コンデンサーマイクのメリットやデメリットと使用用途
ミュージシャンのライブはもちろんですが、カラオケや会議の進行役など、一般人でもマイクを使う機会って意外にありますよね。
とはいえ、私たち素人からするとマイクの違いなんてよくわかりません。仮に「プロのミュージシャンを目指すんだ!」「これから実況動画配信にチャレンジしてみよう」と思っても、マイクをどんな基準で選べば良いのか、特に初心者には未知の世界かと思います。
そこで今回はマイクの種類のひとつである「コンデンサーマイク」に注目し、その特徴やメリット・デメリットの他、例えばどんな用途ならコンデンサーマイクを使うのがおすすめかをご紹介しています。
マイク選びで悩んでいる方、ぜひ参考にしてみてください。
スポンサーリンク
コンデンサーマイクとは?
一口にマイクと言っても、その種類は大きく2種類に分けられます。
- ダイナミックマイク:ライブやカラオケ、会議、講演会で使用
- コンデンサーマイク:スタジオや自宅での録音で使用
ひとつ目は、ダイナミックマイクと呼ばれる種類です。イメージとしては、ライブやカラオケボックスで使われるような、一般的にもよく知られている外観のマイクといえば伝わりやすいでしょう。
そして、もうひとつが今回のテーマであるコンデンサーマイクです。コンデンサーマイクは、ナレーションやレコーディングのスタジオ収録、劇場での漫才など、シビアな録音環境で使われるプロ御用達のイメージがあるマイクです。
コンデンサーマイクは高感度ですがその分デリケートで壊れやすく、価格も高めです。また、プラグに繋げば使えるダイナミックマイクとは違い、ファンタム電源という特殊な電源を必要とします。
そのため、気軽にマイクを使用したいと考えている初心者より、繊細な音を録音したいと考えているプロのミュージシャンが使用する事の多いマイクです。
使用するシーンや用途によって、コンデンサーマイクとダイナミックマイクを使い分けないと、思っているような音を拾うことが出来なかったり、ノイズや雑音が入ってしまう事があるので注意するようにしましょう。
コンデンサーマイクの仕組み
コンデンサーマイクの仕組みはとても複雑で、電気に強い人でもないと理解することは難しいと思います。
そもそもコンデンサーとは何か?という話になるのですが、とりあえずコンデンサーとは電気を蓄えたり放出するために用いられるパーツだと思ってください。
コンデンサーマイクはこのコンデンサの原理を応用して収音しています。ダイアフラムと呼ばれる振動板が、空気の振動を受取り、その振動を電圧の変化に変換して電気信号を取り出しています。
そしてこのコンデンサーを使うには金属板に電圧を加える必要があるため、専用の電源供給=ファンタム電源が必要になる、というわけなんです。
コンデンサーマイクのメリット
コンデンサーマイクのメリットは、
- 音質が高い
- 幅広い周波数の音域を拾う
- 繊細で細かい表現が可能
コンデンサーマイクはとにかく感度が高く、幅広い周波数の音域を丁寧に拾い上げてくれます。ダイナミックマイクでは拾いきれないような繊細で細かい表現をとらえるのもお手のものです。音の強弱が大きく、広範囲の音域を扱う場合には、コンデンサーマイクがその実力を発揮してくれるはずです。
アーティストのレコーディングの際は、「表現したい音」や「録音したい音」を的確に拾う事が出来るので、思った通りの作品に仕上げる事が出来ます。
コンデンサーマイクのデメリット
コンデンサーマイクのデメリットは、
- ファンタム電源が欠かせない
- 湿気や振動に弱く壊れやすい
- ノイズや雑音を拾い、ハウリングを起こしやすい
- 比較的高価
コンデンサーマイクを使うためにはファンタム電源が欠かせません。また、湿気や振動に弱く壊れやすいため、扱いには注意が必要です。使用していない時は、密閉されたケースに乾燥剤と一緒に保管しておくとマイクの劣化を防ぐ事が出来ます。
収音性が優秀すぎるがゆえにノイズや雑音を拾いがちという思わぬデメリットもあります。そのため、騒がしい環境での使用には当然不向きです。野外や、音の発信源が多数ある場合などはハウリングを起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。
さらには値段が比較的高価です。安くて数万円から、高くなると数十万円レベルのコンデンサーマイクが多く見受けられます。アマチュアで活動するには厳しい出費かもしれませんね。
コンデンサーマイクの使用用途
高音質だけど壊れやすいという特徴を持つコンデンサーマイクですが、一体どういったシーンでの使用に適しているのでしょうか。ボーカルの声質や聴衆にどのように聴かせたいのかにもよりますが、ここでは使用環境とその目的をメインに考えてみます。
前提として、
- ファンタム電源が使える
- スタジオのように静かな環境を用意できる
- 幅広い音域を生かした高音質の録音がしたい
上記のような条件を満たしているならコンデンサーマイクの使用をおすすめします。
特に本格的なレコーディング目的なら、繊細な音の収音・録音を得意とするコンデンサーマイクがマストアイテムになるでしょう。静かな空間さえ確保できるなら、自宅での録音も可能です。
逆に、雑音の入りやすい野外であったり、ライブのように激しいパフォーマンスやアクションを売りにするならコンデンサーマイクは避けましょう。デリケートで壊れやすいうえに価格が高めなので、もし壊れたら…なんて考えると使いづらいですよね。そういった臨場感をともなうシーンを想定するのであれば、ダイナミックマイクがおすすめです。