日頃から行いたいギターの手入れメンテナンスについて
大切なギターを長く使用したいなら、日頃のメンテナンスは重要です。しかし正しいメンテナンス方法を知らなければ逆にギターを劣化させたり、塗装を剥がしてしまったりというトラブルも起きる為注意が必要です。
そこで、今回はアコギ・エレキなどのギターを正しくメンテナンスして、コンディションを保つ為の方法やメンテナンスの疑問を解説していきます。
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ギターのボディのメンテナンス方法
ボディ部分というのは、割れたり日々が入ってしまったり、構造上に欠陥が出る程の衝撃を与えない限りは、特にこれといったメンテナンスが必要な部分ではありません。
日頃から練習後にギター用クロスで拭くのが最善のメンテナンスです。すこし汚れてきたな、と思った時はポリッシュを使って拭きましょう。ギターの表面を綺麗に磨いてあげるだけで"鳴り"が変わるとも言われ、ボディ部分は日頃から手入れするのをクセにするのがおすすめです。
ギターの弦のメンテナンス方法
弦は練習中の手汗や空気中の水分によって錆が生じてしまいます。特に梅雨時期から夏にかけての湿度の高い時期は影響が強く、メンテナンス無しでは一ヶ月程度で交換するレベルに錆びます。
弦が錆びてしまうと音に伸びがなくなり、フレットまで削ります。そのため、ギターを長持ちさせるためにも弦のメンテナンスは重要です。メンテナンスの基本としては、練習後のまめなクロス掛けでしょう。
手汗や水分をこまめにクロスで拭き取るだけでもかなり違います。そして、ギターの弦の滑りを良くする潤滑剤を使いましょう。指の滑りが良くなるだけでなく、錆も防止して長く使用できます。
ギターの指板のメンテナンス方法
塗装が施されたメイプルの指板などは、ほぼメンテナンス不要です。クロス等を使用して、きれいに空拭きしてあげるだけで大丈夫です。しかしローズやエボニーといった乾燥に影響を受けやすい木材は、オイルを使用して保湿してあげないと、ヒビ割れてしまう事もあります。
ローズネックオイルなどの指板メンテナンス専用のオイルを使用して、クロスやキッチンペーパー等に適量を染み込まして指板に塗ります。大量に塗る必要はなく、10円玉程度の量をなじませていきましょう。
木目に反って塗ったら、15分程度放置し、乾いた布で拭き取ります。拭き取る際は木目に対して垂直に拭き取っていきましょう。
ギターのフレットのメンテナンス方法
先ほど解説した弦のメンテナンス同様、フレットにも錆がつくため、わりとこまめにメンテナンスしなければギターは長持ちしません。フレットの傷や錆は音の伸びにも影響するためかなり重要な部分です。とは言っても、フレットを掃除しようとすれば弦が邪魔ですから、弦を交換するときに思い出して、しっかりメンテナンスしましょう。
基本的にはクロスで拭いて、細かい汚れ等を取るだけなのですが、錆がついていたり、演奏のし難さを感じたら以下のメンテが必要です。用意する物は、金属磨きクロスがあれば大丈夫です。こだわる人は、ピカールなどの磨き粉をつかって下さい。
このどちらかでフレット部分をしっかり磨いてあげれば復活します。フレットの錆を落としたり、くすみを取るための"磨き"というのはすくなからずフレット部分を削っているということですから、毎月のように行うとフレットが削れすぎて悪影響を及ぼします。年に一回程度、思い出した時にメンテナンスしてあげましょう。
ギターのメンテナンス用の道具
ギターのメンテナンスにおすすめのクロス
ギターのボディを拭いたり、磨いたりと何かと使用するクロス。クロスと一口にいっても、実は様々な種類があるのです。楽器店などでギター用として販売されているのはポリッシュクロス。つまりポリッシュで磨いた時に輝きが出やすい布と言う事です。
金属パーツを磨いたりボディにツヤを持たせる効果があるのですが、つまりこのクロスはそれだけ”傷”を付けやすいと言う事です。ガンガン使って上達しながら綺麗にギターを扱いたい!という人はこのポリッシュクロス等を使用するのがおすすめです。
しかし、アンティークギターを眺めながら、たまに演奏すると言う人は、セーム(鹿の革)をクロス代わりに使うのがおすすめと言えます。セームはやわらかいため、ほぼ傷をつける事はありません。
ギターのメンテナンスにおすすめのオイル
レモンオイルやオレンジオイルなど、ギターの指板用オイルと言うのはかなり多くの種類が出ているため、どれにするか迷うと思います。また"◯◯のオイルはギターに悪影響"といった噂も多くあります。真相が分からないため、どのオイルを指板に使うか困ってしまいます。
そんなあなたにおすすめなのがローズネックオイルです。香りも良いですし、もちろん保湿能力もかなり高く磨き上げも良く、指板を新品かと思う程に艶やかにし、コンディションを整えます。触った感じもほのかにしっとりし、指板を劣化させません。
ポリッシュを使ったギターのメンテナンス
磨く事でギターのツヤを出せるのがポリッシュと呼ばれる液体です。使い方はとっても簡単、ポリッシュを数滴クロスにつけたら、ギターの汚れや小傷をかくしてツヤを回復させる事が出来ます。しかし注意しなければならないのが、ポリッシュの種類です。
楽器は非常に繊細なため、専用のポリッシュを使用する必要があり、ギターのボディに直接ポリッシュをかけるのは絶対に禁止です。
ギターのメンテナンスにアルコールは使えるの?
ギターのメンテナンスについて調べていると、チラホラ見かけるのがアルコールを使用してギターのメンテナンスをしているという話。基本的に、ギターはアルコールで磨いたりするのは良く有りません。塗装を痛めやすく、ギター自体を劣化させる恐れもあります。
では、アルコールは絶対に使っちゃだめなの?という話。コレが実は、酷い汚れのときには結構アルコールが活躍します。たとえば、ギターの上に料理をこぼしてしまった(なんて少ないですが)という時等の汚れを付けてしまったら、アルコールが良いでしょう。そういった、最終手段としてのアルコールは使えると言えます。
ギターのメンテナンスで良く聞くレモンオイルって何?
ギターの指板をメンテナンスする際に使うオイルの中でも、定番中の定番といえるのがレモンオイルです。レモンオイルには賛否両論があり、指板を劣化させるという意見やレモンオイルこそが、指板の保湿には最も適しているんだ、など。
ちなみにマーチン社がレモンオイルでの手入れは控えましょうと公式サイトにて発言したため、現在ではレモンオイルは下火な傾向。しかしアーティストさんの中には、レモンオイルを愛用している人も。
個人的には、先ほど紹介したローズネックオイルをおすすめしますが、"レモンオイル=劣化させる"という意見は間違っているように感じます。"ローズネックオイルの方が劣化が遅い"というだけなのです。