寿命はいつ?テニスラケットの修理相場と買い替え時期
テニスにおいてあの硬いボールを打ち返すのに必要なのがテニスラケットであることはご存知だと思いますが、現在のテニスラケットは頑丈に作られた性能が高いものばかりです。それでも物体である以上、いつかは壊れてしまいます。
テニスラケットは1本1本の性能が高い分、価格しても高いのでおいそれと交換するわけにはいきません。そのため出来ればメンテナンスを行うことで長持ちさせたいところです。そこでこちらではテニスラケットの修理相場と買い替え時期についてご紹介していきます。
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テニスラケットの寿命とは?
そもそもテニスラケットに明確な寿命はありません。ただこれは「寿命がない」わけではなく、寿命が定められていないだけの話です。ものである以上劣化はしますし、使えなくなる日がいつか来ます。しかしその日が訪れるのは、使い方によって異なります。
例えばボールの衝撃の繰り返しによってフレームが変形する、それにより性能が劣化し本来の力だが出せない、ボールの弾きや飛びが悪くなるなど、テニスラケットとしての性能を発揮できなくなったら寿命が来ていると思っていただいても差し支えないでしょう。
テニスと似たようなテニスラケットを使うバトミントンはその寿命を3カ月程度としていますが、構造上それよりは長いと考えていただくのも1つの目安になります。
使用者によって異なるテニスラケットの劣化
テニスはいくつかのプレイスタイルがありますが、その中でも特にテニスラケットに負担を掛けるのはパワープレイやスピン、ハードヒッターといった行為あるいはプレイを行う方々です。
部活などで毎日使う男子学生は、その力に任せたパワープレイになりがちな方も多いため、寿命を縮めやすいのも確かでしょう。これらのプレイでは当然劣化が早くなり、修理ないし交換が必要となってきます。
逆に週に1回テニスを楽しむ程度のプレーヤー、特に女性に多い傾向にありますが、このような方々はテニスラケットへの負担が少ないため一生同じテニスラケットを使うことも可能だと言えます。
もちろん途中で交換することも可能ですが、決して安い買い物ではないため愛用の1本として使い続けることもできます。
適切な買い替え時期
テニスラケットに負担がかかり劣化しても表面上は分かりづらいことが多く、感覚的な判断に頼りがちになることも珍しくありません。しかし、1つ基準となるものがあるとすれば使用年数やテニスラケットとの状態になります。
購入した年や日付が分かっていればどれだけ使っているか分かりますし、ヒビなど明らかな劣化があれば買い替え時期と考えられます。
使用年月で考える
一般的に見れば平均的な使用年数は2~3年となっています。
ただし先ほども述べましたが、テニスラケットには明確な寿命がありません。あくまでテニスラケットを購入されてきた方々の使用年数であって寿命というわけではないのです。
ただ週2~3回程度、体を動かす程度に嗜む方々にとっては2~3年で何かしら性能の劣化が感じられる、あるいは新しいモデルに替えるなど理由があって買い替える方が多いため、使用年月で考えるのであればこれくらいが平均的になってきます。
しかし、スピンもしっかりかけハードヒットを生業とし、週5~6回は使用する人、例えば学生の部活での使用であれば、どれだけメンテナンスを施しても3ヵ月程度で交換が必要となることもあります。
逆に週1回程度ペースで嗜むのであれば、一生使うことも可能です。ただしメンテナンスをしっかり行い、正しい保管方法を実践したことを前提とします。
買い替え時のサイン
買い替えのサインは以下の項目が挙げられます。
- ヒビ
- 割れ
- 打球感
大きな項目としてはこの3つとなります。
ヒビや割れは目に見えて分かる変化だけに、既にテニスラケットへの負荷がかなりかかっており、これ以上負荷をかけ続ければ折れる可能性があることを示唆しています。これは金属疲労が原因ですが、ボールを受け続けることによりテニスラケットの金属疲労が蓄積していった結果となります。
打球感に関しては目には見ないものの、使用者ならば気づく可能性が高い変化です。これはガットなどの張り方も関係していきますが、負荷がかかり続けることにより、正常な状態を維持できなくなったことで起こります。
