電子タバコ用のリキッドを自作する方法

電子タバコ(VAPE / ベイプ)も最近ではすっかり浸透してきましたね。みなさんは市販のリキッドでお気に入りの一本を見つけられましたか?筆者はもっぱらVAPETEKのリキッドばかりですが、最近少し飽きてきたので自作リキッドを作り始めてみました。
自作リキッドの面白さは、何種類ものリキッドを混ぜ合わせて自分好みの濃度や味、香りにすることができ、なにより自分だけのオリジナルの1本を持っているという満足感がたまりません。自作リキッドで電子タバコ(VAPE)の世界を広げましょう!
ここでは、筆者が仲間と共に電子タバコ(VAPE)のリキッドを作成した記録の一部をご紹介しながら、自作リキッドの作成方法や必要なアイテム、おすすめのフレーバーなどについてご紹介します。
【免責事項】 当サイトにおける電子タバコ用自作リキッドに関する記述において、調合による何らかの有害物質の発生や健康被害、機器の破損などの一切の責任を負いかねます。リキッドを自作する際には科学的分野に関する専門知識を備えたうえで、すべて自己責任で作成して頂けますようお願い致します。
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スキップメニューのご案内
こちらの記事は内容が広範に渡って詳しく記載されています。目的とした内容にスムーズに辿り着けるよう、各スキップメニューを上手にご活用頂ければ幸いです。
- 【▼スキップメニュー(大項目)】
- 自作リキッドに必要なもの
- 自作リキッドの作り方の手順
- 様々な種類のリキッドを自作しよう!
- リキッドにそれを混ぜるの!?実際にやってみた!
- リキッドなどの保管方法について
自作リキッドに必要なもの
まずはリキッドを作成するうえで必須のアイテムと、あると便利なグッズを用途の説明と共にご紹介していきます。
とりあえず、以下の3つは必須なので入手しておきましょう。
- ベースリキッド(PGもしくはVG)
- 香料(フレーバーリキッド)
- 空のボトル(できればスポイト付き)
では、自作リキッドを作る上で持っておきたいアイテムについて解説していきます。
- 【▼スキップメニュー(小項目)】
- 【必須】ベースとなる溶剤
- 【必須】香り・味付け用の溶液
- 【必須】空のボトル
- ニコチンリキッド
- 注射器やスポイト
- 汚れ防止アイテム
【必須】自作リキッドのベースとなる溶剤(PG/VG)
これが無いと何も始まりません!既にご存知かと思いますが、リキッドのベース剤にはPGとVGの2種類があります。
PG:プロピレングリコール
VG:(ベジタブル)グリセリン
リキッドを自作する上でどちらのリキッドベースを選べばよいか迷う方も多いかと思います。今回は、後半部分のとりあえずそのまま吸ってみるでご紹介しますが、PGとVGをそのままアトマイザーに入れて吸ってみました。
ここではPGとVGの特徴を簡単に比較してみましたので参考にして頂ければと思います。
PGとVGの味の違い
PGの方がすっきりとした味わいで、後に引くような甘みはありません。一方でVGは少し甘味があり、薄いわたあめのように口の中に残る感じがしました。
リキッドを作成する上でフレーバーの香りをしっかりと感じたいのであればPG、バニラやキャラメルなどの甘ったるい系のフレーバーリキッドを作るのにはVGの方が向いているかなぁという印象です。
後で知ったのですが、VGのグリセリンという言葉はギリシャ語のglykysから来ているようで「甘い」という意味らしいです。そりゃ甘ったるいわけです。
PGとVGの煙の量と重さ
PGの方が吸った感じも吐いた感じも軽く、実際に煙の量も少なかったです。一方でVGは甘ったるいだけでなく重たい印象で、肺の中にいるなぁと分かる感じで爆煙向きのベース剤です。さわやかなフレーバーを気持ちよく吸いたいのであればPG、しっかりと吸った感覚を味わい爆煙を吐いて楽しみたいならVG、といったところでしょうか。
芸能人で例えると、三浦春馬がPG、竹内力がVGですね。食べ物で例えると、そうめんがPG、ラーメンがVGですね。わかり易いですね。ちなみに筆者はそうめんもラーメンも好きなのでPG/VGを50%/50%で混ぜてます。
品質について
化粧品などにも用いられるPGは防カビ性を持っているため、比較的品質が劣化しにくい化学物質です。一方でVGはカビが入ると3日ほどでカビが繁殖してしまい使い物にならなくなってしまいます。
ただし、取扱いに注意すれば冷蔵保存で6ヵ月以上は持ちます。そんなに使いきれないよって人は100 mlのボトルで十分でしょう。保存方法については記事の一番最後に詳しくご紹介しています。
