ヘッドホンの駆動形式(ドライバーユニット)の違いと特徴
ヘッドホンの心臓部であり、「電力」「磁力」「運動力」を変換し、音を鳴らす機構であるドライバーユニット。ドライバーユニットのヘッドホンに与える影響は非常に大きく、ドライバーユニットの構造が異なれば、全く違う音質となります。そこでドライバーユニットの種類と特徴についてご紹介します。
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ヘッドホンの駆動形式(ドライバーユニット)の種類と特徴
ヘッドホンのドライバーユニット(駆動方式)とは、電気信号を音に変える部分のことです。つまり、ドライバーユニットとは、ヘッドホンの心臓部である「音を鳴らす機構」を指します。
ドライバーユニットは「電力」「磁力」「運動力」を変換する機構であり、電気信号を振動に変換し、振動を音として耳に届ける上で非常に大きな役割を担います。ですのでドライバーユニットによって、ヘッドホンの音は大きく異なります。
一般的にはドライバーユニットが大きければ大きい程、振動面積が大きくなるので音質が向上すると言われています。これは振動板が大きい方が振動を空気に伝える効率が良い為であり、そのためドライバー口径を気にする人もいます。
しかし、これは一概に言えることではありません。ドライバーユニットが大きいと、振動板が重くなるので強度を保つ為に全体の重量が重くなります。そうすると、早い振動が必要な高音域の音が苦手となります。
このように大きさ一つとっても、一長一短がありバランスが重要となっています。そこで最も影響が大きいドライバーユニットの種類とそれぞれの特徴についてご説明します。
ダイナミック型
一般的なヘッドホンの大半がこの「ダイナミック型」です。ヘッドホンの95%以上がダイナミック型のドライバーユニットであると言われています。構造としては、磁器回路を使用して振動板を振動させる仕組みです。
振動板に巻き付けられたボイスコイルと、向き合うように設置された永久磁石に電気信号を流すことによって生まれた、磁束の引付と反発作用を用いて振動板を振動させて音を出します。パワフルな重低音の再生が可能なドライバーユニットです。
バランスドアーマチュア型
バランスドアーマチュア型は主にイヤホンで用いられており、ヘッドホンで用いられることは少ないです。バランスドアーマチュア型は、クリアではっきりとした音が特徴です。
また、構造的に小型化が容易なドライバーユニットですので、補聴器などの医療用途にも使われています。ヘッドホンで使われることは少ないですが、演奏時のモニターヘッドホンはバランスドアーマチュア型のドライバーユニットであることが多いです。
コンデンサー型
コンデンサー型とは、専用アンプを必要とするドライバーユニットです。構造としては、薄い振動膜に電圧をかけて、周りの電極版に信号を流すことによって電束の引きつけ・反発作用を発生させて音を出す仕組みです。
コンデンサー型は、振動膜の薄さから繊細で歪みのない音質となりますが、振動膜の薄さゆえに大きな音量は得意ではありません。