コンデンサー?ダイナミック?ボーカルマイクの選び方
「使っているマイクに納得がいかない」「プロが使っているようなマイクで歌ってみたい」と考えているボーカルの方は多いのではないでしょうか。
しかし、良いマイクは欲しいけれどボーカル用マイクの選び方がよくわからないという方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、ボーカル用マイクの選び方について詳しく紹介します。この記事を読めば、ボーカル用マイクを選ぶ基本的な考え方をはじめ、使う目的やスタイルに合わせた正しい選び方まで詳しく理解できます。
あなたの歌声を生かせるお気に入りのマイク選びの参考に役立ててくださいね。
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ボーカル用マイク選びの基本的な考え方
ボーカル用マイクを選ぶための基本的な考え方についてご説明します。
まず、マイクは大きく分けると、「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」の2種類があります。
ダイナミックマイクはカラオケやライブハウスなどで見かけることが多い、一般的によく使われているマイクです。手頃な価格のものが多くあります。大きな音で出力しても歪みにくい点も特徴の一つと言えます。
電源が必要なく、ミキサーに接続するだけですぐに使えます。周りの余計な音が入りづらく、ピンポイントでボーカルの声を拾うことができます。そのため、スピーカーの音を拾ってしまい、音がループすることで起こるハウリングも起こりづらいです。
振動・衝撃に強く、丈夫で扱いやすいのでボーカル用マイクはこのダイナミックマイクを選ぶことがセオリーです。
より幅広い音域の繊細な音をしっかりと拾いたい場合には感度の高いコンデンサーマイクがおすすめです。レコーディングでよく使われるマイクです。
マイクをつなぐキャノン(XLR)ケーブルを使って、ミキサーやオーディオインターフェースから電源を供給する必要があります。これは、ファンタム電源と呼ばれる仕組みです。
湿度や振動に弱い繊細な構造になっていて、ダイナミックマイクと比較すると高価なものが多くなっています。
マイクの種類の他にも、歌うスタイルに合わせた指向性のマイクを選ぶことも大切です。指向性とは音をよく拾う角度や広さのことで、ボーカル用マイクに向いているのは単一指向性のものです。
単一指向性には音を拾う範囲によって、カーディオイド・スーパーカーディオイド・ハイパーカーディオイドといった種類があります。正面の音をよく拾い背面の音を拾いづらいことが特徴で、度合いが強くなるほど音を拾う範囲は狭くなります。
ボーカルの声をしっかりと拾うためには、口元に指向性が向いたものを選びましょう。
ボーカル用マイクの正しい選び方
歌うスタイル・シーン・バンドの編成によって、選ぶべきマイクの種類は違ってきます。
今回は、この4つのスタイルに合わせたボーカル用マイクの選び方について詳しく解説していきます。
路上ライブで使用するマイク
路上ライブで使用するマイクを選ぶ時のポイントは以下になります。
- ダイナミックマイク
- スーパーカーディオイドなどの指向性がより狭いもの
ダイナミックマイクは電源が不要で、衝撃や振動に強いという特徴があります。路上ライブは限られた場所と機材で行うので、丈夫で扱いやすく電源がいらないというのは重要ですね。
また、人の話し声や歩く音など周りにはさまざまな音がありますので、単一指向性の中でも音を拾う範囲がせまいスーパーカーディオイドを選ぶとよいでしょう。スーパーカーディオイドは横からの音をとても拾いづらく、遮音性が高くなっています。
その分、歌うときにはマイクの正面をしっかりと意識する必要があります。
ロックやパンクなど激しいバンドで使用するマイク
ロックやパンクなど激しいバンドで使うボーカル用マイクを選ぶ時のポイントは以下になります。
- ダイナミックマイク
- カーディオイドなどの指向性
まわりの音が大きいバンドで使う場合には、他の楽器に負けない大音量でも歪まないダイナミックマイクを選びましょう。衝撃や振動に強いので、楽器が増えたり人数が大きくなってステージ上が混み合っても安心して使えます。
単一指向性の中で一般的なカーディオイドを選ぶことも大切です。カーディオイドは正面の広い範囲の音を拾うので、マイクを手に持って動きながら歌っても声をしっかりと捉えてくれます。
まわりの音が大きいからといってスーパーカーディオイドなどの狭い範囲の音を拾うマイクを選ぶと、正面を捉えられずに声が拾えない可能性があります。
ボーカルの声メインのバンドで使用するマイク
ボーカルの声がメインのバンドで使用するマイクを選ぶポイントは以下になります。
- コンデンサーマイク
- スーパーカーディオイドなどの指向性が狭いもの
コンデンサーマイクは感度が高いので、ボーカルの幅広い音域の繊細な音まで表現することができます。歌詞や歌声のニュアンスをバンドの前面にしっかりと押し出すことができます。
ただ、衝撃や振動に弱く電源が必要になりますので、使う場所や他の楽器との音のバランスをしっかりと考える必要があります。
ハウリングが起こりづらく正面の音だけを拾うスーパーカーディオイドやハイパーカディオイドなど、指向性が狭いものを選ぶことも大切です。
また、SHURのBETA87Aのように手で持って使えるハンドヘルド型のコンデンサーマイクもあります。ノイズや振動に強いのでバンドでの使用におすすめです。
レコーディングで使用するマイク
レコーディングで使用する時のマイクを選ぶポイントは以下になります。
- コンデンサーマイク
- 無指向性やカーディオイド
コンデンサーマイクは感度が高く、低音から高音まで繊細に歌声を捉えてくれます。音を正確に拾うことが必要なレコーディングに最適なマイクです。
カーディオイドなど指向性が広めのものや、まわりの音を満遍なく拾う無指向性のものを選べば、スタジオの雰囲気そのままに臨場感のあるレコーディングができます。その分、リズムをとる足踏みやマイクに息があたる音も拾ってしまうので余計な音が入らないように注意が必要です。
また、高価なものになると、指向性を切り替えられるコンデンサーマイクもあります。声の質や強調したい音域など、あなたの歌声に合わせたマイクを選ぶと良いでしょう。