薬事法上の位置づけ
PGは日本薬局方の指定薬品ですので、店頭ではほとんど取扱いがありません。ただし、薬局での医薬品の調剤にも用いられることがあるため、近所の薬局や医薬品卸売会社などに問い合わせてみてもいいかもしれません。
(※薬機法上、利用目的によっては購入できないケースがありますので、上記の説明がすべてではありません。ネットでも探せばどこかに売っているはずですが少々入手困難です。)
安全性について
どちらも食品添加物や化粧品に使われているため化学物質自体の安全性は高いのですが、それを吸引したことによる安全性については実証されていません。安全性については現在、世界中で研究が行われている最中ですので、新しい情報が入り次第お伝えいたします。
ただ、これだけ世界中で愛用者がいて、因果関係の認められる大きな事故などはほとんど起きていませんが、どちらもアレルギー反応が知られている物質です。VGは化粧品分野で皮膚炎が起こるケースがあります。
また、日本の厚生労働相にあたるアメリカのFDAの報告でによると、アレルギーある人の5%が PGによって皮膚炎を起こしたという実験結果が報告されています。吸引に関する詳しいことは分からないにせよ、何かおかしいと感じた場合にはすぐに使用を中止しましょう。
パッチテストをするのも事故防止には役立ちます。繰り返しにはなりますが、リキッドの自作についてはすべて自己責任でお願いいたします。
【必須】香り・味付け用の溶液(リキッドやフレーバーなど)
こちらも無色無臭のPG/VGへの香り付けをする上で必須のアイテムです。有名どころではCapella(カペラ)やFlavour Art(フレーバーアート)などが有名ですが、オレンジやストロベリー、ローズ、はたまたコーヒーやベーコン風味なんていうのまで取り揃えています。まずはこの中から選んでみるのが間違いないでしょう。
また、上級者になると香り付け用のフレーバーなどではなく、例えばラム酒やポッカレモン、ミンティアなど様々なチャレンジをしているようです。後半部分の「リキッドにそれを混ぜるの!?実際にやってみた!」にも記載しましたが、筆者も上級者ぶってコカコーラや香水で自作しようとして面倒なことになったので、アトマイザーを壊さない程度に遊んでみるといいかもしれません。
【必須】自作リキッドを入れる空のボトル
作成する自作リキッドを保存するボトルも欲しいところです。なるべく遮光性のガラス瓶の方が良いとされていますが、保管方法を守りすぐに使い切るのであれば、透明やプラスチックでも問題ありません。
筆者は貧乏性なので100均の化粧品ボトルを愛用していますが、やはりスポイト付きのガラス瓶(青)欲しいですね。かっこいいんですもの。
ニコチンリキッド
電子タバコ(VAPE)を楽しむ上で欠かせないのがニコチンリキッド(通称、ニコリキ)です。ここで言うニコチンリキッドとは、ニコチンがすでに添加された海外のリキッドではなく、ノンフレーバーニコチンリキッドのことを指しています。
ニコチンリキッドに関しては、1.個人輸入の方法、2.自作ニコリキの作り方、3.自動濃度計算フォーム、4.濃度の目安、などを中心に別の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
注射器やスポイト
注射器やスポイトもあった方が便利なアイテムです。ガラス製1本ではなくプラスチック製の安いものをいくつか購入して使い分けた方が、香り移りしないのでおすすめです。
PG/VGのボトルが大きくて注射器やスポイトが届かない!なんてときは、プラスチックのきれいな紙コップなどに分注してから取ると良いでしょう。あるいは、おちょこやペットボトルのキャップなどでも良いかもしれません。
汚れ防止アイテム
菌の溶液への混入を防いだり、服や目の粘膜などに飛び散るのを防止するために、オリジナルリキッドを自作する際には、ゴム手袋やポリ手袋、エプロン、ゴーグルなどがあっても良いでしょう。
グリセリン VG 100ml | プロピレングリコール PG 100ml | メモリ付きスポイト |
現在の価格 | 現在の価格 | 現在の価格 |
ガラス瓶 10ml (スポイト付き) | ゴム手袋(パウダーフリー) | 安全メガネ |
現在の価格 | 現在の価格 | 現在の価格 |
自作リキッドの作り方の手順
一通り必要なものが揃ったところで、早速自作リキッドを作ってみましょう!
難しそうに感じるかもしれませんが、自作リキッドはたったの3工程で作れてしまいます!
