないどころかフィット感などが失われ、かえってプレーに悪影響を及ぼす
グリップテープを巻くという事はそれだけお金がかかります。ただこれは200~400円程度なので、価格が高いリプレイスメントグリップのテープを交換することを考えれば安いものです。
それでもテニスラケットの使用頻度が高い方は、それだけ巻きなおす回数も増えるのでコストはかかります。
また巻き直しをする際、店頭などでは行ってくれないので必ず自分で行わなければいけないのもネックです。しかし、それほど難しいものではないので大きなデメリットというほどではありません。
ただし、いい加減に巻けばいいというわけでもないのです。後述しますが注意するポイントなどをおさえておかないと、プレーに悪影響を与える可能性もなくはないので丁寧に巻きましょう。
グリップの種類と選び方
グリップテープはラケットを握る上での感触や握りやすさに影響を及ぼします。そのためテープ選びは重要であり、質感と加工を組み合わせて自分好みのグリップ感を手に入れることが大切です。
そのため選びポイントは以下のようなものが挙がります。
- 質感(タイプ)
- 加工
- 厚み
- フィット感
- 握り心地
このような点を重視することで、打ち続けても滑らないグリップ力、長時間握り続けても負担になりにくい握り心地を生み出すことができます。
グリップテープの質感の選び方
グリップテープはテニスショップに行ってもたくさん種類があり迷うことが多々あります。
そこで迷わず選ぶためにも多くのユーザーが使っているグリップテープや、プレースタイルに合ったグリップを選ぶ必要があります。それぞれの質感に関して順に見ていきましょう。
質感 | 特徴 | こんな人におすすめ | デメリット |
ウェット | 吸い付きが良い | 握力がない方 | 吸水性が限界になると 滑りやすくなる |
ドライ | 汗などを吸い適度な 摩擦が生まれる |
汗をかきやすい方 | 乾燥肌の方では 滑りやすい |
ウェットタイプの特徴
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多くの一般プレイヤーが使用されているのはウェットタイプになります。握った感覚が手に吸い付くようなものとなっており、フィット性が高く非常に滑りにくい質感になります。
そのため握力がない女性やキッズ・ジュニア、シニアの方でもグリップが抜ける危険性が低いです。
ウェットと言われるので吸汗性が低いのでは、と勘違いされる方も多いようですが湿っているわけではないので、しっかりと汗も吸い取ってくれます。
使い勝手のいいグリップですが、吸汗性が限界まで達すると滑りやすくなるというデメリットが生まれるので、交換はこまめに行ってください。
ドライタイプの特徴
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プロテニスプレイヤーが使用することが多いタイプです。特に海外の方が使うことが多いですが、サラサラとした質感であるため抜けやすさを感じるものとなっています。
しかしウォーミングアップを終え、試合や練習に臨むころには手にしっとりと汗をかいているため、その水分によって適度な摩擦が生まれ、非常に握りやすいグリップに生まれ変わるのです。
海外の方は唾液や発汗など水分を多く分泌することが多いため、これに合致する方が多いとみられています。適度な握りやすさは些細な変化も影響するプロにとっては、最適と言えるでしょう。
ただ、乾燥肌の方やあまり汗を分泌しない方には向いていない質感となるので注意してください。
グリップテープの加工の選び方
質感と同様、グリップテープは加工によっても種類があります。
そのため質感だけでなく加工も選ぶ上での重要な要素となってきますので、ここからはグリップテープの加工についてもそれぞれ見ていきましょう。
表面加工 | 特徴 | こんな人におすすめ | デメリット |
なし | 癖がない | シンプルなものを好む方 | 凹凸などがないため 摩擦力は少ない |
穴あき | 無数の穴があり 通気性が良い |
汗をかきやすい方 | 汗をあまりかかない方は滑りやすいかも |
凸凹 | 凹凸による 摩擦が生まれる |
他の加工では 滑りやすい方 |
凹凸によってグリップが太くなりやすい |
無地タイプの特徴
無地タイプは全く加工を施していないものになります。つまりは質感が全てとなります。変に加工を施し、それが気になるという方はプレーに集中できない可能性があるので、こちらをおすすめします。
ただ加工があるだけで摩擦力が大きく変わるため、無地で抜けてしまう方は他の加工ありのものの方と相性がいい可能性があります。加工がない分、素材そのままの性能しかないというデメリットも頭に入れておいてください。
穴あきタイプの特徴
