ギターの保管方法について
ギターは木材で出来ていますから、保管にはかなり気を使う必要があります。正しい知識を身につけてギターがもつ本来のポテンシャルを維持しましょう。
ギターの保管はケースに入れるべきなの?弦は毎回緩めた方が良いの?など、保管方法については様々な意見があるため、迷ってしまいがちですよね。そこで今回は、正しいギターの保管方法について一緒に勉強してみましょう。
スポンサーリンク
ギターを正しく保管する為の5ヶ条!
まずは、ギターをどうやって保管したら良いか解らない初心者の為に、ギターを保管する時に注意しなければならないポイントを5つ紹介します。とりあえず、これさえ守っておけばギターを長く愛用できるでしょう。
1、ギターの弦は半音分緩める!
ギターの弦というのはかなり強い力でネックを引っ張っています。チューニングしている場合は約80kg近い力でテンションがかかるため、そのまま保管しているとネックが反ってしまうので注意が必要です。
長期間ギターを保管しておくなら弦は外しておくのが鉄則ですが、1日保管しておくくらいなら、全ての弦を半音から1音程ほど下げて、かるく緩めておく程度で良いので、これは欠かさず行いましょう。
2、弦に触ったらクロスで拭く!
弦楽器において一番の大敵と言えば、錆や劣化を招く水分と塩分。ギターの弦が錆びてしまう原因の大半は演奏中につく手の汗です。ですから、弦に触ったら必ずギタークロスで拭くようにしましょう。
もし面倒でなければ、一日の終わりに弦の潤滑剤を使うのもおすすめ。指と弦の滑りや、指板面で発生する摩擦を最小限にしてくれるため、滑らかな指運びをする事が出来るだけでなく弦の錆も防ぎます。
3、スタンドを使ってもネックの反りは関係ない!
よく、ギタースタンドに立てかけてギターを毎日保管していると、ネックに立てかけた体重がかかるため沿ってしまうと聞きますが、先ほども説明した通りギターはチューニングで約80kgの力が加わり、その状態でも出来る限り反らないようにメーカーが制作しています。立てかけた程度では反ったりしないので、保管に活用しましょう。
4、必ずケースかスタンドを使って保管する事!
意外と多いのが、部屋の隅に立てかけたり、壁に立てかけたり、さらには、床に直接寝かしているという人まで見かけますが、倒したり踏んだりしてネックが折れる事、結構多いので注意です。
シールドを挿したままにしたり、ストラップを付けたままにしたり、こういった保管は故障に直結するので絶対に止めた方がいいです。ケースにしまうか、スタンドを使用して大切に保管してください。
5、ギタースタンドでの保管はココに注意!
ギターを保管する時に大活躍なギタースタンドですが、スタンドと楽器が接触する部分の素材には注意が必要です。ボディを支える部分や、ネックを支える部分というのはギターに傷をつけない為に、何らかのクッションがされていますが、ゴム系の素材やクッションが使われているスタンドには要注意で、ギターの塗装(特にラッカー塗装)と化学反応を起こしてしまう事があり、塗装が溶けたり、変色してしまう恐れがあるため対策が必要です。
化学反応でギターの塗装が溶けると、タッチアップでは治せませんから、スタンドのクッション部分には、タオルやクロスを巻き付けるなどしてゴム部分とギターが接触しないようにしておきましょう。
もっと知りたい!ギターの保管方法について
先ほど紹介した保管方法以外にも、知って損することはありません。ここからは、大切なギターを保管する時に知りたい知識についてより詳しく解説していきますので、しっかり覚えておきましょう。
ギターは湿度に注意!
ギターは湿度に敏感です、エレキよりもアコギはさらに敏感です。そのため時々湿気を飛ばす為に、風通しの良い日陰に出しましょう。
間違っても天日干しや浴室乾燥させるといった行為は厳禁です!!木材が乾きすぎると、最悪ギターのボディが割れる事もあります。
湿度 | 状況 | ギターの症状 |
60%-50% | 加湿器のそばに保管 | 水分が多く木材が膨張する ネックが反ってパーツが錆びる |
50%-40% | ハードケースで保管 | 楽器にとって最良の環境 |
40%-30% | 週に一回程度の演奏 乾燥対策なし |
ネックが縮みフレットにバリが出る ネックが反り始める |
30%-20% | 乾燥した室内で保管 | 指板が割れる アコギは表板が落ち込む 弦高が下がりビリつく |
20%-10% | 乾燥した室内に裸で放置 | アコギの表板が割れる ブリッジが剥がれる バインディングに隙間 |
ギターケースに入れっぱなしは危険
大切なギターだから大事にしなきゃとケースに入れて保管している人。毎日演奏していて、しまうのはケースの中という人は問題ありませんが週に一回、月に一回程度しか演奏しない場合は注意が必要です。
湿度調整したギター用のハードケース等であれば問題有りませんが、ソフトケースに入れっぱなしにするのはギターを劣化させます。
湿度を上手に管理してギターを保管するには?
ギターに最適な湿度と言うのは40%~50%程度と言われています。加湿器のそばで保管したり、除湿した部屋で保管するのは厳禁です。特にアコースティックギターの場合は木材が薄く作られているため、湿度の影響をもろに受けて、ブレイシングが剥がれる可能性もあります、そこで活躍するのが、ギター専用のハードケースです。
ハードケースに湿度調整剤を入れて保管すれば、湿度が高い時には水分を吸収し、湿度が低い時は水分を放出し、ギターにとって最適な湿度を保ちながら保管する事が可能です。
ギターを外に出して保管するとき
ギターを外に出したまま保管するのであれば、基本的には壁に立てかけるか寝かせるかスタンドを使うかになります。壁に立てかけたり寝かせるのは、ギターを壊す可能性が高まるため、正しい保管方法としてはスタンドを使用して立てるのが正解ですが、神経質な人は「スタンドでもネックに負担かかる」と思うでしょう。
先ほど、それほど神経質にならなくても大丈夫だと説明しましたが、ネックに斜め方向の力が加わってしまうと言うのはさけられません。そこで、どうしても気になる人はギターハンガーがおすすめです。
頻繁に弾くなら最もおすすめなギターハンガーでの保管
ギターハンガーというのは、ギターを壁にかける事が出来るスタンド。壁に直接ネジを挿す必要があるので、借家暮らしには難しいですが、場所をとらずにギターを引っ掛けてコンディションを保てるうえに、場所もとりませんし、インテリアとしてもスタイリッシュです。ギター上手い人感が出るのも、ギターハンガーの魅力です。
ギター保管時は弦を緩める派と緩めない派
これはギター好きの間で度々論争になる話題なので取り上げます。正しい保管方法として半音分緩めておくと言う事は忘れないで下さい。あくまで参考までに、緩める派と緩めない派の意見を紹介します。
ギターの弦は緩めるべき!
弦を張った状態というのはエレキギターだと約50kg近い力が加わり、アコースティックギターに至っては80kg近いテンションがかかる。そのままにしておけばネックが順反りしてしまうのは解るはず!だからこそ、保管する時は弦を緩めておくべきである!
ギターの弦は張っておくべき!
基本的にどのギターも弦を張ったテンションがかかった状態でベストなバランスになるように設計されているのだから、規格外の弦を張ったとき以外は設計通りテンションをかけるべき。
弦を外した状態で保管していると、ネックは逆反りしてしまうし、何度も弦のテンションを変えると弦が劣化して切れやすくなる。