ドローンの構造に関する仕組みとメカニズム
ドローンはどのようなメカニズムによってあのような機体性能を誇っているのでしょうか。ここでは一般人にも購入可能なラジコンヘリやマルチコプターなどのドローンの構造に関するメカニズムについてご紹介します。
また、安価なドローンを開発できるようになった技術についてもご紹介します。
スポンサーリンク
ドローンの動力について
まずはドローンを動かす原動力であるモーターについてご紹介します。一般的なマルチコプター等のドローンに使われているのは「DCモーター」と呼ばれるドローンです。DCモーターとは、簡単に説明すると「普通」のモーターです。
しかし、この普通のモーターは電動であり、ドローンを司るコンピューターもまた電動であるため親和性が高く、出力制御が行いやすいなどのメリットがあります。
それゆえ、スマホの普及に伴って技術的な進歩が進んだバッテリーやCPUと共に、マルチコプターなどの一般的なドローンの動力として最も普及しています。
また、ドローンのカメラ制御に使われているのは「サーボモーター」と呼ばれるモーターです。このサーボモーターとは、DCモーターのように回転し続けるものではなく、信号によって回転角が制御できるモーターを指します。
ドローンのカメラ制御以外にも、エレベーターや船の舵にも使用されているモーターです。
競技用や軍事用ドローンの内燃機関
内燃機関とは、ゆわゆるエンジンのことです。自動車ではエンジンを動かすのにガソリンを使うのが一般的ですが、模型飛行機ではグロー燃料を使用するグローエンジンが主流となっています。それに加え、模型用のジェットエンジンというものまで存在します。
この内燃機関のメリットは、大きな出力を長時間維持できる点であり、それに加えて電池よりも軽量な点です。このようなメリットから、軍事用のドローンのような航続距離が必要なドローンや、競技用の運動性能を追求したドローンに使用されています。
ドローンの回転機構と伝達機構
当たり前かもしれませんが、ドローンが飛ぶメカニズムはモーター(又はエンジン)で動力を発生させ、それを回転翼に伝達させることによって飛行します。このドローンが飛ぶ上での基本的なメカニズムであるモーターの回転と、それを伝える伝達機構について簡単にご紹介します。
ドローンの変速機構
モーターやエンジンは効率の良い回転数というものが定まっています。このモーターにとって効率の良い回転数と、回転翼にとっての適切な回転数は等しいくありません。そこで、モーターにとって効率の良い回転数を保ちながら、回転翼を適切な回転数となる様に調整するために「ギヤ」が用いられます。
しかし、一般的なドローンに関しては変速機構は不要とされています。なぜなら、飛行の為に一定以上の回転数が必要ですが、大きく変動することがないからです。
しかし、ヘリコプターなどの重くて長いローターは直接回転させるのが難しく、ギヤを用いて効率的な回転数域に調整する必要があります。
回転軸の方向変換
ドローンによっては設計上の都合で、モーターの回転軸と回転翼の回転軸方向が異なる場合があります。このようなケースは珍しくなく、その際は「傘歯車」を用います。
傘歯車とは、交わる2つの軸に運動を伝達する円錐形の歯車を指します。この傘歯車によって回転軸の方向を直角方向などに変換しています。
また、傘歯車以外にも「ジョイント」という機構を使用して回転軸の向きを変えています。傘歯車は変えられる回転軸の角度は固定されていますが、ジョイントは変更できる回転軸の角度が非常に柔軟である点が特徴です。
安価なドローンを提供可能にした技術
室内用の小型ヘリコプターやマルチコプターと言ったドローンは、加速度センサーや角加速度センサーなどの各種センサー技術。強力で軽量なバッテリー、強力磁石の軽量化、姿勢制御ソフトの改良など、数々の技術の進歩によって実現されました。
このような技術以外にも、ドローンを安価に提供することを可能にした技術をご紹介します。
二重反転ローター
ドローンの中には「二重反転ローター」が用いられているものもあります。二重反転ローターとは、2枚の回転翼を組み合わせたものであり、逆方向に回転する同じサイズの回転翼を同じ軸状に縦に配置したものです。
一部の実機ヘリコプターにも採用されています。二重反転ローターは、各回転翼の回転速度が同じ場合、トルクを打ち消し合う効果があるので安定的な飛行が可能となります。ですのでテールローターが不要となります。
逆に、回転数に差がある場合は、反作用によって早い回転翼と逆向きにトルクが生じ、機種を左右に回転することが出来ます。このため、前後や上下左右に自由自在に動くことが可能であり、姿勢制御が容易になります。