軍事から趣味までドローンの様々な用途
近年急激に普及しているドローン。そもそもは軍事目的に開発されたドローンですが、技術の進歩に伴ってドローンの可能性が広がっています。
軍事目的としてはもちろん、救援目的や物流などの商業目的、ホビーとしても様々な可能性を秘めています。そんなドローンの用途と可能性についてご紹介します。
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ドローンの軍事利用について
ドローンはインターネットやサランラップと同様に、そもそもは軍事目的に開発されたものです。ですので、積極的に軍事利用されてきた歴史を持つとともに、軍事目的のドローンが最先端の技術を有しています。
一般的にはドローンと言うとマルチコプターをイメージすることが多いですが、軍事用のドローンは無人航空機はもちろん、無線で動く無人車両等も含みます。以前までは偵察機としての利用が主だった軍用ドローンも、現在では遠隔操作の攻撃機としての利用が増えています。
攻撃機の様なドローンはもちろん、無人ヘリコプタータイプ、ステルス戦闘機までドローンは開発されています。今後も軍事利用のドローンは急速に増えることが予想されており、アメリカ軍も2023年までに全ての攻撃機の1/3が無人航空機、つまりドローンに置き換えると発表しています。
ドローンの商業利用について
2000年頃まで、日本はドローンの先進国だったことはご存知ですか?実に世界のドローンの約60%が日本で使用されていました。それは農薬散布に用いられていたラジコンヘリもドローンに当てはまるからです。
技術の進歩に伴って現在では、ドローンが出来ることも増えており、様々な商業的な利用が増えています。研究中や実験中の物も含めて、ドローンの商業的な利用についてご紹介します。
農業分野におけるドローンの使用
日本では1980年代から農薬散布にラジコンヘリが使われてきました。ガソリンエンジンが動力のラジコンヘリは、多くの農薬を短時間で散布できる特徴があり、現在でもよく使用されています。
もちろんラジコンヘリもドローンに含まれますが、この分野にもドローンの利用が期待されています。ラジコンヘリはどうしても操作が必要ですが、GPSを搭載したドローンであれば、設定さえすれば自動で決められた農地に農薬を散布することが出来るなど、より農家のコストを削減することが出来ます。
また、農地の管理にもドローンの利用が進んでいます。特に大規模な農地であれば、農地の管理・点検にかかるコストは莫大なものとなります。作物の状況確認や水、肥料の補給などがこれに当たります。
この作業にドローンを用いることによって、大幅なコストの削減が期待されています。GPSが搭載されていますので、あらかじめ決められた範囲を自律飛行させ、搭載のカメラで作物の状況確認が簡単に行えます。
物流分野におけるドローン使用
物流分野は特にドローンに熱い視線を向けています。世界最大のネット通販会社のアマゾンは、ドローンによる商品配送サービスを目指して実験や各方面への働きかけを行っています。
アマゾンが計画しているドローンを使った配送は「Amazon Prime Air」と呼ばれており、ドローンを使った配送で注文から30分以内の配送を目指すとしています。このアマゾンのドローンは時速80キロメートルで飛行し、自立機能によって障害物を回避しながら飛行するそうです。
技術的にはほぼ全てのハードルをクリアしていると言われていますが、法律的な問題があるので、サービスの開始にはまだ時間がかかりそうです。参考までに以下に「Amazon Prime Air」のプロモーション動画をご紹介します。
他にも、ドローンを使った配送はすでに始まっているサービスもあります。ロシアのピザチェーン「Dodo Pizza company」はドローンを使ったピザの配達をすでに行っています。
配達の全てをドローンだけで行う訳ではなく、現地にスタッフを待機させてピザを受け取り、会計処理を行っています。しかし、キッチンから現地まではドローンがピザを運んでおり、営業エリアに関してアドバンテージを得ています。
ドローンの救援利用
災害発生時や人命救助にもドローンの活躍が期待されています。福島の原発事故の調査にドローンが使用されたのは有名な話です。現在最も実用化に近いのが、ドローンによる医薬品の配送です。
ドローンを使えば、救助隊が到着するまでに時間がかかる地域や離島などへ、医薬品を迅速に運ぶことが出来ます。この実験は日本でも行われており、瀬戸内海の離島に1キロの医薬品をドローンで運ぶ実験が行われました。このドローンによる医薬品の配送は近いうちに実現するのではないでしょうか。
この医薬品には、自動体外式除細動器「AED」も含まれており、都心部では設置数が多いですが、設置の少ない山間部や郊外での活躍が見込まれています。
趣味としてのドローン
ホビー分野でもドローンの普及は目覚ましい物があります。ホビーとしてのドローンには「空撮」と「ラジコン」としての側面があります。空撮はその名の通り、今まで撮影することが出来なかった上空からの映像を簡単に撮影できる点が魅力です。
いままではヘリコプター等を用意しなければ撮れなかったアングルからの映像を、簡単に気軽に撮影することが出来ると、世界中で高い人気を博しています。これは風景や自然に限ったことではなく、スポーツの撮影にも人気が高いです。
話題になった「GoPro」のような革新性が期待されており、今後のスポーツ映像の進化に繋がると期待されています。
また、操作性に着目したラジコン的な側面からも人気を博しています。今までのラジコンのようなレース大会はもちろん、リアルタイムの映像が見れる特性を生かして、長距離を移動するレース、森の中を疾走するレースなど、新たな競技として成立しつつあります。