失敗しない!プロが教えるランニングシューズの選び方
ランニングというと、靴さえあれば始められる手軽なスポーツと思われがちですが、足の形や走りのスタイルに合わせて適切なランニングシューズを選ばなければ、思わぬトラブルや怪我につながってしまうため、ランニング初心者であればあるほど、正しいランニングシューズの選び方を理解して適切なシューズを見つけるのが大切となります。
現在の日本におけるランニング人口は右肩上がりの上昇を見せており、それに伴って様々なメーカーから選びきれないほどの種類で展開されているランニングシューズ。ランニングスポットでも多くのランナーが間違った選び方をしたシューズを履いています。
正しい選び方を学んでランニングシューズ選びに失敗することなく、自分に合ったランニングシューズで快適な走りを実現しましょう。
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そもそもランニング専用のシューズは必要なの?
さあ!ランニングを始めよう!そう宣言した人の多くは「ランニング用にシューズを買わなければいけないの?」と思うかもしれません。もちろん革靴やハイヒールでランニングしようと思う人はいないと思いますが、自分が今持っているスニーカーでランニングしちゃいけないのかな?と疑問に感じることはあるでしょう。
ランニングシューズが一般的なスニーカーと大きく違うのは「横方向への動き」に対する安定性です。ランニング中の人の足というのは基本的に横へ動くことはありませんから、バスケットボールやテニス用に作られていることが多い一般的なスニーカーと比べると、ランニングシューズは左右への動きを安定させる機能が付けられてないのが特徴です。
つまり、「手始めに今日から走ってみよう!」というときに普段履いているスニーカーで走る分には特に問題はないと言えます。
しかし、アメリカにある全米足病学医師協会(APMA)では「定期的に同じスポーツをする人の場合、そのスポーツに適した専用のシューズを使用する」ということを推奨しています。ですから、今後ともランニングを続けていこうと考えている初心者の場合は、ランニング専用のシューズを持っておくのがおすすめです。
自分に最適なランニングシューズを見つけるには?
自分に合ったランニングシューズの選び方で一番良いのは、ランニングシューズを扱う専門店に行って、プロのトレーナーやアドバイザーに自分の足の形や足の性格、さらにはランニングのレベルやフォームを多角的にチェックしてもらい、最適なランニングシューズを紹介してもらうことです。
また、ランニングシューズを選ぶ際に最重要と言えるのは「試し履きをする」という事、靴の通販サイトではなく自分の手でランニングシューズを触り、足を通して紐を締め付けてみる、そして実際に走ったり歩いたりしてみるというのが、自分にあったランニングシューズ選びで最善の方法と言えます。
しかし、すべての人が専門店でランニングシューズを選んでもらうという選択が取れるわけではないでしょう。そこで、ここからは自分自身でピッタリのランニングシューズを見つけるための選び方について解説していきます。
自分の足の形を把握する
自分にあったランニングシューズを見つけるために、まず最初に確認しておかなければならないのが自分の足の形です。
自分の足にはどのような特徴があって、またどの部分に注意してランニングシューズを選ばなけれなならないのかを判断するのがシューズ選びには重要なポイントとなります。
そんな足の形ですが、大きく分けて3つのタイプに分類されます。
- スクエア型
- エジプト型
- ギリシャ型
では、それぞれの足の形とランニングシューズ選びで注意すべき点を紹介します。
スクエア型の足
親指の長さと人差し指の長さが同程度で、比較的横一直線に足の指の長さが揃っている足の形をスクエア型と呼びます。
日本人の1割程度を占めると言われており、このタイプの足型の人は、つま先部分が細いランニングシューズを履くと、小指が横方向に圧迫されやすいので注意が必要となります。足が幅広になりがちなため、ランニングシューズを選ぶ際は"ウィズ(シューズの幅)"に注意して選ぶと良いでしょう。
エジプト型の足
日本人に最も多いのがこのタイプであり、親指が最も長く、小指にかけてなだらかな傾斜を持つ足の形をエジプト型と呼びます。
親指のつま先がシューズに当たりやすいため、つま先の「捨て寸」と呼ばれる余裕をしっかりと持ったシューズを選ぶのが大切となります。合わないランニングシューズでトレーニングをすると外反母趾になりやすい傾向があるため注意しましょう。