グリップテープに小さな穴が無数に開いているタイプになります。これにより通気性に優れているので汗をかきやすい人におすすめになります。また、穴によって多少凹凸が生まれるためフィット感が増すという特徴もあります。
長時間テニスをプレーする選手にもおすすめの加工になりますが、こちらも汗をあまりかかない方は思いの外、滑りやすくなるかもしれないというデメリットがあるので注意してください。普段から手汗が出る人は間違いなくこの加工との相性がいいとも言えるでしょう。
凸凹タイプの特徴
グリップの中央に筋が入るタイプになります。この筋の周りに出来る凹凸によって高いフィット感を生み、握りやすさが格段に向上することになります。他のグリップテープでは握りの位置がよくずれるという方におすすめのものになります。
また握力が弱い方もこれにより高いフィット性を生めるので、握りやすくなります。ただグリップの加工のせいで通常よりも少し太くなる傾向にあるというデメリットもあるので、購入の際には太さにも注意する必要が出てきます。
グリップテープの巻き方
グリップテープは何もいい加減に巻けばいいわけではありません。手順を元に均一に巻く必要があります。そうしないとラケットの使う面によって打った感触が変わってしまい、思うように打ち返すことが出来なくなってしまいます。
- 均一に巻く
- 巻き始めに角度を付け過ぎない
- 重ねる部分を5~7mm程度にしていく
上記はグリップテープを巻くときのコツとなります。最後の重ねる厚みですが7mmはロング対応のグリップテープの場合なので、大抵は5mm程度にしておくのが妥当です。これらをおさえた上で手順と気を付けるべきポイントをまとめていきましょう。
グリップテープを巻く手順
それではグリップテープを巻く手順になります。
- 古いグリップテープを剥がす
- 新しいグリップテープのフィルムを剥がす
- グリップテープの細くなっている部分をグリップエンドの一角に貼り付ける
- グリップエンドの縁に沿うように1周する
- 1周したらテープを少し斜めにしながら、重なる部分を作りつつ慎重に巻いていく
- グリップの端まで来たら、余分な部分を切る
以上になります。
グリップテープを貼り始める際、グリップエンドの一角はどこでもいいですが、中途半端な位置から貼らないようにしましょう。必ず一角の平面からスタートします。
また巻く時の角度は急にならないようにしてください。角度にしておよそ10度くらいが妥当ですが、これは綺麗に巻けている人やコーチなどに聞いて参考にするのも手です。
最後に余分な部分を切る場合はグリップとフレームの付け根に合わせ三角形になる様に切る必要があります。動画なども多くの数が挙がっているためそちらも参考にするといいでしょう。
女子プロテニスプレイヤーのクルム伊達選手がものすごいスピードで巻いている動画もあるので、興味深いものがあります。
グリップテープを巻く際の気を付けるべきポイント
初めての方だとどうしてもムラやシワなどが出来てしまうことがあります。それを防ぐポイントは以下の通りです。
- 巻くときに角度を付け過ぎない
- 急がず慎重に巻いていく
- グリップテープ同士の重なる幅は出来る限り均一にする
手順の中でも触れていきましたが、角度は10度程度が良いですが分度器をいつも使うわけにもいかないため、あまり角度を付け過ぎないという意識で巻くといいでしょう。角度をつけるとその部分がシワになります。
また急いで巻くと重なる幅に違いが出てムラが出来てしまいます。調整しながらゆっくり丁寧に巻いていきましょう。重ねる幅は5~7mm程度を意識するといいですが、例えば5mmで始めたならば終始同じ幅になる様にしてください。
グリップテープの交換
グリップテープは消耗品であるがゆえに、握っている時の摩擦などでウェット感がなくなってくる、剥がれてくるなどの変化が起きやすいです。それにより滑りやすくなるとグリップの意味をなさないため交換をする必要が出てきます。
手順などは既にご紹介しましたが、使用頻度による交換の目安なども知っていただこうと思います。
使用頻度による交換目安
使用頻度による交換の目安は想像に違わないかもしれませんが、テニスを頻繁にする方は交換頻度も高くなります。
逆に週1回程度に楽しむ方など、あまり頻繁に行わない方は別段汚れたり擦り切れたりすることは少ないため、交換時期が来ても変える必要はないことが多いです。状態に合わせて交換するようにしてください。
練習頻度 | 交換の目安 |
毎日 | 1か月前後 |
週に1・2度 | 3か月前後 |
劣化状態による交換目安
劣化状態による交換目安は以下のような症状が出始めたタイミングになります。
- ウェット感がなくなる
- 摩擦感がない
- 擦り切れる
- 汚れや臭いが目立つ
使用時期ではなく、このような劣化のサインが出たら交換する必要があります。
価格は安いためケチらずに交換するようにすることで、結果としてプレーへの影響も少なく、また体への負担も減らせるのでサインが出たら早めに交換しましょう。