- 中折れや腰折れの状態になると打球が飛ばない
- 飛び過ぎることや回転が掛からない
- テニスラケットで地面を叩いた際に間延びした音がする
- スイートを外すと嫌な振動と音を感じる
などの変化が感じられるようになります。
これを放置してしまうとヒビや割れが出てしまうのですが、メンテナンスをしても改善しなくなったら交換する必要があります。
良い性能の新品テニスラケットを買う適切な時期とは
店頭にはニューモデルがずらりと並んだ棚が入ってくると思います。あるいは店員の方にお勧めを聞くと、それらのモデルを勧められることも多いでしょう。確かに最新モデルは性能も良いでしょうし、部活や仲間内でも話題となるでしょう。
しかし1つ前の型落ちの性能は最新のモデルと大差はありません。
入れ替えで型落ちしたモデルは一気に値を下げることが多いので、安くて良い性能のテニスラケットを手に入れるためには最新モデルよりも、入れ替えでの型落ちの方がお得です。
テニスラケットの状態にもよりますが、もし安く性能が良いものを買い替えるのであればニューモデルが出る時期を狙うのが良いでしょう。
テニスラケットの修理のサイン
テニスラケットに違和感などが出てくれば、修理して出来る限り使用可能期間を延ばすこともできます。
逆にテニスラケットを修理すべきにも関わらずそのまま使い続ければ、テニスラケットのバランスが崩れ劣化を助長してしまうことになります。
ここからはテニスラケットの修理すべき適切な時期を逃さないように、いつ修理すべきかをご紹介していきます。
フレーム修理の目安
フレームはテニスラケットの中でも要であり、人体であれば骨格に位置する部分になります。
ヒビや割れが見られたらまず間違いなく修理となりますが、程度が酷いと修理は不可能とされます。そのため、ヒビや割れが入る前のタイミングで修理が必要です。
フレームの負荷が増え、劣化すると打球感にも影響を与えます。ただしこの打球感はガットによる影響も考えられるため、ガットを張り直しても打球感が良くならない場合は修理のサインかもしれません。店頭などでプロに診てもらうことをおすすめします。
グリップ修理の目安
グリップは握りやすくなければならず、しっかり握れて滑らないグリップ力が無くてはなりません。
その状態が維持できなくなっていたら修理の目安と考えていただくといいでしょう。見た目としては外側に巻かれているテープに亀裂などの劣化が見られたら修理となります。
ただしグリップテープの交換自体は自分でも出来るので、修理と言っても簡単にすることができます。
グロメット修理の目安
グロメットはストリングス、つまりガットを張る上でフレームと接触しないように付けられるパーツです。
ガットを張り続ければ、ほんの僅かですが摩擦などで劣化していきます。劣化が進み、ガットがフレームと接触するようになると、ガット自体が切れる可能性があるのでグロメットの交換が必要になります。
ただグロメットはそれほど消耗するものではないので滅多に修理はしません。それでも長期間使い続けているものに関して、もしガットが頻繁に切れるようになるのであれば、ここを疑うことも考えた方が良いでしょう。
またグロメットが劣化するとガットの張りも悪くなるので、打球感にも影響を及ぼすことがあります。以前のようにボールが飛ばなくなるなど打球感に違和感があったら、修理を必要とする状態かもしれません。
ただしこれはガットの張り方の問題かもしれないので、一概には言い切れない目安でもあるので注意してください。
ヘッドバンパー修理の目安
ヘッドバンパーはテニスラケットのヘッドを守るためにあるパーツです。
テニスラケットを振ったときに地面との接触などで徐々にボロボロになってきます。見た目としてもボロボロ程度であればまだ機能しますが、欠けてしまったなら既に機能を全うすることができないので修理の目安としてください。
ヒビ修理の目安
フレームに関わらずその他のパーツでもヒビが見られたら修理に出さなければいけません。
これは目に見えてはっきり分かるサインなので、ヒビが出てしまったとなるとかなりの負荷がかかり劣化している証拠でもあります。
ヒビの程度によっては修理ができない状況になりますので、日々のメンテナンスで細かなヒビを見つけたらすぐに修理に出すことをおすすめします。