ギリシャ型の足
足の人差し指が最も長く、親指よりも人差し指が飛び出た形をギリシャ型と呼びます。
日本人の約2割がこのタイプの足型だと言われており、比較的どんなランニングシューズでもなじみやすいため、シューズを選ぶ際は横幅を確認しながら選べば、さほど失敗することはありません。しかし足の合わないシューズでランニングを行い続けると、靴の中で人差し指が圧迫されて痛くなることもあるので注意です。
自分の足のサイズを正しく測る
初心者が最もランニングシューズ選びで失敗しやすいと言われているのがシューズのサイズ。
ランニングシューズの専門店による調査結果では、女性の多くは適切なサイズよも小さなシューズを選んでしまう傾向があり、男性の多くは適切なサイズよりも大きなシューズを選んでしまうという傾向が出ています。
普段履いているスニーカーが26センチだからといって、ランニングシューズも26センチの物を選んでしまうと大変な目にあうかもしれないため、今一度自分の足のサイズを正しい方法で計測しておきましょう。
自分の足のサイズを正しく測る方法や、サイズに合ったランニングシューズを選ぶ方法についてはこちらのページで詳しく解説していますので、シューズのサイズが気になる人は参考にしてください。
ランニングシューズの種類を知る
ランニングシューズには、とても一言では紹介できないほど沢山の種類が存在しています。もちろんこれはランナーのレベルや、ランニングのスタイルなど、より多くのランナーに合わせたシューズを提案するためです。
つまりランニングシューズの種類を理解することなく、見た目や軽さで選んでしまうと、初心者なのにプロがレースに使うシューズを選択して膝を痛めてしまうという場合もありますので、ランニングシューズの種類を知っておくのは自分に合ったランニングシューズを見つけるためにとても大切な事と言えるでしょう。
ランニングシューズのタイプ
ランニングシューズには大きく分けて3種類が存在しています。
- クッション系ランニングシューズ
- トレーニング系ランニングシューズ
- レース系ランニングシューズ
クッション系はその名の通り衝撃吸収性を高めたランニングシューズであり、レース系はその名の通り最速タイムを狙うランナーのために軽量性を重視したランニングシューズです。そしてトレーニング系のランニングシューズはクッション性と軽量性をバランス良く合わせたモデルとなっています。
「軽い方が走りやすいだろうからレース系」という安易な選び方は注意が必要です。軽量なランニングシューズというのはそれだけクッション性やフィット感を犠牲にして軽さを優先させているため、初心者の場合だと膝や腰を故障してしまうということにもなりかねません。
今までほとんどスポーツをしてこなかったという初心者ランナーの場合はクッション系のランニングシューズを選び、学生時代に部活動をしていたことがあるようなスポーツ経験者の場合は、クッション系やトレーニング系のランニングシューズを選ぶのがおすすめされています。
また、ランニングシューズの種類による、それぞれの特性について詳しく紹介しているページも用意していますので、どのタイプのランニングシューズを選べばよいか詳しく知りたいという人は参考にしてください。
ランニングシューズのメーカー
- ナイキ(NIKE)
- アディダス(adidas)
- アシックス(ASICS)
- ミズノ(MIZUNO)
- ニューバランス(new balance)
- プーマ(PUMA)
- サッカニー(Saucony)
- ニュートン(Newton)
- アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)
- ブルックス(BROOKS)
ランニングシューズにはもちろん様々なスポーツシューズメーカーが参入しており、それぞれの独自の素材やテクノロジーを使用して画期的なランニングシューズを次々と開発しています。
ここで注目したいのは「平均的な日本人の足型に合わせたシューズ作りをしているか」という部分です。メーカーによっては欧米系の足型に合わせたシューズをメインに展開しているところも多く、シューズの横幅や甲の高さにそれぞれ”クセ”のようなものが存在しているので、メーカーごとの特徴を感覚的に理解していない初心者の場合は注意が必要です。
そこで、初めて買うランニングシューズにおすすめなのが「アシックス」と「ミズノ」のランニングシューズです。それと「ニューバランス」も日本人向けの足型を展開しているので覚えておくと良いでしょう。
