ドローンの飛行に関する仕組みとメカニズム
ドローンにはバッテリーやモーター、回転翼、各種センサなど様々な部品によって成り立っています。
この各種パーツがどのような働きをしてドローンが飛行するのか、その仕組みについて簡単にご紹介します。
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ドローンの動力とサイズ
これまでのラジコンヘリやラジコン飛行機などは、強力な原動力とそれを搭載するだけの大きな機体、それに十分な燃料やバッテリーが必要でした。しかし、マルチコプターなどの小型ドローンは少し異なります。
小型のドローンの動力は小型のモーターが大半であり、バッテリーも小型のものが搭載されています。なぜならマルチコプターなどの小型ドローンは複数のモーターに負荷を分散することが出来る為、1つのモーターに強力な動力を必要としていません。そのため機体の小型化が可能となっています。
ドローンの飛行可能時間はバッテリーに依存します。しかし、飛行時間を延ばす為に大きなバッテリーを搭載すれば、今度はバッテリーの重量がモーターの負荷となります。そのためバッテリーを大きなものにしても思うほど飛行時間は伸びない場合が多いです。
ドローンの大きさ
ドローンも飛行物体ですので、揚力は「機体の大きさ」に比例します。機体が大きければ大きい程、強力なモーターや大きなプロペラなどの動力を搭載することが可能となり、大きな出力を得ることができるようになります。大きな出力があれば許容荷重は増えていきます。
特にドローンは複数のプロペラを搭載しているので、ヘリコプターと比較すると機体を大きくしやすいという特徴があります。しかし、機体の大きさは揚力に比例しますが、性能全てが有利となる訳ではありません。
ドローンは機体を飛ばす場所まで運ぶ必要があり、ドローンの大きさが大きくなると運搬の困難さから実用性が下がることも考えられます。
ドローンの操作と移動
ドローンの大きな魅力の一つが操作性です。これまでのラジコンヘリやラジコン飛行機と比較すると、非常に安定した操作性を誇ります。これは組み込まれたプロセッサによる自動制御によってもたらされた機能です。
これまでのラジコンヘリやラジコン飛行機は、実物のヘリや飛行機を小型化したものが基本であり、姿勢の制御が難しく、状況によっては複雑な操縦が必要でした。そのため操縦には慣れと訓練が必要でした。
ドローンのセンサー
ドローンはヘリや飛行機などの実物の乗り物をベースに作られている訳ではなく、機体の制御はプロセッサと各種センサーが基本となっています。基本となるドローンの姿勢制御は「ジャイロセンサー」と呼ばれるセンサーが基本となっています。
ジャイロセンサーは、スマートフォンにも搭載されている「回転」を読み取るセンサーのことです。このジャイロセンサーによって機体の傾きや回転を検知することが可能となります。
この検知されたデータを基に、プロペラを回転させるモーターの出力にフィードバックされ、空中で姿勢を制御することが可能となります。ドローンの各プロペラは、モーターの出力が同じでも風向きなどの要因によって得られる実際の揚力は異なります。
それゆえ、ドローンの姿勢は常に変化しています。この傾きをジャイロセンサーによって検知し、プロセッサによって計算され、水平に機体を保つように各モーターの出力を調整して、機体を常に水平に保つように制御しています。
ドローンの移動
ドローンは姿勢の制御を行いながらも、空中を移動します。揚力が失われない程度に機体を傾けたり、モーターの出力を変えることによって前後左右に自在に飛行することが可能となります。そんなドローンの移動の仕組みについて簡単にご説明します。
まずドローンを前後左右に移動させる場合は、進行方向のモーターの回転数を下げ、進行方向とは反対側のモーターの回転数を上げます。すると、ドローンは進行方向に対して前かがみの姿勢となり、進行方向に移動することが可能となります。
また、ドローンを回転させるには、モーターの回転方向による出力の調整を行います。例えば、右回転する場合は、右回転しているモーターの出力を下げ、左回転しているモーターの出力を上げます。そうすると、回転数が高いモーターの回転に対する反力で機体を回転させることが出来るのです。
ドローンのコントロール
ドローンのコントロール方法には大きく2つの方法があります。まず1つは、無線による遠隔操作です。これまでのラジコンと同様に「プロポ」と呼ばれるコントローラーを使用する方法と、WifiやBluetoothを用いてスマートフォンと接続して操作する方法があります。
遠隔操作は目視か搭載のカメラ映像を基に任意で操作する方法であり、スマートフォンやタブレットと接続してコマンドを送れるなど、新しい技術との親和性の高さが特徴です。
もう1つは、プログラムによる自動飛行です。自動飛行はプログラムされた内容に沿って飛行することであり、搭載されている各種センサを駆使して半自動的な飛行が可能となっています。