修理の費用相場
修理する目安は分かったと思いますが、そうなると気になるのが修理費用です。以下には修理費用を一覧にしてみました。
基本はテニスラケットを購入した店で修理するのが最も安く行えるのでおすすめになります。ただどうしてもその店で行えない場合、提示された値段が高いのか安いのかの判断がつきにくいこともあると思うので、それぞれの部位による修理相場がどの程度なのかもご紹介していきましょう。
最安値 | 平均価格 | 備考 | |
ガット張り替え | 864円(税込) | 1,215円 | |
バランス調節 | 2,000円 | 3,620円 | 平均スペックとハイスペックで値段にかなり違いがあるところもある |
安く修理するには
安く修理するには購入店に持ち込むのが最も安くなります。これは保証期間内であれば交換などが可能であること、そして消耗しやすいガットの張り替えの際にサービスでヘッドバンパーの交換などもしてもらえることが理由です。
そのため可能であるならば、購入店にすぐ持ち込むのが一番いい方法としておすすめします。
自分で修理できる場合
ただ、キズ程度の軽度の修理であればやすりやパテ、フレームに合ったカラーペイントでの修理も可能です。
簡単な修理であれば持ち込んでしまうと手間はかかりませんが、その分だけお金がかかる可能性もあります。自分で出来る修理は、方法をしっかりと確認してから行うのも手です。
自分で修理できない場合
ヒビは完全に補修するのは素人では難しく、スマッシュなどを打った際に崩れてしまったり、不快な振動がある場合があります。
ヒビの程度にもよりますが、素人でも直せる小さなヒビならまだしも、ある程度のヒビになると修理は難しく、また修理できたと思ってもヒビが原因で折れてしまいテニスラケットとして使い物にならなくなることもあります。
自分で修理できない場合は、専門家に任せた方が無難であり、結果としてはテニスラケットの寿命を延ばすためにも、あまり素人判断で触らないのが賢明と言えるでしょう。
テニスラケットの寿命を延ばす方法
厳選に厳選を重ね、自分に合ったテニスラケットに出会えた場合、出来るだけそのテニスラケットを長く使い続けたいですよね。そのためには先述した適切な時期の修理はもちろんのこと、適切なメンテナンスをすることで劣化を防ぎ、保存場所にも気を付けることで長く付き合っていくことが可能となります。
テニスラケットのメンテナンスについては関連のページがございますので、そちらを参考にしていただくといいですが、いずれも大切なテニスラケットを使い続けるために、使っていない時間こそメンテナンスや修理に気を遣うことで寿命を延ばすのだと理解しておいていただくといいです。
テニスラケットの保管方法
まずは保管場所からですが、これは以下のような場所が良いとされています。
- 直射日光が当たらない
- 湿度が高くない
- 車中は絶対に避ける
- 水気の多い場所には置かない
保管場所としては風通しの良い涼しい場所が好まれます。これは熱や湿気によって金属疲労が進み、劣化しやすくなってしまうためです。
特に最近多いグラスファイトは熱に非常に弱く、温度が上がるほど強度が低下し、変形する可能性もあります。成人されている方は車で持ち運ぶことも多いと思いますが、車中は暑くなりやすいのでくれぐれも乗せたままにしないようにしましょう。またこの場所における適切な保管方法は以下のようになります。
- ラケットカバーの中に入れておく
- グリップに乾燥材を添え、その周りをビニールの袋で包んで、ゴムで閉じる
周りからの衝撃などから守るためにラケットカバーの中に入れておくといいでしょう。
ただし保管場所は上記のような場所に置くことをおすすめします。
乾燥材を入れておけると湿気からも守られますが、無い場合はそのままでも構いません。また乾燥剤とビニール袋があるのであれば2つ目の方法で保管する方法もあります。特にナチュラルガットをお使いの方はこの方法で行った方が保存状態は良くなる可能性があります。
これらを守って保管しておくことも、テニスラケットの寿命を延ばす上では重要な要素となっていくので、いい加減に保管している方はさっそく今からやってみましょう。またこれからラケットを購入される方は、購入後これらを実践してみてください。