ちなみに、クロスマーケティング社が2013年に実施したランニングシューズの好きなメーカー調査では、1位がナイキ、2位がアディダス、3位がアシックスという結果が出ており、男性40代では1位がアディダス、女性は20代から60代まで全世代でナイキが1位となっています。
それほどまでに人気の高いナイキのランニングシューズですが、日本人の平均的な足型と比べて若干細く作られている傾向があるため、初心者のシューズ選びとしては注意が必要なメーカーということがランナーたちの中では周知されています。
そんなランニングシューズのメーカーごとの特徴一覧をこちらのページでまとめていますので、どのブランドを選べばよいか迷っている人は参考にしてください。
自分のランニングレベルに合わせて選ぶ
今まで、まるでスポーツをしてこなかったという人が、アスリート向けのレース用軽量ランニングシューズを履くと故障の原因ともなるため、これからランニングをスタートしようという人の場合、まずは自分のランニングレベルを理解して、そのレベルにあったランニングシューズを選ぶのも大切と言えるでしょう。
そこで、ここではランナーのレベルを3段階に分けて選び方を紹介します。
運動不足解消やダイエットに始める初心者ランナー
日頃の運動不足解消や、ダイエットのためにランニングを始めるという初心者ランナーの場合、ランニングにかかる膝や腰への負担を軽減するランニングフォームや筋力が十分に備わっていないため、ランニングシューズのクッション性を重視して選ぶことが重要となります。
ランニング中の左右にぶれようとする体に対して、安定した着地から次の一歩をサポートするような少ない筋力で走り続けるためのサポートをしてくれるランニングシューズを中心にまとめたページがありますので、ランニング初心者向けのシューズが知りたいという人は参考にしてください。
フルマラソン完走を目指す中級者ランナー
そろそろランニングにも慣れてきて、マラソン大会に参加したりフルマラソンの完走を視野に入れてトレーニングを始めている中級者ランナーや、過去に部活動などでスポーツを行ってきており走ることにもそれなり慣れているランナーの場合は、初心者ランナーよりも比較的選べるシューズの種類は増えてきます。
フルマラソンでサブ5やサブ4を目指す上級者ランナー
フルマラソンを完走することよりも、タイムのことが気になり始めた上級者ランナーの場合は、中底ソールのレーシングモデルや、レース終盤でもシューズの重さを感じることのない軽量タイプのランニングシューズがおすすめです。
走り(足)の性格に合わせて選ぶ
人間の足というのは走ると言う行為において衝撃が吸収しやすい動作を自然に行っています。具体的に言うと土踏まずのアーチが着地の際に潰れることで、足首が内側に倒れこむことで足にかかる衝撃を緩和しています。この行為のことをプロネーションと呼ぶのですが、走りの性格によって3つのプロネーションに分類されています。
- ニュートラル・プロネーション
- オーバー・プロネーション(オバプロ)
- アンダー・プロネーション(サピネーション)
このプロネーションというのは人間にとってごく自然な動きなわけですが、ランニングを繰り返すうちにプロネーションが過剰になったり反復によって負荷がかかると故障の原因となるため、自分自身の足や走りの性格に合わせたランニングシューズを選ぶことが大切となります。
まずはこのプロネーションの種類を解説しましょう。
ニュートラル・プロネーション
ランニング中の最大荷重時に、かかとが垂直に近い状態で走っている場合や、プロネーションの度合いが小さい人はニュートラルプロネーションタイプに属します。使用を続けたランニングシューズを見ると、かかと部分が水平に削れている人はこのタイプです。着地から蹴り出しがスムーズで足への負担が少ないのが特徴です。、
オーバー・プロネーション(オバプロ)
ランニング中の最大荷重時に、かかとが内側へ傾く度合いが大きい人はオーバープロネーション(通称:オバプロ)タイプに属します。使用を続けたランニングシューズを見ると、かかとの内側部分が削れている人はこのタイプです。衝撃は吸収できますが関節に負担がかかりやすいので注意が必要です。
アンダー・プロネーション(サピネーション)
ランニング中の最大荷重時に、かかとが外側へ傾いている状態やシューズの外側を使用して走っている人はアンダープロネーション(別名:サピネーション)タイプに属します。使用を続けたランニングシューズをみると、かかとの外側部分が削れている人はこのタイプです。着地衝撃が大きくランニング障害を引き起こしやすいので注意が必要です。
ヒールがフラットに削れる・外側が削れる人