どんなフレーバーにしたいか、煙量はどのくらいがよいかなど、完成イメージをしっかりと持って作っていくことが大切です。
- 【▼スキップメニュー(小項目)】
- ベース剤を調合する
- お気に入りのフレーバーを混ぜる
- トッピングをちょい足し
- 試しに吸ってみる
自作リキッドのベース剤を調合する
まずはベースとなるPG/VGをスポイトなどを用いて空ボトルに入れます。テストであれば1 mlほどで十分です。PGとVGは入れただけではすぐに混ざりませんので、スポイト等でピペッティング(出し入れ)してよく混ぜましょう。
PG/VGなどのベース剤はそれぞれ単品でも使えますし、フレーバーに合わせて調合するのもいいでしょう。筆者はそうめんもラーメンも好きなので…ではなく、愛用しているVAPETEKのリキッドがPG/VGが50/50でブレンドされていましたので、自作リキッド作成時も半分ずつ混ぜています。
PG/VGの味の違いでも記載した通り、フレーバーによって使い分けられるようになりたいものですね。かっこいいんですもの。
お気に入りのフレーバーを混ぜる
続いて、先ほどPG/VGを入れたボトルにフレーバーを加えていきます。ほとんどの製品が滴下できるようなボトルになっていると思いますので、そこから数滴落とします。スポイトなどでしっかりとして混ぜます。
味や香りの確認は、実際に嗅いでみたり実際に手の甲に極小さい水滴を乗せて舐めてみるとわかります(ニコチンなどの劇薬等を入れている場合は厳禁!)。電子タバコ(VAPE)で上記にすると意外と薄いので、感覚的に少し濃いめでも大丈夫です。
最初は単純に「PGにカシスフレーバーを数滴混ぜる」だけでもOKです。PG量や滴下量を変えてみるのも立派な自作リキッドです。
みなさんは調合したいフレーバーの組み合わせは見つかりましたか?失敗しないパターンとしては、例えば「コーヒーフレーバーとバニラフレーバー」、「カシスフレーバーとオレンジフレーバー(カシスオレンジ)」、トッピングを加えるのであれば、「チョコフレーバーにメンソールリキッド(チョコミントっぽい?)」などが挙げられます。
これらは単に例として挙げただけです。フレーバーの組み合わせは無限大ですし、ここにこそ自作リキッドの面白さがあります。
トッピングをちょい足し
ここは好き嫌いが分かれるので読みとばしてもかまいません。詳しくは後半部分のワンランク上のフレーバーを目指すでご紹介しています。ニコチンリキッドに関しては別の記事で詳しくご紹介していますので、そちらを参考にしてください。
試しに吸ってみる
完成した自作リキッドの香りを電子タバコ(VAPE)で確認する際にすぐにアトマイザーに入れてしまうと、フレーバーを足したりベース剤で希釈するのが面倒です。簡単に試すには、アトマイザー内のコイルユニット(綿とコイルの部分)にスポイト等で直接自作リキッドを染みこませます。ドライヒット(焦げ)やドライバーン(空焚き)を防ぐため、少なくとも10滴は染みこませて下さい。
そのままアトマイザーをMOD(バッテリー)本体に装着し、電源を入れて試し吸いしてみましょう。必要があれば自作リキッドのボトルにPG/VGあるいはフレーバーリキッドを加えて濃度を調節してください。
濃度調節が完了したら自作リキッドの完成です!世界に一本のオリジナルリキッドを存分に堪能してください!
様々な種類のリキッドを自作しよう!
上の自作リキッドの作り方の手順では基本的な調合方法をご紹介しました。ここでは、様々な種類のフレーバーを組み合わせて自作リキッドを作る手助けをいたします!
- 【▼スキップメニュー(小項目)】
- とりあえずそのまま吸ってみる
- 市販リキッドを混ぜてみる
- ワンランク上のフレーバーを目指す
とりあえずそのまま吸ってみる
PGやVGをそのまま吸ってみたことはありますか?これが意外とクセになるんです。最初は何の味も香りもしないなぁと思っているのですが、吸い続けているうちにほのかな香りや甘みが感じられるようになります。もしかしたら気のせいかもしれません。
市販リキッドを混ぜてみる
日頃からみなさんが愛用しているリキッド、たまに飽きてきたりしませんか?そんなときに別のリキッドに入れ替えるのも良いですが、フレーバーを付け足してみると更においしくなることがあります。
例えば、「吸い慣れたE-Juiceのレモンライムリキッドに、フランボワーズフレーバーを少し混ぜる」と、途端にカクテルのような香りと味わいになります!カクテルを作る感覚で楽しみながらいろいろと試してみてください。おすすめの組み合わせなどがあれば問い合わせフォームから送って頂ければ掲載させて頂きます。
ワンランク上のフレーバーを目指す
様々な香りの調合については以上になります。ここではちょい足しレシピをいくつかご紹介し、電子タバコ(VAPE)の奥深さを存分に味わうためのキーアイテムをご紹介します。
ニコチンリキッド
喫煙者には何とも魅力的な、言わずと知れたちょい足しアイテムであるニコチンリキッド。リキッドを自作する歳には、ノンフレーバーの高濃度ニコチンリキッドであれば香りが薄まらないので最適です。
ニコチンリキッドについては別の記事で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。
タバコ風味のリキッドを活用!