このタイプの人の場合は、ニュートラルプロネーションかアンダープロネーションに属しています。このタイプの足は衝撃緩和が苦手な傾向があるため、ランニングシューズを選ぶ際にはクッション性を重視したニュートラルタイプものを選ぶと良いでしょう。
ヒールの内側が削れる人
このタイプの人の場合は、オーバープロネーションに属しています。プロネーションの度合いが大きくなってくると深刻なランニング障害を引き越してしまうため、過度なプロネーションを抑制するために安定性を重視したサポートタイプのランニングシューズを選ぶのがおすすめとされています。
通販でランニングシューズを購入するときは・・・
ランニングシューズの正しい選び方が理解できたところで、どうしてもシューズ専門店に行けないという人がインターネット通販などでランニングシューズを購入する際に注意しておきたいポイントを紹介しておきましょう。
基本的にランニングシューズをインターネットで購入すると未使用であっても返品に応じてくれない店舗が多い為、ネット通販で購入する場合は返品が可能かどうか、サイズ変更が可能かどうかなどを事前にチェックしておくのが重要です。
大手ショッピングサイトのアマゾン(Amazon)におけるシューズ&バッグカテゴリーにおいて、Amazon.co.jpが発送しているランニングシューズは、商品到着後の30日以内であれば返品可能かつ返品送料も無料となっているため、実際に到着したランニングシューズを室内で試着して、足に合わなければ返品することも出来ます。
始めてランニングシューズを通販で購入すると言う人におすすめなので、ランニングシューズをインターネット通販で購入する際は活用しましょう。
初心者がランニングシューズ選びで失敗しやすい『3K』とは?
最もランニングシューズ選びで失敗しやすいと言われる3Kはコレ!
- Karui/軽い
- Kawaii/可愛い
- Kakkoii/格好いい
外見や重さに気を取られてランニングシューズを選ぶと、膝や腰を故障したり、足はマメだらけの皮がボロボロに剝けるなんてこともあるため注意しなければなりません。
通販サイトなどでランニングシューズを見ていると、スタイリッシュかつ豊富なカラーバリエーションでおしゃれな印象を感じるデザインのランニングシューズは、大半が中級者や上級者に向けたレース仕様となっています。
そして製品仕様として重量も書かれているため、ついつい重量を比較して軽いランニングシューズを選んでしまいがちですが、多くの初心者ランナーが軽いシューズを選んで失敗しています。「軽い=走りやすい」というわけでないので、外見に惑わされず性能面で自分に合わせたランニングシューズを選ぶことが重要となります。
ランニングシューズ選びで活用できるサイト
ネット通販を使用してランニングシューズを選ぶ場合、実際に履いてみてフィットするものを見つけるということができないため、特にランニングシューズを選ぶのが初めてだという人は、メーカーが提供しているフィッティングサイトを活用するのもおすすめです。
そこで、自分にあったシューズを選ぶのに使えるサイトを紹介しておきます。
ミズノのプレシジョンフィット
ミズノ社が提供するプレシジョンフィットは、8個の項目から本格的にランナーの足に合わせた適正ランニングシューズの診断をしてくれるサイトです。選択項目が多い為面倒に思う人もいるかもしれませんが、自分にあったランニングシューズがわからないという初心者は活用しておきたいところです。
アシックスのシューズチャート
アシックス社が提供するシューズチャートは、性別やプロネーション、走行時間やレベルなどに合わせて、スライダーをドラッグするだけで自分にあったランニングシューズが見つかるように作られています。アシックスのランニングシューズを選びたいという人におすすめです。
ニューバランスのシューズガイド
ニューバランス社の提供するシューズガイドは、自身のランニングレベルや目標タイムとモチベーションや悩みに合わせて最適なランニングシューズを提案してくれるサイトです。相性の良いシューズを複数提案してくれるため、ニューバランスのランニングシューズから自分に合ったものを見つけたいという人におすすめです。
アディダスのランニングシューズチャート
アディダス社の提供するランニングシューズチャートは、ランナーのレベルや目標タイムに合わせて最適なランニングシューズが見つかるサイトです。アディダスのランニングシューズが一覧表示になっており、個々のスキルに合わせたベストなシューズが見つかるため、アディダスのシューズ選びに迷っている人はおすすめです。