電子タバコ(VAPE)の美味しいフレーバーはどこか物足りない、と感じる方にとって、タバコ風味のリキッドは他のどんなリキッドにも渋みを与えてくれる万能リキッドです。
禁煙を意識されている方であれば、例えば、バニラリキッドにタバコ風味リキッドを少し混ぜ、ノンフレーバーのニコチンリキッドでニコチン濃度を調節してあげれば、キャスター(現在のウィンストン)風の味わいに近いものが作れます。
メンソールリキッドを作る!
こちらもメンソール系のタバコを愛煙されている方なら必須のアイテムになります。メンソール感を出すためにはハッカ油などが使われてきましたが、プラスチックを強烈に劣化させてアトマイザーをダメにしてしまうので、使用は控えた方が無難です。
その代わりに大活躍するのがメンソールクリスタル(メンソールの結晶)です。少し大きなタバコ屋さんではハッカスペアーという商品名で数百円で購入できます。この結晶を自作リキッドボトルに極少量溶かせば、爽やかなメンソールリキッドの完成です!
お酒系フレーバーを混ぜる!
アルコール分は入っていませんが、お酒関連ではウイスキーやバーボン、ラム酒など様々なフレーバーが販売されています。例えば、E-Juiceの柑橘系リキッドにウイスキーフレーバーなどで上品に味付けしてみてはいかがでしょうか?
エナジードリンク系リキッドを活用!
こちらはレッドブルのようなエナジードリンク系の香りが特徴のリキッドです。レッドブルであればカシスなどのフレーバーと組み合わせることで深夜感(?)を味わうことができるのでは?
リキッドにそれを混ぜるの!?実際にやってみた!
自作リキッドを作り慣れてくると、少し冒険してみたくなりませんか?自分に好きなジュースを煮詰めて濃いエキスを混ぜてみたり、刺激を求めてリキッドに鷹の爪を漬け込んだり、いろいろとチャレンジしてみたくなってきますよね。
筆者も仲間と共にチャレンジリキッドを作成したのでその一部をご紹介します。
- 【▼スキップメニュー(小項目)】
- コカコーラのみ
- PGにコカコーラを混ぜる
- VGに香水を混ぜる
コカコーラのみで吸ってみた
蒸留水をアトマイザーに入れて大丈夫なのかという議論をたまに耳にしますが、ピントル編集部では水を超えて市販のコカコーラゼロをアトマイザーに入れてみました。
コカコーラは煮詰めるとカラメルが残りますが、コカコーラゼロを煮詰めると何も残らないという動画を発見したので、比較的安全なゼロを選択しました。
アトマイザーにコカコーラゼロを入れ、いざスイッチオン!・・・40W フルパワーでも蒸気(湯気)すら出ません。しかし、しばらく粘っていると少しだけコーラの香りが!?
結果:温かいコーラができた。
考察:アトマイザー内やアトマイザーヘッド(コイルユニット)も無事でした。しかし全く美味しくないですし、特に添加物が多いものはおすすめしません。
プロピレングリコール(PG)にコカコーラを混ぜる
コカコーラは直接入れても意味がない(当たり前)ので、次はPGにコーラを少量混ぜました。
結果:極めて微かなコーラの香りがした。
考察:フレーバーが薄すぎる。水分をもっと飛ばして濃くすればいけるかもしれません!
ベジタブルグリセリン(VG)に香水を混ぜる
香水を試した人はあまりいないと思います。引火に注意しながらVGに香水を混ぜました。比率はVG 3 mlに対して香水ワンプッシュです。
- カルバンクライン - シアービューティー
- ブルガリ - オムニア
- ニコス - スカルプチャーオム
結果:香水の香りがかなり強く出る。
考察:どの香水でも、その香水の香りがしっかりと表現されました。健康にどれほどの影響があるかは分かりませんが、さらに10倍に薄めても十分香りが楽しめました。そして、とても素敵な息の男になりました。
ひとつ難点なのが、アトマイザーやらウィックやらに香水のにおいがこべり付き、いくら洗っても取れないことです。香水を試す際には覚悟が必要です。
自作リキッドなどの保管方法について
PG/VGのボトルやリキッドなどについては、基本的に暗所・冷蔵保存することをお勧めします。つまり冷蔵庫でOKです。理由としては、VGの保存性が低く、常温ではすぐにカビが繁殖してしまうためです。
無色透明だったリキッドがいつのまにか茶色っぽく濁ってしまったことはありませんか?アトマイザーではなくボトル内で変色したということは、微生物もしくは光分解による化学変化などの可能性が高いです。
こうした理由から、リキッドなどは冷蔵庫で保管するのが理想と言えるでしょう。